ゆうママ@チーズのブログ -13ページ目

ゆうママ@チーズのブログ

自分の記録用にゲームのレポ書いてます♪
のんびり更新しています(^^
ネタばれ注意です

クリスマスの気配に、町がキラキラと輝く季節―。


(アランの真剣な顔)


ウィスタリア城では、アランがいつものように剣の稽古をしていた。


いつもより少し険しい表情のアランに、私の胸はドキドキと音を立てた。


アラン「ったく…」


こっそりと見ていたつもりだったのに、アランが私に気付く。


アラン「お前、こんな所にいていいのかよ クリスマスパーティーの準備で立て込んでるって、ジルが言ってた気がするんだけど…」


イヴ「うん…もうすぐ、打ち合わせの時間なんだけど…」


そう言うと、私はアランの顔を覗き込む。


(…言っても、迷惑にならないかな…)


伝えようか迷っていると、


アラン「なんだよ」


アランが優しく微笑みかけてくれる。


イヴ「…あのね…」


私は思い切って、聞きたかったことを口にした。


イヴ「クリスマスパーティーには、一緒に出られるかな…?」


私は思い切って、聞きたかったことを口にした。


アラン「まあ…出ることは出るけど 俺は護衛。他国から要人も来るだろ」


予測はしていたものの、アランの答えに、私はそっと溜息をついた―。


打ち合わせに間に合うように急いでお城に戻ると、お城ではメイドさんや使用人さんたちが忙しそうに働いている。


(わあ…綺麗)


お城がクリスマス仕様に飾られていく光景は、私の胸を明るく照らしてくれた。


(城下では、クリスマスって皆でお祝いするものだったけど…お城では、外交パーティーみたいになっちゃうからメイドさんたちは、クリスマスもお仕事なんだよね…それに…)


私は、クリスマスも護衛のお仕事をするアランに想いを馳せた。


(当日は難しくても、イブの日にお城の皆でパーティーを出来ないかな)


ジル「プリンセス」


素敵な思いつきに嬉しくなっていると、後ろからジルに声をかけられた。


ジル「もう皆様がお揃いですよ」


打ち合わせのお迎えにきてくれたジルに、私は早速イブのパーティーのことを相談した―。


数日後―。


ジルの許可を得た私は、イブのパーティーに向けて、着々と準備を進めていた。


イヴ「あ、アラン」


久しぶりに見るアランの姿に、私は胸をときめかせる。


アラン「お前…最近妙に忙しそうだな」


イヴ「えっと…」


(どうしよう…イブのパーティーのこと、アランには秘密にして驚かせたい…)


私が言葉に詰まっていると、ユーリに声をかけられる。


ユーリ「イヴ様、ちょっといい?」


イヴ「アラン、ごめんね。また後で…」


アラン「……」


足早に去っていく私の後ろ姿を、アランが見つめていた。


レオ「イヴちゃんって、見てて飽きないよね」


通りかかったレオが、クスクスと笑いながらそう言う。


レオ「ところでアラン。クリスマスはイヴちゃんに何かするの?」


アラン「……」


レオ「もしかして、何も考えてないの? ダメだな、アランは。そんなんじゃ、イヴちゃんに嫌われちゃうよ」

そう言うと、レオは去って行く。


アラン「…うるせえな…」



その夜―。


アラン「おい」


私が書類に目を通していると、アランが私の寝室を訪れた。


イヴ「アラン…どうしたの?」


アラン「お前…クリスマスに何かしたいことあんの?」


イヴ「えっ…」


(パーティーのこと…何か聞いたのかな?)


アランの急な言葉に戸惑いながらも、私は何とか口を開く。


イヴ「えっと…アランとクリスマスを迎えられたら、それだけで嬉しいよ」


アラン「…そうかよ」


イヴ「でも…クリスマスは外交パーティーだから…」


(だから、イブにクリスマスの分までお祝いできるように、準備頑張ろう…)


アラン「……」


密かに決意を固めていると、アランの表情が曇る。


イヴ「…アラン…?」


アラン「…ああ…」


(何か、気に障ること言っちゃったかな…?)


私が心配していると、


レオ「イヴちゃん、ちょっといい?」


レオが扉を開けてひょっこりと顔を出した。


イヴ「レオ…」


レオ「アラン。向こうでジルが探してたけど」


アラン「……」


アランは、何も言わずに部屋を出て行った。


アラン「…なんだよ…」


扉を閉めると、そう呟く。


そして扉の方を見ると、アランは足早に歩き出した―。


(アラン、様子がおかしかったな…)


