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ゆうママ@チーズのブログ

自分の記録用にゲームのレポ書いてます♪
のんびり更新しています(^^
ネタばれ注意です

振り返ると、そこに立っていたのはナギさんだった。

ユウ「な……ナギさん!」

ナギ「なんだ……その驚きは……」

ユウ「え!?い、いえ……」

ユウ「お、驚いてませんよ!?」

ナギ「あからさまに驚いてるだろ……」

ユウ(まさか、ナギさん本人に会っちゃうなんて……!)

そう考えながらも、無意識のうちに店先に並ぶ製菓用の材料に視線が流れる。

ナギ「何か買い物だったのか?」

ユウ「い、いえ!ちょっと、その……散歩?というか」

ナギ「欲しいものがあるって言ってただろ」

ユウ「そうなんですけど……こ、ここにはないみたいで」

ユウ(うう……まさに今、目の前にあるのに)

ナギ「……そうか」

ナギ「じゃあ、おれも一緒に探してやる」

ユウ「ええっ!?一緒にって……」

ナギ「……だから、そんな顔するな」

私が落ち込んでいると思ったのか、ナギさんは私の頭を優しく撫でてくれた。

優しげなその眼差しに、何も言えなくなってしまう。

ユウ(ナギさんの大きな手、温かくてすごく安心する……)

ユウ(材料は、後で気づかれないようにまた買いに来よう)

ユウ「そう言えば、ナギさんは買い物、終わったんですか?」

ナギ「……ああ、さっきハヤテとトワと別れたところだ」

ナギ「お前の探し物がありそうな店を見ながら、散歩して帰るか」

ユウ「あ…私のは大丈夫です!今すぐに必要とかじゃないので!」

ナギ「…」

慌てて首を振る私を不思議そうに見ながらも、ナギさんが、私の手を取って歩きだした。

ナギ「……この街、ずいぶんデカイな」

ユウ「そうですね。なにか珍しい食材ありましたか?」

ナギ「……ああ、いくつか買っておいた」

ナギ「調理方法は店の親父に聞いてきたから、今晩作ってやる……」

ユウ「ふふっ。楽しみです」

いつものように料理の話をしながら、船に向かって歩く。

ユウ(それにしても、さっきの店……いつ来ようかな)

ユウ(船に戻ってから誰にも見つからないように……)

ユウ(なんて難しい気がするし)

