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ゆうママ@チーズのブログ

自分の記録用にゲームのレポ書いてます♪
のんびり更新しています(^^
ネタばれ注意です

翌日、おじさんの屋台に呼ばれた私たちは、無事におでんの作り方を教えてもらうことができた。

ナギ「なるほどな、これが隠し味だったとは意外だ…」

ユウ「これってすぐ手に入りますか?」

おじさん「市場では売ってねーんだ」

おじさん「こんなにいい出汁が出るのに」

おじさん「売り物になんねーから捨てられんだよ」

ナギ「…他の料理にも使えるな」

ユウ「そうですね!今度市場に行ったら交渉してみましょうか!」

リュウガ「おーい、もう終わったか?オヤジ、こっちに来て一緒に飲め!」

おじさん「おっと、船長にそう言われたら断るわけにいかねーな」

おじさんが、お酒を持ってリュウガ船長のテーブルへ行く。

ユウ「おじさん、嬉しそうですね」

ナギ「メギの怪我が治ったら一緒に屋台やるらしいからな」

ユウ(メギさんの怪我って、ナギさんと戦った時のだよね)

ユウ(ナギさん、手加減してるから、すぐ良くなるはず…)

ナギ「お前ももうテーブルに行け。片付けは俺がやっておくから」

ユウ「一人じゃ大変ですよ。私も手伝います」

ナギ「いいから、あっちに行ってあったまってこい」

ナギ「俺もすぐ行くから…」

ナギさんは煮え立つおでんの様子を確認すると、私に向かって小さく微笑む。

私はナギさんにお礼を言って、みんなの方へ向かった。

屋台での宴会が終わり、ナギさんと一緒にホテルに戻って来た。

ユウ「ここに泊まるのも、今日が最後ですね」

ナギ「ああ…」

ふと見ると、ナギさんは大切そうに抱えていた袋を下ろしたところだった。

ユウ「ナギさん、その袋…」

ナギ「…」

ユウ「確か、ここを出る時は持ってなかったですよね?」

ユウ「おじさんから何かもらってきたんですか?」

ナギ「…何でもない。それより風呂に入ってこい」

ユウ「え…」

ナギ「身体、冷えただろう」

ユウ「…?」

ユウ「じゃあ、お先に…」

袋の中身が気になりながらも、ナギさんの言葉に従い、お風呂場へ向かう。

ユウ(そういえば、さっきも後片付けしながら何かしてたっけ)

ユウ(どうしたのかな。何か新しい料理を思いついたとか…?)

先にお風呂に入り、ほかほかになってあがってくると、テーブルに向かっているナギさんの背中が見えた。

ユウ「ナギさん、お風呂お先にいただきました」

ナギ「…」

熱中しているのか、ナギさんには私の声が届いていないらしい。

ユウ(何してるんだろう?)

近づいて後ろから覗くと、気配に気づいたのかナギさんが振り返った。

ナギ「……っ!」

ユウ「えっ?」

ナギ「…」

ナギさんは、パッと手元の何かを隠そうとする。

ユウ「どうしたんですか?それ…」

ナギ「…ちょっと待て」

ユウ(ん?甘い香り…これ、もしかして)

ナギさんが隠している手元をなんとか覗いてみると、そこには、ハート形のパンケーキが隠されていた。

ユウ「わあ!かわいいパンケーキ!おいしそう!」

ナギ「…」

ナギ「…まだできてない」

ユウ「え?これで出来上がりじゃないんですか?」

ユウ(あれ?このパンケーキ、何か描いてある…)

ユウ(チョコレートのペンで…あれ?これって…)

ユウ「ナギさん…これって似顔絵、ですか?」

ナギ「…」

ナギ「…あいつらには内緒だ」

ユウ「もしかして…私の顔!?」

ナギ「…」

ナギ「…お前が隠したがってた気持ちがわかった」

ナギ「…ガラにもないこと、するもんじゃないな」

ユウ「そ、そんなことないです!嬉しい…!」

ユウ(一人で片付けするって言ったの…パンケーキを作るためだったんだ)

ナギ「…俺も、嬉しかった」

ユウ「え?」

ナギ「お前のオムライスだ」

ナギ「だから、つい…」

ユウ「みんなに言っちゃったんですか?」

ナギ「…悪かった。お前の気持ちも考えずに」

ナギ「似顔絵とか、ハートとか…俺には考えつかないものだったから」

ナギ「あいつらに、つい自慢を…」

ナギ「…」

ユウ(そうだったんだ…)

