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ゆうママ@チーズのブログ

自分の記録用にゲームのレポ書いてます♪
のんびり更新しています(^^
ネタばれ注意です

パーティー会場の外に出ると――。

キラキラと眩しいほどのソリの大群が、夜空を横切って行く。

人々は通路を開けて、大通りのサンタクロースたちの行進を見つめていた。

ユウ「すごい…」

ユウ「これって、クリスマスパレードですよね!」

ナギ「…ああ」

ユウ「ここからじゃ良く見えな――」

ユウ「わっ!」

ナギ「…!」

後ろから押し寄せる見物客に、背中を押されて転びそうになる。

ナギさんは、咄嗟に私の体を支えると、手を引いてくれた。

ナギ「…こっちだ」

ユウ「えっ?」

ナギさんに手を引かれるままに、見物客の群れから離れる。

ユウ(ナギさん、どこに行くんだろう…)

ユウ(通りから離れたら、パレードが見えなくなっちゃうんじゃ…)

ナギ「ここ、上がれ」

ユウ「え?」

ユウ「は、はい…」

見ると、華やかなパレードが少し離れた場所に見える。ナギさんに支えてられて、私は少し高い塀の上に

目線を移した。

ユウ(ここに座るの!?)

ユウ(こんなに高ところ、上がれるわけな――)

ナギ「…」

ユウ「わっ――」

ナギさんに腰を抱き上げられて、そっと塀の上に座らされる。

ひょいっと飛び上がったナギさんは、私の隣に並んで座った。

ナギ「…相変わらず軽いな」

ナギ「もっと飯を食わせねーと…」

ユウ「…そ、そんなことないです!」

ユウ「こ…これ以上は太れませんから…」

ナギ「…そうか」

ユウ「はい…」

小さく微笑むナギさんの表情に、思わず胸が高鳴り始める。

心臓の音が、ナギさんにまで聞こえてしまいそうで、意識を逸らすように声を上げた。

ユウ「わあー!」

ユウ「ここからでもパレードがよく見えますね!」

ナギ「少し離れた方がよく見えるな」

ユウ「はい!すごくキレイですね…」

ナギ「…お前、これ下に敷いてろ」

ナギ「…冷えるだろ」

ユウ「え…?」

ナギさんは自分のバンダナを脱ぐと、私が腰かけている場所の下へと敷いてくれた。

お礼を込めてナギさんに向かって微笑むと かじかんだ手を無意識に擦り合わせながら、パレードを見つ

める。

――と、ナギさんは不思議そうな顔をして、私の手を取った。

ナギ「…お前、指輪…」

ナギ「どうしたんだ?」

ユウ「え…?」

ユウ「あ…」

ナギさんの言葉に、慌てて手を隠す。

ナギさんの手に視線を移すと、さっき返してもらったペアリングが光っていた。

ユウ(どうしよう…ナギさんに何て言おう…)

ユウ(隠したってどうしようもないんだし、ちゃんと伝えなきゃ…)

ユウ「…私…あの時…」

ユウ「あの、ゲストルームで…」

ナギ「ゲストルーム?」

ナギ「…あいつらに連れて行かれた部屋か?」

ユウ「…はい」

ユウ「指輪を返して欲しかったら、言う通りにしろって言われて…」

ユウ「食材がダメになって困ってるナギさんを」

ユウ「これ以上苦しめたくなくて…」

ナギ「それで…どうしたんだ?」

ユウ「……す、捨てました」

ユウ「自分で、窓の外に投げたんです…」

ナギ「…」

ユウ「お、怒りますよね…当たり前です…」

ユウ「でも、ナギさんの悪口を言われて我慢できなかったんです」

ユウ「指輪は返して欲しいけど、だからって言いなりになりたくなかった」

ナギ「…」

ナギさんは黙ったまま私を見つめる。

ユウ「だって、私は指輪はなくても」

ユウ「ナギさんさえ側にいればいいって思ったから…」

ユウ「だから…って――」

ユウ「ナ、ナギさん!?」

ナギ「…」

ナギさんは突然大きく腕を振り上げると、思い切り指輪を投げ捨てた。

ユウ「ナギさん!!」

ナギ「だったら、仕方ないだろ」

ユウ「え…」

ぎゅっ…

ユウ「!?」

次の瞬間――。

隣から腕が伸びてきて、私はナギさんの胸に引き寄せられた。

ナギさんの心臓の音が、鮮明に私の体へと伝わってくる。

ユウ「ナギさん…」

ナギ「…俺も、そうだ」

ナギ「指輪は…いらない」

ナギ「…お前さえ、俺の側にいればいい」

ユウ(ナギさん…)