トワ「あっ!ナギさん、ユウさーん」

ハヤテ「なんだよ、仲良く手ぇつないで買い物か?」

ユウ「ハヤテさん、トワくん!」

ナギ「…お前ら、まだ買い物済んでなかったのか」

ハヤテ「なんだよ、さっきまでナギ兄の買い物につきあってやっただろ!」

トワ「買い物は終わったんですけど、ここの前を通りかかっちゃって」

見ると2人が立っているのは一軒のお店の前だった。

ユウ「カフェ……ですか?」

ハヤテ「ここのケーキがうまそうでさ」

トワ「いい匂いがしませんか?」

ユウ「ほんとだ…甘い香りがする!」

ハヤテ「あーケーキ、食いてーな……」

ナギ「……入ればいいだろ」

ハヤテ「こんな店、男2人で入ったら、普通浮くだろ……」

トワ「そうだ!」

トワ「良かったら、ユウさんたちも一緒に食べませんか?」

ユウ「え!いいの?」

ユウ「ナギさんはどうですか?」

ナギ「…別に入っても構わない」

ハヤテ「よし!決まりだな!」

ハヤテ「たまにはこういう店で優雅なティータイムっつーのもいいだろ?」

ナギ「……どうでもいいが、お前びっくりするくらい」

ナギ「『優雅なティータイム』って言葉が似合わないな」

ハヤテ「なっ!なんだよ、ナギ兄!」

ハヤテ「もう荷物持ちしねーぞ!」

トワ「まあまあ!ハヤテさん落ち着いて下さいよ」

ナギ「…仕方ねーな」

ナギ「…荷物持ちの為に、俺がおごってやる」

ハヤテ「さっすがナギ兄!分かってんな!」

トワ「わーい!ナギさん、大好きですー!」

ユウ「フフッ!じゃあ、入ろっか」

私たちは笑いながら、お店のドアをくぐった。

お店に入ると、みんなで違うケーキセットを注文した。

ユウ「わあ……このチョコレートケーキ、すごくおいしいです!」

ハヤテ「こっちのイチゴケーキもうまい!」

トワ「僕のクレープもなかなかですよ」

ユウ「甘いものを食べてると、幸せな気分になりますよね~」

ナギ「…」

ユウ「あれ?ナギさん?」

ナギさんを振り向くと、なぜか自分のケーキには手をつけず、微笑みながら私を見つめている。

ユウ「ナギさん、どうかしたんですか?」

ナギ「……いや。相変わらずうまそうに食うなと思ってただけだ」

ユウ「そんな、見てないでナギさんも食べてみてくださいよ!」

ナギさんの前に置かれたケーキの皿をすっと勧めてみる。

微笑んでいるナギさんの顔を横目で見ると、ふとみんなと囲む賑やかな食卓が思い浮かんだ。

ユウ「このケーキもとってもおいしいですけど」

ユウ「でも、やっぱり私はナギさんが作るごはんが一番かも……」

ナギ「……そうか」

トワ「あれ、ナギさんが珍しく照れてる!」

ユウ「え?」

ナギ「……そんなことない」

ユウ(ナギさん、顔が赤いような気がする……)

ユウ(ふふっ、本当のこと言ったまでだけど)

ユウ(なんだかこういう反応って嬉しいな……)

ユウ「あ、あの…えーと、ナギさんはイチゴタルトですね!」

ナギ「……ああ」

ユウ「大振りのイチゴがたくさん乗ってておいしそう!」

ナギ「…」

私の言葉に、ナギさんが無言でイチゴにフォークを刺す。

ユウ「え……」

ナギ「ほら……」

ユウ「いいんですか?」

ナギさんはそれを私の口の前に持ってくると、食べさせてくれた。

ユウ「わっ、甘い!」

ナギ「……そうだろうな、どのくらい新鮮なイチゴか見れば分かる」

ユウ「あ、ナギさんも私のチョコレートケーキどうぞ。甘さ控えめですよ」

ナギ「……ああ」

フォークで、自分のケーキを一口分に切る。

口元に持って行くと、ナギさんがいつものように『あーん』で食べた。

ユウ「どうですか?」

ナギ「まあまあだな」

ハヤテ「おい、お前ら……」

ユウ「はい?」

トワ「いつ見ても仲良しって感じですよね」

ユウ「あっ!」

ユウ(2人がいること、すっかり忘れてた……!)

トワ「なんか、熟年夫婦って感じの落ち着き方ですね」

ハヤテ「いや、どっちかっつーと年寄りだろ」

ユウ「と、年寄り!?」

ハヤテ「普通はもっとこう、若々しいもんなんじゃねーのか」

トワ「でも、僕は好きですよ」

トワ「ユウさんとナギさんみたいな、落ち着いた雰囲気のカップル」

ナギ「…」

ユウ(確かに、ナギさんといると安らぎを感じるし、平和な雰囲気だし……)

ユウ(付き合い始めた頃のような)

ユウ(初々しさとかドキドキはないような気はするけど……)

ユウ「ナギさん、私たちって……」

男性客1「なんだよこれ、素材の味が台無しじゃん!」

男性客2「無駄に甘すぎないか?シロップが多い……」

私の言葉をさえぎるような声に振り返ると、2人の男性客が、食べているケーキを見ながら眉間に皺を寄せている。

ハヤテ「うわ、あいつら、男2人でケーキセットかよ。勇者だな」

トワ「なんか、ケーキを酷評してますね」

ユウ「そんなにひどい味じゃないけど……」

ナギ「…」

男性客1「あっ!おい、こっちだ」

女性「お待たせ!遅くなってごめんね!」

思わず2人のテーブルを見ていると、今さっき店内に入ってきた可愛らしい女性が近づいてきた。

そして、黒髪の男性の隣に座る。

男性客2「遅かったな」

女性「やっと指輪ができたの!見て!」

男性客1「婚約指輪なんだから、兄貴も一緒に行けばよかったのに」

女性「そう言ったんだけど、仕事が優先だって…」

男性客2「仕込みで忙しかったからな……」

女性「もう、いっつもそうなんだからぁ」

ユウ(あの2人、兄弟なんだ……確かに、顔が似てるかも)

トワ「いま来た女性、あっちの人と婚約中みたいですね」

ユウ「うん、幸せそうだね」

女性「ねえ!どうかな、この指輪!」

男性客2「ああ、お前にすごく似合ってるよ」

女性「ホント!?じゃあ、はめ直してくれる?」

女性「自分ではめてきたけど、やっぱりツムグにはめてもらいたいじゃない?」

ツムグ「そうか?」

ツムグ「わかったからそんな顔すんな」

女性「変な顔ってなによ!もう……」

男性客1「はあ、相変わらずラブラブですね」

女性「もう、こんな時までからかわないでよ」

女性「イオリったら!」

イオリ「はいはい、お姉さま」

ちょっと拗ねたようにしながらも、女性は嬉しそうに黒髪の男性に微笑みかけた。

男性も、口数は少ないけれど優しい表情で女性を見つめている。

ユウ「…」

ユウ(ラブラブ、だよね……ああいうのが普通のカップルなのかな)

ユウ(婚約中だからかな?でも、それなら長くつき合ってるはずだし)

頭の中がなんだかモヤモヤして、チラリとナギさんに視線を移す。

ナギ「なんだ?」

ユウ「え!あ、あの…」



(選択してください)

A:私たちもラブラブ?