ユウ(なのに私、恥ずかしいなんて思って怒っちゃって…)

ユウ「これ…食べてみてもいいですか?」

ナギ「ああ」

ナギさんが渡してくれたフォークで、かわいいパンケーキを一口食べる。

ユウ「フワフワで甘くておいしい!」

ナギ「…待ってろ。今、お茶を淹れてくる」

恥ずかしくなったのか、ナギさんが席を立つ。

すると不意に、何かに気づいたように私を見た。

ユウ「ナギさん?」

ナギ「…ついてる」

ユウ「えっ?どこですか?」

慌てて手で取ろうとすると、ナギさんが私の手首をそっとつかんだ。

そして、そのまま唇を寄せて…

ナギ「…取ってやる」

ユウ「えっ…」

私の唇にキスを落とした。

ユウ「……!」

ナギ「…取れた」

ユウ「あ、あのっ…!」

ごく近くで見つめ合い、もう一度、今度は唇にチュッとキスをくれる。

ナギ「…これも、俺たちだけの秘密だ」

ユウ「は、はい…」

ナギ「俺たちには、あいつらにはいえないような秘密がいっぱいだな」

そう言って、ナギさんが優しく笑う。

ユウ「そういうのって…ドキドキします」

ユウ「ナギさんと私だけの秘密…」

ナギ「…」

ナギ「…今から、もっと増える」

ユウ「んっ…」

ナギ「…」

もう一度戻ってきた唇は、甘く溶けそうで…。

ナギさんのキスに応えながら、私は気がつくと、その広い背中に腕を回していた。
みんなの食事が終わる頃、お店のお客さんも次第に減っていった。

ナギ「そろそろ店じまいするか」

ユウ「そうですね…」

ハヤテ「んじゃ、俺らは先に戻ってるわ」

リュウガ「ごちそーさん!」

ユウ(はあ、恥ずかしかった…… これでもかってくらいからかわれた)

ユウ(ナギさん、オムライスのことは言わないって約束)

ユウ(忘れちゃってたのかな…)

ナギさんと一緒に後片付けをしていると、ソウシさんがテーブルを拭いてくれていた。

ユウ「あ…ソウシさん、すみません!私がやりますから」

ソウシ「いや、このくらい手伝うよ」

ソウシ「2人だけだと大変でしょ?」

ユウ「すみません、ありがとうございます」

テーブルはソウシさんにお任せして、私は洗い場へと向かう。

ユウ(明日の仕込みもしなきゃいけないから)

ユウ(こっちは急いで終わらせて…)

ふとテーブルの方を見ると、ナギさんがソウシさんと話している姿が見えた。

ユウ(ナギさん、真剣な顔…どうしたんだろう?)

じっと見つめる私に気づいたソウシさんが、安心させるように微笑む。

ソウシ「ユウちゃん、どうかした?」

ユウ「あ、いえ…大切なお話をしてるみたいだったので」

ソウシ「何でもないよ。気にしないで」

いつものソウシさんの笑顔に、ただ頷くしかない。

ユウ(何でもない、って感じじゃなかったけど…)

ユウ(でもナギさんも普通だし、あんまり聞いちゃ悪いよね)

その時、近くの茂みがガサッと音を立てた。

ナギさんたちがハッと振り返る。

ユウ「なんでしょう?風もないのに」

ナギ「…」

ソウシ「…」

ユウ「猫でもいたのかな」

ナギさんとソウシさんが、黙ったまま顔を見合わせているのを不思議に思いながらも、私は片付けに戻った。

片付けを終えると、私はナギさんと一緒に例のホテルへとやってきた。

ユウ「ナギさん…大丈夫でしょうか」

ナギ「何がだ?」

ユウ「私たちが戻らなかったら、みんな心配するんじゃないかなって…」

ユウ(みんなはきっとこの島に着いた日に取ったホテルに戻ってるよね)

ユウ(まさか2人でこんな怪しいホテルに泊まってますなんて)

ユウ(恥ずかしくて言えないし)

ユウ(何か他に理由を考えておけばよかったな…)

私の顔を見たナギさんが、何でもないことのように口を開く。

ナギ「…それなら問題ない。さっき、ドクターに言っておいた」

ユウ「え?言っておいたって?」

ナギ「お前と2人で、ここのホテルに泊まることだ」

ユウ(ええっ!?)