耳元でそう囁かれると、すかさず唇が重なった。

優しくて、柔らかなナギさんのキスに、言葉など必要がなくなる。

ナギさんの想いに応えるように、私はナギさんの首元にそっと手を回した。


パーティーは無事に終わりを迎えた。

会場ではスタッフだけの打ち上げパーティーが始まっていた。

リュウガ「まあ飲め!」

ソウシ「船長、あおり過ぎです…」

おネエ1「やっだ~、ドクター!」

おネエ1「カタイ事いわないでっ!」

ハヤテ「船長!俺にも!」

トワ「わああー!」

トワ「や、やめてくださいよー!」

トワ「く、口は勘弁してくださいー!!」

おネエ2「んもう♪可愛い子!」

おネエ2「遠慮しないで~♪ちゅってしてあげる♪」

おネエ3「シン様ー!シン様はどこぉ?」

おネエ4「いないわ!さっきまでここにいたのにぃ!」

シリウスのみんなもおネエ海賊団のみんなも楽しそうに盛り上がっている。

ナギ「…大変そうだな」

ユウ「はい…」

ナギさんが呟くその横で、私は料理を食べていた。

ユウ「あ、この料理、さっき食べそこなったんですよー」

ユウ「んー、美味しい!」

ナギ「…」

ユウ「ナギさんも食べますか?」

ナギ「いや、いい…」

ナギ「いいな…お前は平和で…」

ユウ「平和?」

アンナ「ちょっとあんた!」

アンナ「何、大きな口開けて食べてばっかりいるの!」

ユウ「アンナさん!」

ユウ「おつかれさまでした!」

アンナ「ナギさんの前で… なんて子なの!?」

アンナ「クリスマスなのに、全っ然ムードがないわ!」

ユウ(そ、そうかな…いつも、こんな感じだから…つい…)

ナギ「アンナ、どうかしたのか?」

アンナ「うふふ、ナギさんにお礼、言ってなかったから」

ユウ「お礼、ですか?」

アンナ「あんたは黙って食べてな!」

ユウ「は、はい!」

ユウ(さっきは食べるなって言ったくせに…)

アンナ「さすがナギさんって感じね!感動しちゃったわ」

アンナ「ナギさんがいなかったら、今日のパーティーは成功しなかったもの」

ナギ「…そんな事はないだろ」

ナギ「アンナの腕も落ちてない」

ナギ「…いいパートナーだった」

アンナ「まあ!」

アンナ「ちょっと聞いた?」

ドスッと肘で突かれて、思わずフォークの手を止める。

アンナ「あら、ごめんなさいねぇ」

アンナ「そうだ、これ…」

アンナさんは見覚えのある小さな光を差し出した。

ユウ「え……」

ユウ「こ、これ…」

ナギ「…」

ユウ「私たちのペアリング!?」

アンナ「やっぱりそうだったのね~ 拾ったのよ!」

ユウ「拾ったって…」

ナギ「捨てたもん、拾ってどうする…」

アンナ「す、捨てた!?何考えてんのよ!」

アンナ「モノを粗末にするなんて、あたしが許さないわよ!」

ナギ「…」

アンナ「何があったか知らないけど、とにかく!」

アンナ「これは2人に返すわ」

アンナ「もう捨てたりしちゃダメよ♪」

アンナ「さぁ~!あたしもいい男、探さなきゃ♪」

アンナさんは私にペアリングを渡すと、いそいそとみんなの方へと足を向けた。

ユウ「もどって、きましたね…」

ユウ「ペアリング…」

ナギ「…そうだな」

ユウ(このペアリング…確かに嬉しかったけど…)

ユウ(よく考えてみたら、料理人のナギさんにとっては…)

ユウ「あの…お守りにしませんか?この指輪…」

ユウ「指だと、また失くしちゃいそうですし」

ユウ「お守りなら、失くさないですよね」

ナギ「ああ…そうだな」

ナギさんは私から指輪を受け取る。

ナギ「いくつもペアリングがあっても仕方ない…」

ナギ「…こういうのは、人生で1つあれば充分だろ」

ユウ「え…」

ユウ(人生で1つって…)

ユウ(もしかして…)

意味深に微笑んだナギさんが近づいてくる。

ユウ(人生で1つだけのペアリング…)

ユウ(いつか、ナギさんと…)

賑やかなパーティーの中、私たちはみんなに見えないように――。

2人だけの秘密のキスを交わした。

ユウ(さ、寒い……雪も降ってるし、当たり前だよね…)

ユウ(アンナさんやおネエ海賊団の人たちもホテルに戻ったみたいだし)

ユウ(もうそろそろナギさんも出てくる頃だよね…)

パーティー会場の外。

私は厨房を出るとホテルには戻らず、そのままナギさんの作業が終わるのを待っていた。

ユウ(たとえ、手伝いは出来なくても…)

ユウ(私だけ部屋に戻るなんてやっぱり出来ない)

中の様子をうかがうように振り返る。

――と、中からナギさんが出てくるのが見えた。

ユウ「あっ、ナギさ―」

ナギ「…」

ユウ(あれ?帰ろうとしているんじゃないの…?)