レオ「イヴちゃん、どうかした?」


私が扉の方を見つめていると、レオが私を気遣ってくれる。


イヴ「…じつは…」


レオに相談すると、レオは何故だか嬉しそうに笑った。


レオ「へー、本当にイヴちゃんのこと好きなんだ」


イヴ「え?」


レオ「ううん」


レオの言葉に首をかしげながらも、私はレオに渡された書類の確認に追われていった―。

旅館に戻ってきた時には、すっかり外は真っ暗になっていた。


彩「あのね、春……」


ハイキングコースを戻る道すがら、私は身勝手な自分の気持ちが引き起こした一件を、順を追って話そうとした。


けれど春は、短く『話は後だ』という言葉だけで聞いてくれなかった。


春「話は、後だと言っただろう。彩、手を……」


やっと旅館の部屋に戻っても、春の対応は少しも変わらない。


(春、もしかして怒ってるのかな……)


普段より少しトーンの低い声で名前を呼ばれて、私はおずおずと右手を差し出した。


明るい場所で見てみると、手のひらの擦り傷は思ったより痛々しかった。


それを見て春がきつく眉根を寄せた。


春「……っ」


壊れ物を扱うみたいに右手に触れた春の表情は、どこか傷ついているように見える。


(何で、春がそんな顔……)


春「……少し、ここで待っていてくれ」


ポツリと一言、それだけ言うと春は部屋を出て行ってしまった。


彩「どうやって、謝ろう……」


自然と唇から零れ出た、そんな本心に私は大きなため息を吐きだした。


何度も止められて、完全にもう話をするタイミングを逸した気がする。


彩「春……」


春「どうした?」


無意識に春の名前を口にした瞬間、声が聞こえた。


呆然と顔を上げると、いつ戻ってきたのか救急箱を手にした春の姿があった。


テキパキと救急箱から、必要なものを出し始める春を見て私は慌てて口を開いた。


彩「ま、待って!」


春「すまないが、待てない」


即座に言い返され、春が優しい手つきで消毒薬を擦り傷に吹きかける。


彩「……っ!」


(い、痛い……!)


何とか痛みを堪えて、擦り傷が綺麗になったところで私はひと息に言った。


彩「は、春……ほんの少しでいいから、私の話を聞いて欲しい」


春「だが……」


彩「お願い、春。どうしても今、話をしたいの……」


春「……分かった」


一瞬迷う素振りを見せてから、春は支えていた右手をそっと解放した。


彩「……急に変なことばかり言って春を戸惑わせてごめんなさい。私……女将さんに嫉妬していたんだ」


春「……え?」


春が珍しく、虚を突かれたような驚きの表情を浮かべて私を見る。


頭が冷えた今は、自分だってどうしてあれほど小さなことにこだわってしまったのか分からないほどだ。


彩「女将さんに悪気がないのは分かってる、でも……何年か前に、皆さんとここに来た時の話を私は、

当たり前だけど知らなかった……」


春「……」


彩「……私ひとりが除け者になったみたいで勝手に寂しくなって、色々どうしようもないことを考えちゃって……。すごく子供っぽいやり方をして、それで……」


私は具合が悪いなんて嘘をついて、その挙げ句に心配してくれた春の手を振り払ってしまった……。


彩「思わず嘘をついて、ここから逃げたんだ。昔の春の全てを知ることなんて絶対に出来ないことなのに……」


(女将さんが、春と昔の記憶を共有しているのが羨ましかった……)


彩「……という、色々なことをグルグルと考えたりして、今に至ります……」


ザッとこれまでの経緯を話しきると、春は無表情に私の顔を見つめていた。


春「……」


何かを考えているようにも、必死に感情を押し殺しているようにも見える。


黙ったままでいる春を前に、怪我をした右手よりも胸が痛みだす。


(きっと呆れているよね、春……)


どんな反応が返ってきても、全ては自業自得だと思う。


(でも……これだけは、言っておかなくちゃ……)


(選択してください)


A:ごめんなさい


彩「ごめんなさい、春……」


面と向かってどうしても言いたかった。心からの謝罪の言葉を口にする。


その途端、春の瞳が戸惑いに揺れた。


春「何故、キミが謝る?」


本心から不思議そうに思っている声に、私も戸惑いながら答える。


彩「何故って……私、春に嘘をついたんだよ?いっぱい心配させて、手を振り払ったりして……それに、私は……」


(とっさに口走ったことだけど、でも……)


彩「春に向かって『触らないで』なんて思ってもないことまで言ったから……」


春「思ってもないこと、なんだな……」


聞き取れないくらいの小声で春が何か返した。


彩「あの、春……?」


春「いや、謝るのは俺の方だと思っていた。話を聞いた今も、そう思う……。本当に、すまない」


何故か春が頭を下げて、それからどこかほっとしたような顔で笑った。


春「キミの告白を聞いて安心したと同時に、話すべきことを見つけた」



B:ありがとう


彩「ありがとう、春……」


謝罪の次に、どうしても言いたいと思った感謝の気持ちを口にする。


春「ありがとう……?」


少し不思議そうに聞き返す春に、私は小さく頷いて感謝の言葉の理由を話す。


彩「だって全部、私の身勝手な暴走だったから……。そのせいで春には迷惑をかけっぱなしで、それなのに捜しに来てくれた。」


(それだけでも、もう感謝してもしきれないのに……)