ユウ「そ、それって、このホテルの場所とか」

ユウ「その…どういう感じのところなのかとか…」

ユウ「全部言っちゃったってことですか!?」

ナギ「…ああ」

ユウ(そ、そんな…)

ユウ「な、なんで言っちゃうんですか…」

ナギ「……?」

ユウ「こ…こんなホテルに2人きりで泊まってるなんて」

ユウ「みんなに知られたら恥ずかしいじゃないですか…」

ナギ「……そういうことなら気にするな」

ナギ「言ったのはドクターにだけだ」

ナギ「他の奴には、たぶん適当にごまかしてくれる」

ユウ「……」

ユウ(いくらソウシさんだって、なんて思われるか……)

ユウ(張り込みとはいえ……)

ユウ「……」

ナギ「ユウ?怒っているのか?」

ユウ「だ、だって、ナギさんが、内緒のこと全部言っちゃうから……!」

ユウ「オムライスのことも、秘密だって約束したのに……」

ナギ「…」

ユウ「……!」

私の言葉に、ナギさんが少し驚いた顔をしたのを見て、感情的になっている自分にはっとする。

次の瞬間、ナギさんがフッと悲しそうに目を細めた。

ナギ「…」

ユウ「あ……」

ナギ「…風呂入ってくる」

ユウ「ナ、ナギさん…」

私の呼びかけには答えず、ナギさんがお風呂場へと消える。

ユウ(私、言い過ぎたかな……?)

ユウ(…言い過ぎたよね)

ユウ(ナギさんはみんなに心配かけないために言ったのに…)

ユウ「自分のことばっかり考えて、嫌な言い方しちゃった…」

ユウ(…ナギさんがお風呂から戻ってきたらちゃんと謝ろう)

ユウ「え!?」

ユウ(何!?て、停電!?)

突然、部屋の中が真っ暗になって、何も見えなくなる。

ナギ「ユウ、動くな!」

ユウ「ナギさん!」

ナギ「大丈夫か!」

ユウ「大丈夫です!」

お風呂から足音が近づいてくる。

ナギさんが、手探りで私を探してくれているのがわかる。

ユウ(私もナギさんの方に移動しよう)

その時―。

バン!

???「女はどこだ?」

???「ここだ!早く連れて行け!」

ユウ(誰か入って来た!?)

ユウ「なっ!?何…!?」

ユウ「やめてっ!」

ナギ「ユウ!?」

わけがわからないまま、ドアの方からやって来た男たちに腕を引っ張られる。

必死に抵抗したけれど、すぐ担ぎあげられて、私は部屋から連れ出された。

ユウ「いやっ!ナギさん!!!」

???「暴れるんじゃねえ!」

ナギ「ユウ!」

ユウ(いったい何がどうなってるの!?)

ユウ(ナギさん…助けて…!)

部屋から連れ出された私は、両手両足を縄で縛られて座らされていた。

どうやら、同じホテルの一室に連れ込まれたらしい。

男1「こいつが、メギの親父のところで屋台をやっていた女か?」

メギ「はい、もう一人、男と一緒でしたけど」

男2「他にも仲間がいんだろ?そいつらは?」

男3「とりあえず、こいつを人質にしておびき出せればいいんじゃないですか?」

ユウ(メギさん……!どうしてこんなこと)

ユウ(それに、他に男の人が5人……全部で6人)

ユウ「もしかして…あなたたちが、偽シリウス海賊団…?」

男1「へえ、よくわかったな。俺たちも有名になったもんだ」

男2「でも、なんで俺たちが偽物だって知ってんだ?」

男3「お前、まさか本物のシリウス海賊団を知ってるのか?」

私は質問には答えず、じっとメギさんを見つめる。

ユウ「メギさん…なんでこんなことするんですか!?」

メギ「…」

男1「おいおい、普通は船長の俺の話を聞くもんだろ?」

ユウ「船長?」

男1「ああ、船長のリョウガだ。本物はリュウガって言ったっけな?」

男2「シリウスの名前を出すだけで、みんなが恐れて逃げ出す」

男2「俺たちはそれでちょっといい暮らしをしているだけだ」

ユウ(そんな理由で、シリウスの名前を使うなんて…!)