ユウ(あっちは、会場の中庭の方だけど…)

ユウ(どこに行くんだろう…)


パーティー会場とホテルと繋ぐようにある中庭。

私は、ナギさんの後ろを追いかけた。

ユウ(こっちに来たはずなんだけど…)

ナギ「…」

ユウ(あ、いた!)

ユウ(上着も来てないのに、何してるんだろう…)

ユウ(早くホテルに戻らないと風邪を引いちゃう…)

ナギさんは中庭の氷の地面に手をついて、小さく移動を繰り返している。

その姿に、たまらず声をかけた。

ユウ「ナギさん?」

ユウ「どうかしたんですか?」

ナギ「…ユウ!」

ナギさんは私の顔を見て、慌てて立ち上がった。

ユウ「一体どうしたんですか?」

ユウ「上着も着ないで、こんなところにいたら風邪引いちゃいます…」

ナギ「…」

ユウ「あ!そういえば、さっき厨房でも…」

ユウ(屈んで何かを探してるみたいだった…)

ユウ(今も地面に手をついて…)

ナギ「…」


ナギ「…悪い」

ユウ「え?」

ナギ「…なくした」

ユウ「なくしたって…」

ナギ「…指輪」

ナギ「…ポケットに入れたはずなのに」

ユウ「…もしかして、さっき買ったペアリングですか?」

ナギ「ああ…」

ナギ「厨房も探したが…どこにもない」

ナギ「エプロンを外したのは、ホテルのオーナーに呼ばれた時だけで…」

ナギ「連れて来られたのは、ここだった…」

ナギ「探せばあると思ったんだが…」

ユウ「もしかして、ナギさん…」

ユウ「それで…私に部屋に戻るように言ったんですか?」

ナギ「…」

ナギ「お前が…悲しむと思った…」

ユウ「そんな…」

ふと、ナギさんの手を見つめる。

その手は、痛々しいほどに赤くなっていた。

急いで両手で包み込むと、まるで氷のように冷たかった。

ユウ(こんなになるまで…)

ユウ(膝も汚れて…きっとキッチンの床も全部見たんだ…)

ナギ「…ごめんな」

ユウ「…ううん、いいんです」

ユウ「こうして探そうとしてくれただけで…充分です」

ユウ(ナギさんはいつも、言葉は少ないけれど…)

ユウ(でも、こうしていつだって見せてくれる)

ユウ(私を思ってくれているって、ちゃんと伝えてくれる…)

ナギ「でも、お前…」

ナギ「気に入ってたんじゃないのか…?」

ユウ「それはナギさんが一緒につけてくれたからで…」

ユウ「あの指輪だったからじゃないんです…」

ナギ「…ユウ」

苦しそうな顔をするナギさんを見上げると、思わず抱きついた。

ユウ「いいんです…もう」

ユウ「ナギさんが、私の側にいてくれれば、それで…」

ナギ「…」

ユウ(確かにペアリングをもらって、恋人の証ができたみたいで嬉しかった…)

ユウ(けど、こうしてナギさんを側に感じることよりも)

ユウ(大切なことはないんだよね…)

きつくナギさんの背中を抱きしめる。

――と、ナギさんが強く抱きしめ返してくれる。

ユウ(ナギさん…)

ナギ「ユウ…」

顔を上げて見つめ合うと、ナギさんが近づいてくる。

優しく、少し遠慮がちに唇が触れて――。

抱きしめる腕に、力が込められた。

ユウ「ん……っ…」

ナギ「…」

一瞬だけ唇が離れたけれど、またすぐに重なり合う。

気持ちを確認するように、少しづつ深くなるキスに――。

互いを強く求めあっていることを実感する。

ユウ「…ナギさん、好きです」

ユウ「私――」

ナギ「…嬉しいが」

ナギ「…後で言ってくれ」

ナギ「それ以上聞くと、これだけじゃ済まなくなる…」

ユウ「ふふっ。でも、好きなものは好きなんです」

ナギ「…」

そう言って笑い合うと、また小さく唇が重なった。

ナギ「…部屋に戻るぞ」

ナギさんの甘く低い声が耳元に小さく響くと、身体の芯が熱くなるのを感じた。


ユウ「う、ん…」

ユウ(もう、朝?)