ユウ「ナギさん、私たちもラブラブですよね!?」

ナギ「…?」

ナギ「なんの話だ?」

ユウ「あ、い、いえ……」

ユウ(ナギさん、あの3人の会話、聞いてなかった……?)


B:仲よしカップルですね

ユウ「……あの2人、仲よしカップルだなって思って」

ナギ「あの2人?」

ユウ「後ろのテーブルの…」

ナギ「……そうか?」


C:私たちって落ち着きすぎ?

ユウ「私たちって、やっぱり落ち着いてるのかなって思って」

ナギ「……落ち着いてるだろ」

ナギ「…ケーキ食ってるし」

トワ「ナギさん、ユウさんが言ってるのはそういう意味じゃ……」

ナギ「……?」

ハヤテ「ナギ兄ってもしかして俺よりもバ……」

トワ「もう、ハヤテさん!」

ハヤテ「っうっせーな!わかったよ!」


ユウ(でもいいな、私たちもちょっと前はあんな感じだったのに)

ユウ(って、何でこんなこと思うんだろう!)

ユウ(今のままでも十分幸せなはずなのに……!)


ハヤテ「あ!?おい、見ろよ!」

トワ「うわっ、どうしたんですか?急に」

ハヤテ「あの壁に貼ってある紙!」

ハヤテ「船で海を渡った島で、期間限定のスケート場を開放中、だってよ!」

ユウ「スケート場?」

ナギ「……行きたいのか?」

ハヤテ「スケートと言ったら行くしかねーだろ!」

ユウ「そんなにスケート好きなんですか?」

トワ「僕、結構得意ですよ」

ハヤテ「トワ、そんな大口叩いていいのか?」

トワ「いいですよ!本当に得意ですから」

ナギ「…お前はスケート行きたいか?」

ユウ「スケートってやったことないんですけど」

ユウ「面白そうですよね」

ナギ「…そうか、じゃあ帰って相談するか」

ユウ「はい!」

ユウ(みんな上手そうだし、教えてもらえばいいよね)

結婚話の花を咲かせているカップルを横目に、私はみんなと一緒にお店を出た。

リュウガ船長に許可をもらった私たちは、翌日、スケート場直通の船へと乗り込んだ。

到着までは各々自由時間で、私とナギさんは甲板に出てみることにした。

ユウ「この船でスケート場まで連れて行ってもらえるなんて、画期的ですね」

ナギ「…ああ」

ユウ「ちゃんと滑れるかな……ちょっと不安です」

ナギ「……大丈夫だ、教えてやるから」

ユウ「はい!」

ぽん、とナギさんが私の頭に手を置く。

ユウ(こうして頭を撫でられるのも、いつの間にか当たり前になって)

ユウ(最初の頃は緊張してたけど、今は安心感の方が強いかも……)

じゃ性「やだー!もう、変なこと言わないでよ」

ユウ「……?」

男性「なんだよ、お前だってだろー」

振り返ると、初々しく手を繋いでいるカップルがこちらに歩いてくる。

ユウ(てか……そういえば最初の頃は、手が触れ合っただけでもドキドキしたよね)

ナギ「…」

じっとナギさんの大きな手を見つめる私に気づかず、ナギさんは、すぐ近くのカップルをぼんやりと眺めていた。

ナギ「……若いな」

ユウ「えっ?」

ナギ「……歳は、俺たちくらいか」

ユウ「た…確かに、私たちと同じくらいの年代ですね」

ユウ(それなのに私たちの子の落ち着きぶりって……)

妙な焦りを感じて、何となく胸にもやもやが残ったまま、私はナギさんの横顔を見つめていた。


船は無事にスケート場のある島につき、私たちは早速、スケートリンクへと繰り出した。

ハヤテ「よし、一番乗り―――っと」

ハヤテ「うわ!?」

リンクに飛び出した瞬間、ハヤテさんが派手に転んだ。

シン「……何やってる。邪魔だ」

ハヤテ「おい、助けるとかねーのかよ!」

トワ「ハヤテさん、体重の乗せ方がダメなんですよ」

トワ「それだとへっぴり腰ですから、こうして」

トワくんが、スーッとリンクを滑っていく。

ハヤテ「くっ!デマカセじゃなかったのかよ…」

トワ「言ったじゃないですか」

トワ「スケートにはちょっと自信があるんです!」

ハヤテ「くそっ、俺だって!」

ハヤテ「わぁ!!」

立ちあがった途端、ハヤテさんが再びステーン!と転ぶ。

リュウガ「おいおい、酔ってんのか?ハヤテ!」

ソウシ「ハヤテ、大丈夫かい?」

ユウ「ハヤテさん、私と同じで滑れないんですか?」

ハヤテ「う、うっせー!悔しかったらお前も滑って転べ!」

シン「ハヤテ、俺が直々に教えてやってもいい」

シン「土下座して頼むならな」

ハヤテ「ぜってーお前にだけは教えてもらわねーから安心しろ!」

ユウ(えっと……トワくんが言ってたように、体重を前の方に乗せて)