ユウ「メギさん!メギさんは違いますよね!?」

メギ「……うるさい」

ユウ「おじさんに湿布と痛み止めを買ってたじゃないですか!」

ユウ「本当は、お父さん想いの息子さんですよね!?」

メギ「うるさい、黙れ!」

ユウ「いやです!おじさんは、ずっとメギさんを心配してるんですよ!」

ユウ「屋台を手伝うどころか、こんなところで…」

ユウ「なにしてるんですか!」

メギ「お前っ…」

メギさんが、私の目の前で手を振り上げる。

ユウ「!?」

ユウ(殴られる…!)

バン!

ガンっ!!

ユウ(え……?)

すごい音が室内に鳴り響く。

見ると、ドアが壊れて、そこに現れたのはー。

リョウガ「な、なんだ!?」

ナギ「ユウ!」

ユウ「ナギさん!」

リョウガ「ナギ、だと……?」

リョウガ「まさか…女、お前は本物のシリウス海賊団の一味だったのか!?」

ナギ「メギ…お前…」

メギ「…!」

私を殴ろうとしていたメギさんを、ナギさんが冷たく睨みつける。

ナギ「…そいつに手を出したら」

ナギ「…俺が許さない」

メギ「っ……」

リョウガ「ちょうどいい。メギ、そいつをやれ」

メギ「なっ……」

リョウガ「父親を捨てると約束しただろう」

リョウガ「まさか今さら、パパが恋しくなったんじゃないだろうな?」

メギ「それはっ…」

リョウガ「やれ、船長命令だ」

メギ「っ……」

ナギ「相手になってやる…来い」

ユウ「ナギさん!」

ナギ「…」

ナギさんが、私に小さく目配せする。

ユウ(ナギさん…?)

ユウ(心配するな、って言ってくれてる…?)

ユウ(でも、いくらナギさんでも、この人数をひとりでなんて…!)

メギ「…」

メギさんが、戸惑いながらも武器を構える。

次の瞬間、ナギさんに向かってメギさんが走り出した。

メギ「わああっ!」

ナギ「…」

ユウ「!?」

ナギさんはあっさりとメギさんの攻撃をかわすと、メギさんの身体に体当たりする。

メギさんが武器を落として尻餅をつくと、一瞬にして勝負がついた。

リョウガ「おいメギ、遊んでんじゃねえ!」

???「遊びじゃねえよ」

ユウ「!!」

突然聞こえてきた声に振り返る。

見ると、壊れたドアの入り口にリュウガ船長とみんなが立っていた。

次の瞬間、みんなの後ろから屋台のおじさんも顔を出した。

おじさん「メギ!」

メギ「親父!なんでここに…」

リョウガ「おい、こいつらまさか…」

ハヤテ「おいおい、俺の偽物はどいつだ?」

トワ「僕の偽物も出てきて下さい!」

シン「……安心しろ。ここで楽に海の藻屑にしてやる」

ソウシ「良かった…どうやら間に合ったようだね」

リュウガ「こんな奴らに俺たち海賊団の名を汚されたとはなぁ…」

リュウガ「野郎ども!手加減はいらねー!思う存分やれ!」

ハヤテ「おう!おめーら、覚悟しろ!」

リュウガ船長の掛け声で、みんなが偽シリウスへと向かっていく。

ナギ「ユウ!」

ユウ「ナギさん…!」

ナギ「大丈夫か?いま縄を切る」

私に駆け寄ってきたナギさんが、すぐに手足の縄を切ってくれた。



(選択してください)



A:お礼を言う



ユウ「ありがとうございます…」

ユウ「ナギさん、私…」

ナギ「…」

ユウ「!?」

さっきのことを謝ろうとした瞬間、ナギさんに思い切り抱きしめられた。

ユウ「ナギさん?」

ナギ「無事で良かった…」



B:抱きつく



ユウ「ナギさん!」

ナギ「…」

恐怖のあまり、ナギさんにぎゅっと抱きつく。

ナギさんは、私を安心させるように抱きしめ返してくれた。

ナギ「大丈夫か?怪我はないか?」

ユウ「大丈夫です。ナギさんが助けに来てくれたから」



C:怖かった



ユウ「こ、怖かった…」

ナギ「…一人にして悪かった」

ユウ「そんな、ナギさんのせいじゃ…」

でも、恐怖から身体が震えてしまう。

安心させるように、ナギさんが抱きしめてくれた。





ユウ(やっぱり、ナギさんにこうされてると安心する…)