ベッドの中、眩しい朝陽に目を細めた。

肌に触れる柔らかな毛布の感触が心地よくて、もう一度目を閉じる。

ユウ(気持ちい…もう少し、このまま眠って…)

もそもそとベッドの中に潜ると、突然、後ろから抱きしめられた。

ユウ「あ、ナギさん…」

ユウ「起きてたんですか?」

ナギ「…また寝る気か?」

振り返ろうとすると、さらに強く抱きしめられる。

ユウ「い、いえ…もう着替えなきゃ」

ナギ「…」

ナギさんは毛布の中で私の手を探り当てると、撫でるように指先へとたどり着く。

そして、指輪のはめられた指を見つけると、そっとなぞった。

ナギ「…次はもっと良いモノを買ってやる」

ユウ「もう、充分です」

ユウ「これ以上、もらうなんて贅沢すぎです」

ユウ(これ以上の幸せなんて…必要ない)

ユウ(私はナギさんがいるだけで、充分なんです)

抱きしめられながら幸せに浸っていた、その時――。


ドンドンドンッ!!

アンナ「開けて!あたしよ!」

ドアの向こうからアンナさんの声が聞こえる。

ナギ「アンナ?」

ユウ「何かあったみたいですね」

慌ててベッドから出てカーディガンを羽織ると、部屋のドアを開けた。

アンナ「ナギさん!大変よ!すぐに厨房に来て!」

飛び込んで来たアンナさんの剣幕に、私もナギさんも嫌な予感を感じていた。

キッチンに入ると、おネエ海賊団のみんなが戸惑っているようだった。

ナギ「…」

ナギ「どういう事だ…」

ユウ「え?」

ナギさんはキッチンに入ってすぐに立ち止まる。

ナギ「…この部屋の気温、何度だ?」

アンナ「昨日の夜から暖房がついてたみたい…」

アンナ「食糧貯蔵庫もよ…」

アンナ「おかげで…食材が台無しよ」

ユウ「そんな!パーティーは今日なのに…」

アンナ「一体、誰がこんな事をしたのよっ!」

アンナ「腕があったって、食材がなきゃだめよっ…」

アンナ「うぉおおおっー!」

おネエ1「アンナ姉さん…」

アンナさんは大きな声で泣きはじめる。

ユウ「アンナさん…」

ナギ「アンナ、泣いてるヒマはねえだろ…」

アンナ「え?」

ナギ「急いで残った食材を確認しろ」

ナギ「足りないもんは、確保に走るぞ」

アンナ「ナギさん…!」

アンナ「そ、そうよね!まだ夜まで時間はあるもの!」

アンナ「ちょっとあんたたち!今すぐ食材の確認よ!」

アンナさんはみんなに声をかけると、傷んだ食材を捨てはじめた。

ナギ「ユウ、お前にも頼みたいことがある」


(選択してください)

A:皿洗いですか?


ユウ「皿洗いですか?」

ナギ「いや、すぐの料理はしない」

ナギさんは険しい顔をする。

ナギ「今は食材集めに助けがいる」

ナギ「船長たちを起こして、連れて来て欲しい」

ユウ「みんなの力をかりるんですね!わかりました!」



B:助けを呼ぶ


ユウ「みんなの助けを呼ぶんですね?」

ユウ「シリウスのみんななら、きっと協力してくれます」

ナギ「…」

ナギ「ああ」

ナギさんは驚いたような表情を浮かべると、小さく笑った。

ユウ「おネエ海賊団に負けていられませんよね」

ナギ「そうだな」

ユウ「私、みんなに応援を頼んできます!」



C:何でも手伝う


ユウ「はい!何でも手伝います!」

ナギ「大至急、船長たちにも声をかけてくれ」

ナギ「すぐに、必要な食材を探しに街へ出てもらう」

ユウ「わかりました!行ってきます!」



ナギ「頼んだぞ」

ナギさんに向かって頷くと、私はキッチンから飛び出した。


ホテルのロビーに滑る込むようにして辿りつく。

みんなの部屋に向かって急いでいると――。

ぐいっ!

ユウ「え?」

突然、誰かに腕を掴まれて足を止めた。

ユウ(この人……)

料理人1「…やっとひとりになったか」

料理人1「お前に話がある、ついて来い」

ユウ(オーディションを受けられなくて怒ってた人だ…)

ユウ「あの、離してください…」

ユウ「急いでいるんです!」

料理人1「ふーん…」

料理人1「これを見ても、か?」

ユウ「それ…ナギさんの…」

男が、見覚えのある指輪を見せた。

料理人1「返して欲しければついて来い」

ユウ「…」

ユウ(…今、ナギさんに助けてもらうわけにはいかない)

ユウ(指輪のこともそうだけど、厨房に暖房をつけたのは、きっと…)

