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ゆうママ@チーズのブログ

自分の記録用にゲームのレポ書いてます♪
のんびり更新しています(^^
ネタばれ注意です

アラン「ダンス、付き合わせろ」

アランは私の腰を引き寄せると、手に手を合わせ、

アラン「いいか、始めるぞ」

そう言って、一つ一つ丁寧にダンスを教えてくれた。

(アランだって、公務で疲れているはずなのに…)

改めて優しさを感じ、私は思い切って口を開く。

イヴ「あのね、アラン…」

アラン「なに」

イヴ「やっぱり、レオとちゃんと話をしてほしい」

アラン「………」

アランは足の動きを止め、困ったように眉を寄せる。

(どう言ったら、いいかな…)

考えながら、でも確かな思いを私は口にする。

イヴ「誕生日パーティーをお祝いするのに、主役の2人が喧嘩中だったら」

イヴ「みんなも気を遣ってしまうと思うの」

イヴ「だから……お願い」

アラン「………」

アランは何も言わず、黙って僅かに目を細めた…。



ダンスのレッスンを終え、アランは一人部屋へと廊下を歩いている。

アラン「………」

自室の扉に手を掛けると、ふとイヴのお願いという顔が頭を過ぎった。

アラン「…ったく」

アランは小さく呟くと、ドアノブから手を離し、部屋とは別の方向へ歩いていき…。



アランが向かった先は、レオの執務室だった。

息をつくと、扉を叩き中に入る。

レオ「アラン?」

扉を閉めるアランの姿を見てレオは驚き、目を開いた。

アランは想像通りのレオの反応を怪訝に思いながらも、口を開く。

アラン「あいつがうるせえから」

レオ「え?」

アラン「別に処分が重いと思っただけで」

アラン「お前の立場は分かってるって言いに来ただけ」

強く優しい物言いに、レオは思わず吹きだすように笑う。

レオ「お前、変わったな」

アラン「は?」

レオ「イヴちゃんが側にいるようになって、丸くなった」

レオは、そんなアランを温かな瞳で見つめている。

レオ「良かったな」

アラン「………」

アランは眉を寄せると、視線を逸らすようにして部屋の扉に手をかけた。

アラン「じゃ、それだけだから」

そう言って退出しようとすると、その背中をレオが静かに呼び止める。

レオ「待って、アラン」

アランは足を止め、レオの方へ振り返る。

レオ「俺も言いたい事がある」

アラン「なんだよ」

視線を落とすようにして向き合うと、

レオ「事後報告は止めてもらいたかったてこと」

レオ「ちゃんと報告してくれたら、俺だって行かせる」

アラン「………」

レオ「そこまで俺も、頭は固くないよ」

レオはそう言っていつもの笑顔を見せた。

レオ「それだけ、言いたかった」

その言葉を聞いてアランは小さく頷きを返すと、そのまま静かに部屋を退出した……。



月夜が明るく部屋の中を照らしている―

私はベッドにつきながら、明日のことを思った。

(明日は誕生日パーティーだけど……)

(2人とも、仲直りができてるといいな)

星空に願いを呟くと、私はそっと目を閉じて眠りについた。



………



そうして迎えた、アランとレオのバースデーパーティー当日―



私はドレスに身を包み、会場へ向かう仕度を整えていた。

ユーリ「イヴ様、準備できたよ」

イヴ「ありがとう…!今、行くね」

靴のリボンを結び直し、意を決してダンスホールへと向かった。

会場につくと、中は多くの人で賑わっていた。

(みんな、来てくれたんだ)

集まってくれた人たちの顔を見て、私は思わず頬を綻ばせる。

イヴ「本日はお集まり頂き、ありがとうございます」

感謝の気持ちを伝え、改めてアランとレオへ視線を移す。

イヴ「レオ、アラン、お誕生日おめでとう」

シャンパンを掲げると、皆のおめでとうの声が響き渡った。

やがて時間になり、フロアに音楽が流れ始めた。

みんながパートナーと踊る姿を微笑ましく見つめていると、ユーリが後ろから声をかける。

ユーリ「ほら、イヴ様も踊って」

イヴ「う、うん…」

ユーリに腕を引かれ、アランとレオの前へ歩みを進める。

イヴ「……」

流れる沈黙の中…―最初に口を開いたのはレオだった。

レオ「せっかくイヴちゃんと踊るチャンスだけど、」

レオ「アランに譲るよ。俺は他の子と踊ってくる」

するとその言葉を受けたアランがぼそりと呟く。

アラン「お前、少しは一人の女に落ちつけよ」

レオは目を開くと、すぐに口元を緩めた。

レオ「忠告ありがとう」

レオはにっこり笑い、その場から立ち去っていく。

(あれ…?前よりも2人の中が穏やかになった気がする)