ユウ(私、さっきひどいこと言ったのに…助けに来てくれた)

ナギさんの胸に顔をうずめると、その間にみんながメギさんたちを縛り上げる。

みんな、観念したようにがっくりとうなだれていた。

リョウガ「強ぇ……」

リュウガ「当たり前だ。言っただろ?俺たちは遊んでるわけじゃねー」

リュウガ「命かけて海賊やってんだ!」

リョウガ「……」

リュウガ船長の言葉に、偽シリウスの誰もが何も言えなくなってしまった。

シン「それにしても、何でお前だけが連れ去られたんだ…」

ユウ「私を使って、みんなをおびき寄せようとしたみたいです」

ナギ「メギ…どうして俺たちがここに泊まってることを知っていた」

メギ「……」

メギ「…屋台を片付けてる時、そっちの男と話してただろう」

ソウシ「やっぱり……そういうことだったんだね」

ユウ(そういえば、ソウシさんだけは)

ユウ(ホテルに泊まることを言った、って…)

ユウ(じゃあ、あの時…茂みが動いたのは)

ユウ(猫じゃなくてメギさんだったんだ…)

おじさん「メギ…」

メギ「…」

おじさん「湿布と薬…お前だろう」

おじさん「家の玄関に置いてあった…」

メギ「…なんのことだよ」

おじさん「お前には、悪いことをした…もう、過去は取り戻せねえ」

おじさん「けど……息子を思わない父親なんていねーんだよ」

2人のやりとりを、みんながじっと見守る。

私は祈るようにして、メギさんの言葉を待った。

メギ「…屋台、手伝わせてもらえるか」

おじさん「メギ…!」

ユウ「メギさん……」

メギ「でも、犯した罪は償わなきゃなんねえ」

おじさん「わかった…お前がきちんと更生するのをちゃんと見届けてやる」

メギ「ああ…」

リュウガ「オヤジ、よかったじゃねーか、息子が戻って来て」

おじさん「ああ…本当にありがとう」

おじさん「あんたたちには迷惑をかけた」

おじさん「お礼に、おでんの作り方をお前に教えよう」

ナギ「本当か?」

トワ「やった!これで、船でもおでんを食べられるんですね!」

ハヤテ「なら許してやっか」

リュウガ「がっはっは!これで一件落着だな!」

ほっと胸を撫で下ろし、ナギさんと顔を見合わせる。

ユウ「よかったですね」

ナギ「…ああ」

ナギさんは優しい瞳で私を見つめると、そっと頭を撫でてくれた。
リュウガ船長が、屋台のおじさんと『息子を更生させる』と約束した翌日。

リュウガ「俺たちは偽シリウスの情報探しだ」

リュウガ「お前らは、メギとかいう あの親父の息子を探せ」

ナギ「…はい」

ユウ「わかりました!」

ユウ(おでんの作り方も教えてほしいけど…)

ユウ(おじさんの寂しそうな表情… 何とかしてあげたいな)

ナギ「行くぞ、ユウ」

ユウ「はい!」


私とナギさんは早速、おじさんの屋台がある公園へと向かった。

公園に足を踏み入れると、すぐに異変に気づいた。

ナギ「これは…どういうことだ?」

ユウ(な、なにが起こったの…!?)