ユウ「…分かりました」

私は男を睨むと、後について行った。


ホテルのゲストルーム。

中に入ると、見覚えのある男たちが待ち構えていた。

ユウ「あなたたち…こんな所にいるなら、厨房を手伝ってください!」

ユウ「今、大変なんです!」

料理人1「食材がダメになったんだろ?」

ユウ「……やっぱり、あなたたちが?」

料理人2「バカにされたんだ、当然だろ?」

料理人3「女連れでチャラチャラしたシェフより」

料理人3「俺たちの方が美味い料理を作れる」

料理人1「そうだ。俺たちの実力も知らないで…推薦だと?ふざけるな!」

料理人1「チャンスだったんだ!」

料理人1「有名なパーティーで評価されれば、名を上げられる」

ユウ「だから食材をわざと傷ませたんですか?」

ユウ「…あなたたちみたいな人、料理人だなんて言えません!」

ユウ(食べ物を粗末にするなんて…ナギさんは絶対にしない)

ユウ(いつだって、どんな食材も余すところなく使って)

ユウ(美味しく料理してくれる)

ユウ「あなたたちがナギさんより美味しい料理が作れるなんて」

ユウ「……絶対にありえません!」

料理人2「なっ!」

料理人2「こいつ…生意気な女だ!」

料理人2「あの男もムカつくが、この女もどうにかしてやりてぇな」

ユウ「!?」

料理人1「おい、女。この指輪。あの男とペアだろ?」

料理人1「返して欲しいなら、言う事を聞くんだな」

男は指輪を見せながら近づく。

ユウ「…指輪なんて」

ユウ「いりません!」

料理人1「なっ……」

私は自分の指のはめていたペアリングを抜き取ると、窓の外へと投げ捨てた。

ユウ「あなたたちが何をしようとしているのかは知りません」

ユウ「でも、私を脅迫しようとしても無駄です!」

料理人1「こいつ!!」

ドンッと体を押されると、後ろへ倒れる。

ユウ「いやっ!やめて!!」

倒れた私へと男たちが覆いかぶさってくる。

ユウ(逃げなきゃ…!でも、どうやって?)

目線で辺りを見回した、その時――

ドカンッ!!

ユウ(え……)

部屋のドアが、勢いよく蹴破られた。

ナギ「…何してる」


ユウ「ナギさん!」

ナギ「…!」

ナギさんは倒れている私を見ると、静かに男たちに近づいた。

ナギ「…」

料理人1「おっ…お前……」

ドカッ!!

料理人1「うっ!」

料理人2「ぐはっ!」

ナギさんは素手で男たちを殴り飛ばすと、私の元へと近づく。

ナギ「大丈夫か?」

ユウ「はい…」

ユウ「ナギさん、この人たち――」

料理人1「おいっ…こんな事をしていいと思ってるのか…」

料理人1「オーナーに訴えてやる!」

料理人1「お前は料理人失格だってな!」

ユウ「なっ!あなたたちが――!!」

ナギ「…ユウ」

ナギさんは、大声を上げそうになる私を止めた。

ナギ「…別に言いたきゃ好きにしろ」

ナギ「…こいつ以外なら何を無くしても構わない」

ユウ「……ナギさん」

ナギ「だけど…」

ナギ「こいつに何かしてみろ…」

ナギ「今日のように、手加減はできない…」

料理人1「っ…」

ナギさんに睨まれると、男たちは一瞬で青ざめる。

ナギさんは私の手を引くと、男たちの間を通って外に出た。


その夜。

パーティーは無事開催された。

おネエ海賊団とシリウス海賊団。

スタッフや街の人たちのおかげで、食材は無事に用意することができた。

アンナ「パーティーは大成功ね♪」

アンナ「さすがナギさんよ、惚れ直しちゃう」

ナギ「…」

アンナ「あぁ~ん、逃げないでぇ」

ナギさんとアンナさんがふざけ合う姿を見ながら、会場の隅に視線を移すと――。

ユウ(あ!あの人たち……)

騒動を起こした例の料理人たちが、会場に来ているのが見えた。

私は、近くにあったナギさんの料理を手に取ると、男たちへと近づく。

ユウ「また妨害するんですか?」

料理人1「あ…お前…」

ユウ「ナギさんの事をけなすのは」

ユウ「料理を食べてからにしてください!」

料理を差し出すと、男たちは渋い顔をする。

けれど、しばらくして諦めたように、フォークを持ち始めた。

料理人1「これは……!」

料理人2「う、美味い…有名シェフ軍団より、美味いんじゃないのか?」

料理人3「まさか…そんな…」

ユウ「…ナギさんは食材を宝物みたいに扱うんです」

ユウ「どうやったら美味しくなるか」

ユウ「どうしたら余すことなく食べられるか…」

ユウ「…ナギさんは、最高の料理人です」

ナギ「…褒めすぎだ」

ユウ「ナ、ナギさん!」

ユウ(いつの間に後ろに…)