ユウ「慎重に……って、わっ!」

ナギ「……!」

ゆっくりと足を前へ滑り出してみる。

――と、すぐに転びそうになってしまった。

ナギ「大丈夫か」

ユウ「す、すみません……」

ナギ「ほら、支えてやるからゆっくり滑れ」

ユウ「!?」

ユウ(支えてくれるのはありがたいけど、逆に緊張して足が……!)

ユウ「こ、こうですか?」

ナギ「……お前もへっぴり腰になってるぞ」

ユウ「スケートって思ったより難しいんですね……」

少し先に視線を移すと、トワくんに支えられながらハヤテさんが叫んでいる。

ハヤテ「おい!トワ!は、離すな!!」

トワ「もう……こんなんじゃ滑れるようになりませんよ?」

ユウ「フフッ、トワくんが年上みたいに見えますね」

ナギ「……ああ」

その時、ふと見覚えのある顔が視界に飛び込んできた。

黒髪の男性「……」

ユウ「あれ?ナギさん、あの人……昨日、喫茶店で」

ナギ「あ?」

女性「きゃーっ!どいて~~~!!!」

ユウ「え!?」

ナギ「!?」

大声に繰りかえると、女性がこちらに向かって猛スピードで滑ってくる!

ユウ「ええ!?ど、どうしよう!」

ナギ「……ユウ!」

ユウ(よけられない……!)

突然のことに身体は石のように固まって動かない。

私は、思わずぎゅっと目を瞑った。
朝の日差しを浴びながら、シリウス号は予定通り とある島に停泊した。

リュウガ「この島を出港したら、当分陸地には着かない予定だ」

リュウガ「物資調達は充分にしておけよ!」

リュウガ船長の言葉に皆が頷くと、各自船を降りていく。

そんな中、私はある計画を成し遂げるため、ひとり街中へ足を向けようとしていた。

ユウ(この島を出港したら、次の島に着くのは)

ユウ(1ヶ月くらい先って言ってた…)

ユウ(ということは、材料を買うのはこの島でしか…)

ナギ「ユウ、お前はどうするんだ?」

ユウ「え!?」

突然背後から声を掛けられ、後ろを振り返る。

トワ「僕とハヤテさんはナギさんのお手伝いで」

トワ「食料の調達に行くことになったんですけど…」

トワ「ユウさんも一緒に行きませんか?」

ユウ「えっと…」

ユウ「実は、私も買いたいものがあって…」

ハヤテ「買いたいもの?」

ハヤテ「何だよ、それ?」

ユウ「え!?それは…」

言葉に詰まっている私を見て、ハヤテさんが怪訝そうに顔を傾げる。

シン「フン、この場で言えないようなものでも買いに行くのか?」

ユウ「ち、違います!」

ソウシ「シン、あまりユウちゃんをいじめてはいけないよ・・」

ソウシ「でも、ひとりで大丈夫?」

ソウシ「私も新しい薬剤を買いに行くから、途中まででも…」

ユウ「いえ、本当に大丈夫です!」

ユウ「用事が済んだら、すぐ戻って皆さんを手伝いますので…!」

ハヤテ「あ、おい、ユウ!」

私はみんなを振り返ることなく、そのまま街中へ向かって走って行った。

ユウ(絶対みんな変に思ったよね…)

大通りにつくと、私はひとりため息をつく。

ユウ(でも、これだけは、知られるわけにはいかない…!)

グッと拳を握り気合いを入れると、目的のものを探すため街中を歩く。

バレンタインが近いこともあり、店先には色とりどりの綺麗なチョコレートがたくさん並んでいた。

ユウ(せっかくだから、サプライズで)

ユウ(手作りのチョコレートを渡そうかと思ったんだけど…)

ユウ(その為には、どうしても必要な材料があるんだよね…)

辺りをきょろきょろと見渡すと、通りの奥、とある店先に目が止まった。

(あ、あった!見つけられてよかった!)

(ふふっ、喜んでくれたらいいな…)

足取り軽く、その店の前へ向かおうとした時、ふいに後ろから肩を叩かれる。

振り向いた先にいたのは――