彩「そのうえ春は、こうやって手当てまでしてくれてる……だから、ありがとう」


すると春が志津かに首を横に振る。


春「俺が、勝手にしたことだ。キミの行動が身勝手ならば、俺の高度も間違いなく身勝手でしかない。手当も、もしくはキミに触れる口実かもしれない」


(春は、まだ……)


今の言葉で春はまだ私に触れることにためらいがあるような気がした。


申し訳ない気持ちで見ると、春はどこか寂しそうな微笑みを浮かべていた。



真っ直ぐに私を見て、春がわずかに不安のにじむ声で言う。


春「手当てを受けながら、聞いて欲しい。さして中身のある話ではないが……」


そんな前置きをして、春はそっとまた私の右手を取り手当てをしながら静かな声音で話を始めた。


春「数年前、この旅館には仕事の一環で来た。仕事が終わってからは、自由に過ごす時間もあった……」


擦り傷に薬を塗りながら、春は話を続ける。


春「そんな時、今日のように抹茶を出された日だったと思うが……場所は二階の一室で、そこからは裏庭の様子がハッキリと見えた。季節は、春だった」


春の言葉に、その風景を想像しながら話に耳を傾ける。

食事も終わり、私は離れについている露天風呂を覗いていた。


(温泉に入りたかったけど、手もこんなだし諦めるしかないよね……)


あれほど楽しみにしていた旅行は結局、私の身勝手な感情で台無しになってしまった気がする。


彩「これも、自業自得……」


(せめて、足湯だけでも……)


諦めきれずに露天風呂をじっと見た時、春がスッと隣に立った。


春「……入るか?」


彩「ううん、この手だから無理だよ」


春「いや、一緒に入れば大丈夫だろう。必要な手は貸せる」


彩「え、でも……」


春の誘いと、目の前の露天風呂に心が大きく揺れる。


(できるなら温泉に入りたいけど……でも、春と一緒……恥ずかしいな)


春とお風呂に入ったことなんて、片手で数えるほどしかない。


怪我をした右手を見た後で春の顔をチラリと窺い見る。


春「怪我をさせたからではなく、キミが少しでも楽しめる旅行にしたいと思っていた。だから……」


(そんな言い方、少しずるいよ春……)


彩「……うん、じゃあお願いします」


恥ずかしさよりも、春の気持ちが嬉しくて一緒に露天風呂に入ることにした。


怪我した右手が濡れないように気をつけながら、私は春に髪を洗われていた。


私はお湯につかったまま、春に頭だけを預けるようにしている。


春「彩の髪は、細くて柔らかいな……」


優しい指先で髪から泡を流しながら、春がふいに言う。


彩「そっ、そうかな……?」


少し照れくさくて下を向くと、春が髪を流し終えて、お湯をかける手を止める。


春「ああ……。とても綺麗だ……」


(あ……)


タオルで髪を包むようにして、あらわになった首筋から耳元に何度も春が唇を押し当てる。


今の私には抵抗する自由な両手も、それ以上にそんな気持ちはもうなくて、キスで触れてくる春に私は頭を預けたままでいた。


のぼせるギリギリでお風呂から上がって、私たちは温かいお茶を飲みながらテラスのチェアに座っていた。


空にはキラキラした星が瞬き、秋の風はもう冷たいけれど温泉で暖まった体には少し心地が良かった。


彩「すぐに冬が来るね……」


ニューヨークに戻れば、またいつもの喧騒に戻って、こんなにゆっくりとした時間とも離れる日々になる。


(そういえば、さっきの話……)


彩「春、銀杏のほかにも苦手なものってある?」


春「なぜ……?」


彩「他にも苦手なものがあるなら、極力食事には出さないようにしようかなと思って」


すると、春が座っていたチェアから立ちあがる。


静かに私の座るチェアの横に膝をついて、春が真剣な表情で私の顔を覗き込むようにする。


(春、ちょっと近い……)


鼻先が今にも触れそうでドキドキしていると、春が静かに言葉を発した。


春「実は、もっと苦手なものがある……」


彩「もっと?」


春「ああ……」


春が私の頭上に片手を置いて、かかった重みにチェアが微かにきしむ。


春「キミが……彩が傷ついた姿を見ること」


(それは、苦手とは言わないんじゃ……)


そんな事を思って反論しようと思ったけれど、もう一方の手がそっと頬に触れた瞬間、何とも言えなくなる。


春「いつでも、彩だけを一心に想う。だからもう1人で抱え込まないで……」


囁くようなお願いに頷くと、春はフッと笑って、そっとキスをした――。