料理人1「…この料理、本当にあんたが?」

ナギ「俺だけの力じゃない…」

ナギ「ここにいるみんなが協力した結果だ」

料理人1「…」

男は俯くと、ナギさんに手を差し出した。

料理人1「…あんたのエプロンから盗んだ指輪だ」

料理人1「悪かった…あんたの事、誤解してたようだ…」

料理人1「こんなにすごい料理…俺には作れないからな」

ナギ「…」

ナギさんは指輪をつけると、嬉しそうに微笑む。

ユウ(そうだ、私…自分の指輪、捨てちゃったこと)

ユウ(まだ言ってなかった…)

ユウ「あ、あの、ナギさ――」

男たちが去り、ナギさんに指輪の事を話そうとすると――。

客1「わあ!見て!」

客2「おお!今年も始まったか!」

ナギ「…なんだ?」

ユウ「…なんでしょう」

外が騒がしくなり始めると、会場の人たちが一斉に外へと飛び出した。

ホテル内にある1室。

そこにはシェフを選ぶための臨時オーディション会場になていた。

スタッフ「エントリーされた方ですね」

スタッフ「さっそく審査のための料理を作っていただきます」

ナギ「頼んだシェフが来ないのは本当なのか?」

スタッフ「はい…どうやら体調不良らしく…」

スタッフ「毎年、クリスマスパーティーの料理は目玉になっていて」

スタッフ「オーナーのこだわりがあるんですよ」

ナギ「それでわざわざ外から呼ぶのか…」

スタッフ「ええ…でも来られないとなると」

スタッフ「パーティーの中止も考えなければ…」

ユウ「でも、いい料理人が見つかれば大丈夫ですよね」

スタッフ「もちろんです!ですから、こうしてオーディションを開くわけなんですが」

スタッフ「パーティーは大規模です」

スタッフ「腕はもちろんですが、シェフ軍団の2人のシェフのように」

スタッフ「協力できる方を2名探したいんです」

ユウ「シェフが2名必要なんですか?」

スタッフ「実は…すでにひとり、決まったところなんですよ」

スタッフ「それがすごく腕が良くて、こちらの料理なんですが――」

テーブルにあったお皿を見せる。

繊細な飾り切りをされた野菜とこんがりと焼けたお肉に食欲をそそられる。

ユウ「美味しそう…」

ナギ「…この料理」

ナギ「…」

ユウ「どうかしたんですか?」

ナギ「いや…」

ナギ「味見してもいいか?」

スタッフ「ええ、どうぞ」

ナギさんは料理を味見する。

ユウ(ナギさん?この料理がどうかしたのかな?)

ユウ「あの、私もいただいても良いですか?」

スタッフ「ええ」

ナギさんに続いて、私も料理を口にする。

ユウ「…美味しい!お肉は柔らかいし、野菜がお肉にすごく合ってますね」

ユウ「ナギさんもそう思いませんか?」

ナギ「…」

ユウ「あれ…ナギさん?」

ナギさんは顔をしかめると、どんどん青ざめていく。

ナギ「…帰る」

ユウ「えっ!ナギさん?」

ナギ「いいから、ここを出るぞ」

ユウ「えっ!?ちょ、ちょっと待ってくださ…」

ナギさんに手を引かれて、ドアに足を向けた時――。

バーンッ!!

???「あら!やっぱり私のナギさんじゃない!」

突然開かれたドアの先には――。

ナギ「…遅かった」

ユウ「あ…」

ユウ「ア、アンナさん!」

アンナ「あら、アンタもいたの!」

アンナ「お久しぶりね!」

目の前には、バカンスを楽しんだ島で出会った――。

おネエ海賊団のアンナさんの姿があった。

ユウ(や、やっぱり、さっき街で見かけたのは)

ユウ(アンナさんだったんだ!)