おじさんの屋台があった場所は、鍋などがひっくり返って地面に転がった状態だった。

屋台も少し壊されていて、その傍らにおじさんが立ち尽くしている。

ユウ「おじさん!これは…」

おじさん「…お前ら、また来たのか」

おじさん「悪いが、今日は営業出来ねえ。帰れ」

ナギ「どうなってる?何があった?」

おじさん「…メギがな」

ユウ「息子さんが…こんなひどいことを!?」

おじさん「…また金をせびりに来たんだ、仲間とな」

私たちはめちゃくちゃになった屋台の片づけを手伝いながら、おじさんの話を聞いた。

お金を用意できなかったことから、メギさんとその仲間が屋台で暴れていったらしい。

ナギ「…金、渡さなかったのか」

おじさん「渡す金がなかったんだよ」

おじさん「昨日、売り上げを持って行かれたばっかりだったからな」

ナギ「だからってこんな…」

ユウ「いくら息子さんでも…!」

おじさん「メギもそうだが…」

おじさん「あいつをそう言う道に引き入れたあいつらが許せねえ」

おじさん「なんなんだ!あの、シリナスとか言う連中は……!」

ユウ「シリナス…?」

ナギ「……!」

思わず、ナギさんと顔を見合わせる。

ナギ「シリナス…」

ナギ「シリウス……」

ナギ「似てるな」

ユウ「言われてみれば……ナギさんとメギさんって、名前似てますね」

ナギ「似てるから、仲間に加えられた…?」

ナギさんが、何かを考えるようにじっとおじさんを見つめる。

ナギ「…必ず、息子を更生させる。だから安心しろ」

おじさん「あ?」

ユウ「ナギさん?」

おじさん「……そんなに、おでんの作り方を知りてえのか」

ナギ「それだけじゃない」

ユウ(偽シリウスのこと、おじさんにはいえないけど……)

ユウ(もし本当にメギさんがその仲間なら、放っておくなんてできないもんね)

ナギ「とりあえず、メギを おびき寄せるために俺が店をやる」

おじさん「お前が?」

ユウ「私も手伝います!じゃあまず、この辺を片付けますね!」

おじさん「…本当に、息子を頼んでもいいんだな?」

ナギ「…ああ」

おじさん「……悪いな。頼んだぞ」

それから、私とナギさんは一緒に屋台の準備に取り掛かった。

ユウ「そう言えばナギさん、おでんの作り方は知らないんじゃ」

ナギ「出汁や材料はここにあるからな。なんとなくならわかる」

ナギ「イチから出汁をとったり材料を選ぶのは難しいだろうがな」

ユウ「さすが、ナギさんですね……」

いつものように手際よく、ナギさんが下準備を進めていく。

私はそのお手伝いをしながら、屋台の中を動き回っていた。

ユウ(でも、料理しているナギさんってほんとにかっこいい…)

ユウ(普段もかっこいいけど、こう、真剣な表情が)

ナギ「…」

思わず見惚れていると、不意にナギさんがこちらを見た。

ナギ「どうした?」

ユウ「い、いえ!もうお昼も過ぎてるし、昼食の準備をしようかなと!」

ナギ「ああ、ならそっちはお前に任せる」

ユウ「わかりました!」

私は視線に気づかれた気まずさを何とか誤魔化すと、昼食の準備に取り掛かった。

ユウ(とは言っても、なに作ろうかな……ここにある材料で)

パッと材料を眺めて、すぐに料理が決まった。

ユウ(これだけあれば、オムライスが作れるよね)

ユウ(そうだ!最後、卵に…)

私は、心の中で完成したオムライスにある工夫をしようと決めて、材料を刻み始めた。

ユウ(意外に難しいな…)

完成したオムライスの卵に、ケチャップの線をそっと進ませる。

次第に、ナギさんの似顔絵が完成した。

余ったところに、ハートと『ナギさん大好き』というメッセージも添える。

ユウ(こ、これは…さすがにやりすぎたかな?)

ユウ(だめだ、我ながら恥ずかしすぎる…)

ユウ(こっちは自分で食べて、ナギさんには普通に…)

ナギ「できたか?」

ユウ「わっ!」

テーブルの片づけを終えたのか、ナギさんが私の手元を覗き込んできた。

ナギ「…」

ユウ「あ、あの、!これはですね、その…!」

ナギ「…腹、減った」

ナギ「昼飯にするか…」

ユウ「は、はい!今ナギさんの分、お皿に盛りつけますね…!」

ナギ「…俺のは、それだろ」

ユウ「えっ!?」

そう言って、ナギさんは似顔絵メッセージ入りのオムライスを持って行った。

ユウ「そ、それは…」

ユウ(恥ずかしいから適当にケチャップを広げて)

ユウ(私が食べようと思ったのに…)