不思議に思い、アランの顔をじっと見つめると…、

アラン「で、踊るんだろ」

イヴ「う、うん…」

アランはいつもの調子で、ぽんっと頭を撫でて言った。

差し伸ばされた手に手を重ね、2人は身体を寄り添わせる…。

音楽に乗せ、ドレスの裾を揺らしていると…、

イヴ「…っ……!」

突然足に痛みが走った。

(やっぱり、この靴慣れていないから…)

(あんなに練習したのに…)

痛む足をかばうように踊ろうとすると、それに気がついたアランが足を止める。

アラン「足、見せろ」

そう言って心配そうにしゃがみこんだ。

アランに肩を借り、私たちはバルコニーへと向かった。

片膝に私の脚を乗せ、ケガの具合を見るアラン。

アラン「靴ずれ起こしてんじゃねえか」

イヴ「うん…」

俯きがちにコクリと頷くと、アランはポケットからハンカチを取り出して靴に挟んでくれた。

アラン「これでしばらくは大丈夫だろ」

イヴ「ありがとう」

アランの優しさを身に染みて感じ、嬉しさが込み上げてくる。

(そういえば…)

イヴ「レオと仲直り、したんだね」

アラン「…まあな」

短く言葉を返し、アランは私の脚をそっと地面に置いた。

アランの肩を借り、立ち上がろうとした次の瞬間。

(あっ……)

バランスを崩し、アランの胸元に手をついてしまった。

アランの顔が間近に迫る。

イヴ「ごめんっ…」

慌てて離れようと肩を押すと、アランは私の顎を引き、口づけようと顔を近づけた。

(……!)

イヴ「待って…みんな、中にいるから……」

恥ずかしさを覚え、視線を背けると…、

アラン「何かあったら、話聞きたいって言ったのはお前だろ」

アラン「今、お前に触れたいんだけど」

イヴ「でも…」

(誰か来てしまうかもしれない)

キョロキョロとあたりを見回す私を見つめ、アランは大きく息をついた。

アラン「…ったく、しょうがねえな」

離れるアランに、私はとっさに思いついた言葉を口にした…―。
2つの唇が重なり、わずかな隙間からアランの舌が滑り込んでくる。

イヴ「…っ……」

甘い刺激に小さく肩を揺らすと、それに気づいたのかアランがそっと身体を離した。

(こんなにも、優しく口づけてくれるのに……)

イヴ「ねえ、アラン…?」

アラン「なんだよ」

私はアランの瞳をじっと見つめて考える。

(喧嘩したことを気にするなって言ったり…)

(どうして頼ってくれないんだろう)

イヴ「私…アランに何かあったら話も聞きたいし」

イヴ「力になりたい」

アラン「………」

アランは視線を外さず、静かに私の話を聞いている。

イヴ「いつも、気にするばかりだから…」

心からまっすぐにそう思いを伝えると、アランはふうっと小さく息をつき…。



アランは小さく息をつくと、事の成り行きを話し始めた。

アラン「この前、騎士のひとりが城を抜け出したんだよ」

イヴ「え?」

聞くと、その騎士は家族の体調が悪くなり、何の報告もなしに突然城を抜け出してしまったのだと言う。

アラン「一応、俺には声をかけていったから、すぐに行けって言っただけ」

そのことを事後報告したところ、レオがその騎士に対し謹慎処分を言い渡したそうだ。

アラン「まあ、官僚って立場もあってあいつは言ったんだろうけど」

アラン「謹慎処分は重いだろ」

(そんなことがあったんだ…。ただ喧嘩してるだけかと思ったんだけど)