ナギ「アンナ…」

ナギ「どうして、お前がここに…」

アンナ「あぁ~ん♪私たちってやっぱり赤い糸で結ばれているのね♪」

勢い良く近づいて来たアンナさんは、ナギさんの腕を引っ張ると無理矢理に絡ませる。

アンナ「しかも、クリスマスに出会えるなんてぇ♪」

アンナ「一生懸命に生きてる私への」

アンナ「サンタさんからのプレゼントかしらぁ♪」

ナギ「…まさかとは思ったが」

ユウ「えっ?ナギさん、この島にアンナさんがいるって」

ユウ「気づいてたんですか?」

ナギ「さっきの料理…」

ナギ「あれはアンナ、お前だな」

アンナ「うふふ、さすがナギさんね♪」

アンナ「あたしの味、覚えててくれるなんて」

アンナ「す・て・き」

ユウ「アンナさんの料理…」

ユウ「じゃあ、先に選ばれたシェフってアンナさんなんですね!」

アンナ「そうよ」

アンナ「偶然、パーティーの招待状をもらって来たら」

アンナ「シェフがケンカして来れないって言うじゃない?」

アンナ「だから、人助けにね♪」

ナギ「ケンカ…?体調不良じゃないのか?」

アンナ「あら、それは表向きよ」

アンナ「シェフ軍団の2人って、普段はすごく仲がいいんだけど」

アンナ「ケンカするとどうにもならないらしいわ」

ユウ(ケンカって…そんな理由で仕事放棄するなんて…)

ユウ(ナギさんなら考えられないな…)

アンナ「それにしても、まーだ、こんなチンチクリンと一緒にいたの?」

アンナ「もう別れたかと思ってたのにー」

アンナさんはニッとからかうように笑いながら私を見る。

ユウ「別れるわけないじゃないですか」

ユウ「それに、チンチクリンじゃありません」

アンナ「あ~ら、生意気になっちゃって」

アンナ「少しは自信がついたのかしら?」

ユウ「当たり前です、ナギさんは私のものですから」

ナギ「…!」

ナギ「…ユウ、お前ものっかるな…」

アンナ「あらあら、ナギさん、顔赤いわよ」

アンナ「んもう、悔しい!」

アンナさんは意地悪な事を言いながら、どこか嬉しそうだ。

スタッフ「もしかしてお知り合いですか?」

アンナ「そうよ♪」

アンナ「あたしの想い人なの♪」

アンナ「そうだ!ナギさんとなら最高のクリスマス料理、できると思わない?」

ナギ「…いや、俺は辞退しようかと…」

ユウ「えっ!どうしてですか!?」

ユウ「アンナさんとナギさんの料理なんて」

ユウ「想像するだけですごく美味しそうなのに…」

ナギ「……アンナの腕前は確かだが…」

ナギ「…俺の身が危険だ」

アンナ「やだわー!」

アンナ「大丈夫よ♪とって食いやしないわよ~」

アンナ「ねえ、ナギさんとあたしで作るから、オーディションはやめにしない?」

スタッフ「えっ、そ、それは…」

アンナ「ナギさんの料理は、最高よ」

アンナ「アタシが負けたのはナギさんだけだもの」

スタッフ「そうなんですか!?それなら…」

スタッフ「お願いできますか?」

ナギ「…」

ユウ「ナギさん、お願いします」

アンナさんと一緒にナギさんを見つめる。

ナギ「わかった…引き受ける」

ナギさんは諦めたようにため息をつくと、私の微笑んでくれた。


ホテルのロビーには、オーディションを受けるために料理人たちが集まっていた。

スタッフ「お集まりの皆様、大変申し訳ありません」

スタッフ「このたびのシェフはこちらの2名に決まりました」

その場にいた全員がざわめく。

アンナ「ごめんなさいね。あたしが推薦したの」

アンナ「アタシとペアで作れる料理人」

アンナ「しかも息もぴったりってなると、彼しかいないからって」

料理人1「そんな!テストもなしで追い返されるのかよ!」

料理人2「納得いかない!オーディションをくらいしてくれ!」

ユウ(みんな、すごく怒ってる…)

ユウ(でも、それも当然なのかも…)

ユウ(アンナさんの推薦とはいえ)

ユウ(ナギさんの実力を知らないわけだし…)

料理人3「ふざけやがって…女連れでチャラチャラして…」

ユウ(えっ…今のって私のこと、だよね…)

ナギ「…」

スタッフ「み、皆さん、落ち着いて下さ…」

料理人4「大体、腕は確かなのか!?食える料理を作れるんだろうな!」

料理人4「見るからに料理人の品格もない男じゃないか!」

料理人5「そうよ!そうよ!」

ユウ(大変…どんどんヒートアップしていく…)

ユウ(どうしたら…)

料理人たちの勢いに押されて、オロオロしてしまう。


――と、その時。


アンナ「オイ…コラァ…」

アンナ「なんか文句あんのか!!」

ユウ「!?」

ナギ「!?」

突然の大声に、身体がびくっと反応する。

ユウ(ア、アンナさん!完全に男に戻ってる!)