自分のオムライスを手に、ナギさんの待つテーブルまでやってくる。

ナギさんは、私が座ったのを確認した後、一口食べると小さく微笑んでくれた。

ナギ「…なかなかだな」

ユウ「そ、それはよかったです…」

ナギ「…お前も食べてみろ」

ユウ「えっ!でも私、自分のがありますから」

ナギ「…きっとこっちの方が美味い」

ナギ「お前も食べてみろ…」

ユウ「ええ!?」

ナギさんはどこか機嫌が 良さそう見える。

私は、目の前に出されたスプーンをじっと見つめた。

ユウ「じゃあ…あの、いただきます」

ナギ「…ああ」

ナギさんのスプーンにパクリと食いついた、その時―。

子ども1「あーっ!あのお姉ちゃんたち、食べさせ合いっこしてる~」

子ども2「お兄ちゃんに食べさせてもらうなんて」

子ども2「お姉ちゃん、子どもみたーい」

ユウ「!?」

ナギ「…」

通りかかった子どもたちが、私たちをはやし立てながら、過ぎ去っていく。

ユウ「み、見られちゃいましたね…」

ナギ「ああ」

相変わらず、ナギさんはまったく気にしていない様子で、オムライスを食べ始めた。

ユウ(ナギさんって、人の目とかあんまり気にしないもんね)

ユウ(そういうのも、ナギさんらしいっていうか…)

ユウ「ところで…そのナギさんのオムライスですけど…」

ナギ「ああ、どうした?」

ユウ「さすがに、自分でも恥ずかしかったので」

ユウ「その…2人だけの秘密にしていただけると」

ナギ「…この似顔絵か?」

ユウ「と…ハートと、メッセージです」

ナギ「…別に恥ずかしいもんじゃないだろ」

ユウ「で、でも、ほら!またハヤテさんやリュウガ船長にからかわれますから」

ナギ「そうか…?」

ナギ「…分かった」

笑いながら、ナギさんが私の頭を撫でる。

その笑顔に幸せな気持ちになりながら、ナギさんを見つめ返した。


夜の営業に向けて屋台の準備を済ませると、今度は皆の準備のために、ナギさんと買い出しへ出た。

ユウ「今日の晩御飯、何にしましょう」

ナギ「そう言えば昨日、ハヤテから要望があったな…」

ユウ「ハヤテさん、何が食べたいって言ってたんですか?」

隣を歩くナギさんと話をしながら、ふと通りの隅に視線を向ける。

すると、見覚えのある人影が、目の前の薬局から出てきた。

ユウ「ナギさん、あれ…!」

メギ「…」

ナギ「…メギだな」

メギ「!?」

私たちに気づいて、メギさんが気まずそうな顔をする。

ユウ(メギさんが持ってるの、湿布…?それに、痛み止めの薬も)

メギ「お前ら、昨日親父の屋台にいた客か」

ナギ「…ああ」

ナギ「お前、今日もあの屋台に来たそうだな」

メギ「息子が親の仕事場に行って何が悪い?」

ナギ「…悪くはない。ただ行くだけならな」

メギ「…」

思い当たる節があるのか、メギさんが目を逸らした。

ユウ「あの…それ、もしかしてお父さんに?」

メギ「なっ…」

ユウ「おじさん、今は屋台にいないです。家に戻ってると思いますから」

メギ「うるせーな!お前には関係ねーだろ!」

私を怒鳴りつけると、メギさんはさっさと歩いて行ってしまった。

ユウ「余計なこと言っちゃったかも…」

ナギ「…いや、図星だから怒ったんだろ」

ナギ「それより…追うぞ」

ユウ「えっ?」

聞き返す前に、ナギさんが私の手を引いて歩き出した。

メギさんに気づかれないように、物陰に隠れながらそっとあとをつける。

ユウ「どこに行くんでしょう」

ナギ「向こうだ」

メギさんは、どんどん怪しげな雰囲気のある方へと歩いていく。

やがて、一軒のホテルの中へと消えた。

ユウ「あそこって、前にメギさんが入ったホテルですね」

ナギ「そこを拠点にしてる可能性が高いな」

ユウ「どうしましょう?とりあえずみんなに連絡しに戻りましょうか」

ナギ「…いや、そうやってる間に場所を移されたら困る」

悩んでいると、私たちの横を1組の男女が通り過ぎた。

男「なあ、いいだろ?」

女「でもぉ~…」

抱き合ったりキスしたりしながら、2人はホテルの中へ消えていった。

ナギ「…」

ユウ「…」

ユウ(い、今の…!)

ユウ(もしかしてここって、そ、そういうところなの!?)

