clothes on film 2021
IGN Japanでの連載“映画衣装の密かな愉しみ”、今年の7作品のふり返りです。
第8回『ワンダーウーマン 1984』1984年を闘うそれぞれの戦闘服
1作目の第一次世界大戦中の世界から80年代に舞台を移しての2作目でしたが、前作のダイアナからのつながりもありつつ、時代の雰囲気もうまく(やり過ぎず)感じられる衣装で良かった。流行に関連した部分だけでなく、登場人物の内面が反映されている箇所を探るのもおもしろかったです。ペドロ・パスカルのマックス、可愛かった。おまけはこちら。
第9回『クイーンズ・ギャンビット』衣装で辿る、ベスのクイーンへの道のり
ファッショナブルな衣装で配信開始当時から結構色々なところで話題になっていたので、ほかにない内容を入れられるようにしました。おまけでも書きましたが、ベスの母親、アルマもとても素敵でした。
第10回「バック・トゥ・ザ・フューチャー」その「時代考証は正しい」衣装から見えてくること(前編)
連載初の前後編。前編は3人の女性キャラクターの衣装について。ロレインとジェニファーの意外な共通点とか、クララの驚くほど細かい衣装とか、実に深くておもしろかった。3人ともほんと可愛い!
第10回「バック・トゥ・ザ・フューチャー」その「時代考証は正しい」衣装から見えてくること(後編)
後半はマーティとドク。最後に書いたことは、偶然ならやっぱりBTTFは奇跡の映画だし、もともと考えられていたのだとしたらすごすぎる。どちらにしてもBTTFは最高ということです。前後編まとめての長いおまけなどはこちら。
第11回『パーム・スプリングス』「永遠の“今日”」の一着
メインのふたりのエフォートレスなファッションがいい感じの『パームスプリングス』ですが、タラの結婚式のテーマカラーの裏にある意味というか、彼女が狙っているであろう効果みたいなものが今の時代を反映しているなあという感じで興味深かった。個人的にはロイのダンディスタイルがかっこよくて好きです。
第12回『ノマドランド』衣装が映し出すファーンの心の風景
『ノマドランド 』は一見地味な服ばかりのようでいて、衣装から感じられるようになっていることは実はたくさんありました。ファーンの服装は同年代のふつうの人がまねるのは危険すぎる難易度高いスタイル。そういうところでもフランシス・マクドーマントありきの作品だということがわかります。
第13回『ワンダヴィジョン』1950年代から2000年代まで 時代とともに移り変わるワンダのファッション
衣装とオープニングタイトル(とアガサのテーマ)がとにかくすごかった。それぞれの時代の再現度の高さもだし、それを1回しか使わないというのがまたとんでもなくすごい。当時そのまんまではなくて、今の感覚で見て魅力的になっているというさじ加減もうまいと思いました。
第14回「007」シリーズ『007/ドクター・ノオ』から『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』まで 3人のQのスタイルから探る「Q」という存在
これは今までの14回の記事の中でも最高に楽しかった。関連作品全部を観るのはまあたいへんではありましたが、観直したものも初めて観たものも、公開された順に一気に観ると色々と気づけたこともあってとてもよかったです。ほぼ雑談ですがおまけはこちら。
連載2年目の今年、バック・トゥ・ザ・フューチャーの回で2ケタになり、現在14回まで続けることができています。読んで下さっている方にはほんとうに感謝です。いつも、もう一度その作品を観たいと思ってもらえるような濃い内容になるように……と思っています。少しでもそれに近いものになっているでしょうか。年末辺りから、延期になっていた劇場公開作品を含めて公開ラッシュのようになっていますが、その中にもこれはどうかな?と思っている作品もいくつかあります。リクエストがありましたら、メールなどで教えて下さい(必ずそのままお応えできるとは言えないのですが、とりあえずお気軽にどうぞ)。今年も1年どうもありがとうございました。2022年もよろしくお願いします。