実話をもとにしているそうです。
上映館は少なめでしたが、公開後しばらく経って観に行ったのに、
劇場が混んでいた印象でした。
以下、内容にふれます
あらすじから!
ゲイであることを隠している弁護士のポール。
歌手を目指し、ショーダンサーをする、同じくゲイのルディ。
ふたりは出会い惹かれ合います。
一方で、ルディは母親と暮らすダウン症の少年マルコと出会う。アパート?の隣室なんですね。
この母親が、薬物中毒…。マルコは愛に恵まれず、ついには母親が逮捕され、ひとり残されます。
やがて3人は、一緒に暮らし始めます。
ハッピーエンドのお話と、チョコレートドーナツが大好きなマルコ。
ふたりはマルコを学校に連れて行き、愛情をもってともに暮らす。
ルディのデモテープをつくるシーンは印象的でした。
「僕の家?」と泣くマルコにとってふたりは、本物の家族だったのでしょう。
ストーリーはそこから一変します。
ゲイが子供と暮らしている、と通報されてしまい、マルコが保護されてしまうのです。
そしてはじまる裁判…ふたりはマルコを取り戻そうと必死に戦うも、ゲイであることをことごとくやり玉にあげられ、どうにもうまくいかない。
ふたりを待ち続けるマルコ。
学校の先生たちの証言も、ふたりがいかにマルコを愛し、マルコがしあわせだったかを示すのに、ハロウィンの仮装までがやり玉にあげられ…。
ふたりは裁判に、負けてしまいます。
保釈された母親が、マルコを引き取り、マルコはもとの暮らしに逆戻り。
ラスト、「家」に帰ろうと彷徨うマルコが、そのままなくなってしまう、
そのことを裁判関係者に訴えるポールの手紙で、物語は幕を閉じます。
悲しいのはもちろん、私は悔しくて仕方なかったです。
その分訴えてくるものがあった。
感動した~、と片づけるのは少し違うような気もしました。
本来ならマルコには、ふたりと一緒に笑いながら暮らす未来があったのかもしれない。母親のもとにいながら、彼にとっての「家族」を思い続け、目指し、ついには帰れなかったマルコ。
阻んだのは何だったか、
彼らの言葉はなぜ届かなかったのか、
実はありふれた身近なことなのではないか…
ルディの歌をききながら考えさせられてしまいました。
見終えて、血の繋がらない、ひとりで暮らしていた3人が、家族としての絆を深め、心地よい居場所を築いていく様子がとても心に残っています。さまざまな逆風の中で暮らしている彼らの共同生活の、安心感や幸福感。それを本当に大切にしている姿。
はっとするものがありました。
ルディのキャラクターはとても魅力的でした。演じるアラン・カミングは、実際に、様々活動されている方だそうです。
マルコ役のアイザック・レイヴァは、実際のダウン症の方です。障がいをもった大人のための演劇学校に通っている(いた?)そうです。
ダウン症で書家の金澤翔子さんのことを、ぼんやり思い出しました。