ナギ「…俺たちも入るか」

ユウ「ええ!?」

ナギ「…今日は俺たちだけでここに張り込む」

ナギ「部屋を取った方が動きやすい」



(選択してください)



A:変なことしませんよね?


ユウ「ナ、ナギさん…変なことしませんよね!?」

ナギ「…変なこと?」

ユウ「い、いえ…」

ユウ(慌ててるの、私だけ!?なんか恥ずかしい…)



B:覚悟はできてます



ユウ「だ、大丈夫です!私……覚悟はできてますから!」

ナギ「…」

ナギ「…そういうつもりじゃない」

ユウ「えっ!」

ナギ「…メギを更生させるためと、偽物を捕まえるためだ」

ユウ(そ、そうだった……それが目的だもんね)



C:別々の部屋ですか?



ユウ「あの…別々の部屋、ですよね?」

ナギ「なんでだ?」

ユウ「なんでって…」

ユウ(やっぱり…同じ部屋に泊まるの!?)





ユウ「でもやっぱり、みんなに知らせた方がいいんじゃ」

ナギ「こんなところ、大勢で入ったら目立つだろ」

ナギ「…行くぞ」

ユウ「あ、待ってください!」

ユウ(ナギさん、そういうつもりで言ったんじゃなかったんだ…)

ユウ(そうだよね…こんな時にナギさんがそんなことするはずないし…)

ユウ(一人で意識して恥ずかしすぎる…!)

ナギさんを追いかけながら、私は真っ赤になってしまった顔を下に向けた。



ホテルに部屋を取った後、屋台に戻って早速営業を始めた。

トワ「あのおじさんのおでんもおいしかったですけど」

トワ「ナギさんのも絶品です!」

ハヤテ「おいオヤジ、おかわり!」

ナギ「…オヤジじゃねえ」

ユウ(みんな、ずいぶんお腹が空いてたんだな)

ユウ(でも、この時間ならそうだよね…)

ユウ(私たち、まかないのオムライス食べたのが遅かったから……)

見ると、ナギさんもあまり食が進んでいない。

ハヤテ「ナギ兄、食わねーのか?」

ナギ「…昼メシが遅かったからな」

ユウ「私もまだお腹が空いてなくて…」

トワ「お昼、なに食べたんですか? ナギさんの手作り?」

ユウ「え?えっとね…その」

トワくんの言葉に、思わず言いよどんでしまう。

ナギ「…ユウのオムライスだ」

ユウ「……!」

ハヤテ「オムライスかー、俺はナギ兄が作った卵がトロトロのが好きだけどな」

ナギ「今度作ってやる」

ユウ(ナギさん、似顔絵とかハートのこと、言わないよね!?)

ユウ(約束したもんね、大丈夫だよね…)

リュウガ「なんだぁ?」

リュウガ「どうせあれだろ、ケチャップでハート描いたりして」

リュウガ「いつもみたいにイチャイチャしてたんだろ?」

ユウ「!?」

ユウ(な、なんでわかるの!?)

ハヤテ「んじゃ俺は、『ナギさん大好き』とか書いたに一票」

シン「『抱いて』とかな」

ユウ「だっ……」

トワ「抱いて……」

ソウシ「どうしてトワが照れるの」

トワ「へ、変な想像なんてしてないですよ!」

シン「何も言ってないのに自滅したな」

みんなが騒ぎ始め、こっそりナギさんの後ろに逃げようとした時……

ナギ「……勝手に騒ぐな」

ナギ「…似顔絵だけだ」

ユウ「ナギさっ…!」

リュウガ「似顔絵―?」

ハヤテ「なにお前、卵に似顔絵描いたのかよ!」

ユウ「!?」

シン「…俺たちの想像の斜め上を行くな」

リュウガ「なんだ、つまらねえな…」

リュウガ「どうせ書くならもっと…」

ソウシ「いいじゃない、ユウちゃんらしくてかわいいね」

ユウ「ち、ちが…」

ユウ(ナギさん、内緒だって言ったのに!)

ユウ「ナギさん!」

ナギ「ん?なんだ?」

ハヤテ「ナギ兄、何でちょっと半笑いなんだよ」

トワ「ユウさんのオムライス」

トワ「よっぽど嬉しかったんじゃないですか?」

ナギ「…」

一人恥ずかしがる私をよそに、ナギさんはいつもの表情へと戻ったのだった。