(ちゃんとレオの立場も理解した上で考えてるんだ)

私はアランの顔を見上げ、そんな思案を巡らせる。

アラン「なんだよ、その目」

イヴ「…ううん、別に」

(アランとレオって…もっと話し合えばいいのに)

俯きがちに首を横に振ると、アランはふわりと私の身体を抱き寄せていった。

アラン「…だるいな。こんな話お前にするなんて」

イヴ「アラン…?」

顔を上げようとすると、表情を見せたくないのかアランはさらに腕の力を強める。

アラン「そういうこと言われると、調子狂うんだよ」

言いながら、心なしかアランの体温が上がっていく。

イヴ「そういうこと…?」

アラン「力になりたいとか、さっき言ってただろ」

ぐっと力を込めるアランの腕に、私はなんとなく悟る。

(もしかして、照れているのかな…?)

耳に響くアランの鼓動が次第に早まるのがわかった。

(なんだか、そう思うと少しかわいいな…)

イヴ「うん、でも本当のことだから」

くすりと笑って言葉を返すと、

アラン「笑うな」

アランは怒ったように語調を強め、もう一度触れるように優しく唇を重ねた。



その夜―



私は自室でユーリと一緒にパーティーの準備をしていた。

鏡の前に立つ私の姿を見ると、ユーリはぱっと目を瞬かせた。

ユーリ「わー、イヴ様きれい」

ユーリは嬉しそうに、私を見てにっこりと微笑んだ。

イヴ「ありがとう、ユーリ」

鏡に映るドレス姿の自分を見つめ、私もにっこり微笑みを返す。

(とっても素敵なドレス…間に合って良かった)

アランとレオの誕生日パーティーで踊るため、以前から、ドレスを仕立ててもらっていたのだ。

ユーリ「きっと、アラン様も喜ぶよ」

くすっと笑い、ユーリは意味ありげにドレス全体を見渡す。

(そうだといいな…)

ぼんやりとそんなことを考えながら鏡に視線を戻すと…、ふと見慣れない靴を履いている足元に目が止まる。

(この靴はヒールが高いから、当日つまづいてしまいそう…)

微かな不安が頭を過ぎった。

(そうだ!今のうちに少し練習しておこう)

私はドレスを脱いで別のワンピースに着替えると、ヒールのままダンスホールへと向かった。

(この時間なら、もう誰もいないよね)

そう思い、ひとりで練習を始めたその時――

???「こんな時間に、何してんだよ」

見ると、ホールにはアランの姿があった。

イヴ「アラン…」

(誕生日パーティーで踊ることは内緒なのに…)

何と答えようか…慌てて考えていると、

アラン「言いたくないなら別にいいんだけど」

アランはそう言って、そのまま今度は視線を私の胸元へ落とす。

アラン「お前さ」

一歩距離を縮め、私の首筋にトントンと指をおいた。

イヴ「…?」

アランは、私の胸元にあるパールネックレスを指差して聞いた。

アラン「こんな豪華なネックレス、何で付けてんだよ」

イヴ「…!」

ミントグリーンに輝くパールが目に入り、私ははっとする。

(さっき試着したの、外し忘れていたんだ…)

イヴ「新しく作ってもらったのが出来上がって……」

咄嗟にごまかすと、意外な言葉が返ってきた。

アラン「ふーん、似合ってんじゃん」

イヴ「え?」

褒められて一瞬胸がときめくも、すぐにほっとした心地になる。

(良かった…誕生日パーティーで踊ること気づいてないみたい)

イヴ「ありがとう」

アラン「それより…一人でダンスの練習かよ」

アランはホールを一周見回すと、床に膝をつき、すっと手を私の方へ差し出した。

イヴ「え?」

辺りはガランとしていて、他に人の気配はない。

アランは顔を上げ、真剣な眼差しで言った。

アラン「お前、力になりてえって言ってたよな」

イヴ「あ、うん……」

アラン「お前にそういうこと言われっぱなしだと、もやもやすんだよ」

アラン「…こういうのは、男から言うもんだと思うし」

そう小さく呟いたアランは、立ち上がり様に私の腰元をぐっと抱き寄せる。

アラン「ダンス、付き合わせろ」