アンナ「ナギさんの料理を知りもしねーで良くもそんな口叩けたな!」

アンナ「いいか、よく聞け!!」

アンナ「あたしの腕もナギさんには負ける!」

アンナ「ここにいる誰もナギさんには勝てねえんだよ!」

アンナ「それでも試したいって言うんなら、かかってきな!」

アンナ「このあたしが叩きのめしてやる!」

アンナさんが大きな拳を突き出すと、みんなが息を呑んで静まる。

ユウ(アンナさん…これじゃ、もう)

ユウ(料理対決って感じじゃなくなってる…)

ナギ「…アンナ、そのぐらいにしろ」

アンナ「でも、ナギさん!」

アンナ「ここまでバカにされて黙っていられないわ!」

隣にいたナギさんは頭を抱え、スタッフたちは目を丸くする。

料理人1「チッ……」

料理人1「このままじゃ済まねーからな」

料理人1「「いこーぜ!」

数人の料理人たちは、私とナギさんを睨むとその場を去っていった。

ナギ「…アンナ、どうするつもりだ」

ナギ「コックの数が減った…」

ナギ「ヘルプなしじゃ、パーティーなんて無理だ」

アンナ「心配しないで、ナギさん」

アンナ「そういう時に心強い味方がいるでしょ♪」

ユウ「心強い味方って…まさか…」



A:私のこと?


ユウ「も。もしかして、私!?」

ユウ「無理です!そんな…務まりません!」

ナギ「…」

アンナ「…」

2人は呆気にとられたように私を見る。

アンナ「そんなわけないでしょ!」

アンナ「あんた、相変わらずバカね」

ユウ「で、ですよね…」

ナギ「…まさかとは思うが…」


B:おネエ海賊団


ユウ「おネエ海賊団ですか!?」

ナギ「…予想通りだな」

ナギさんは苦笑しながら私を見る。

アンナ「ええ。もちろん!」

アンナ「あたしの仲間、おネエ軍団よ♪」

その言葉にナギさんはさらに肩を落とした。


C:シリウス海賊団


ユウ「シリウス海賊団!?」

ナギ「…それは無理だろう」

アンナ「それも良いわね!シン様に会えるかしらぁ?」

アンナ「うふふ♪」

アンナさんはうっとりと目を細める。

ナギ「シンが手伝うことはまずないだろうな」


会場にある厨房は、明日のパーティーの準備で大忙しだった。

アンナ「こっちの仕込みお願いよ」

おネエ1「アンナ姉さん、こっちは準備オッケーよ」

アンナ「じゃあ、次に――」

ユウ(アンナさん、すごく真剣…)

ユウ(私も何か手伝えればいいけど…)

ユウ「ナギさん、私も手伝います」

ナギ「お前はいい、船長たちと合流しろ」

ユウ「でも…」

ナギさんは、用意された食材を確認すると、腕まくりを始める。

――と、ふと何かに気づいたように手を見つめた。

ユウ「ナギさん?どうかしたんですか?」

ナギ「これ…」

ナギ「…無くすといけないからな」

ユウ(あ、指輪…)

ナギさんは指輪を外すと、エプロンのポケットにしまった。


私は邪魔にならないように厨房を出た。

ホテルのロビーまで戻り、シリウスのみんなと合流しようかと迷っていると――。


アンナ「ユウ!」

ユウ「あ、アンナさん…」

外からロビーへと入ってきたアンナさんが近づいてくる。

アンナ「こんなところで何やってんのよ」

アンナ「厨房じゃ、猫の手も借りたいほど忙しいのに!」

アンナ「ナギさんもオーナーに連れて行かれちゃうし」

アンナ「あんたも手伝いなさいよ!」

ユウ「え?ナギさん、厨房にいないんですか?」

ユウ「でも、私 ナギさんに戻るように言われて…」

アンナ「あーもう!また始まった!あんた、全然変わってないわね!」

アンナ「自信ついたんでしょ!もっとグイグイ行きなさいよ!」

ユウ「グイグイって…」

アンナ「別にあんたの姿が見えないから心配で…」

アンナ「って、訳で迎えに来たわけじゃないわよ!」

アンナ「あたしはね、あんたみたいなグズでも」

アンナ「皿洗いくらいはできるでしょって言いたかったの!」

ユウ「アンナさん…」

アンナ「はぁ…相変わらずナギさんも、本当に過保護よねえ」

アンナ「あんたが大切なのはわかるけど、こんな時は助け合わなきゃ!」

アンナ「ほら、行くわよ!」

アンナさんに襟を掴まれると、猫のように厨房へ連れて行かれた。


アンナ「ほら!一応ナギさんに手伝うこと言ってきて!」

ユウ「えっ!?」

ユウ「あ…!」

厨房に入ると、体を突き出される。

アンナ「じゃ、あたしは持ち場に戻るから」

おネエ1「あっ!アンナ姉さん!どこ行ってたのよ!」

アンナ「ごめんなさいねえ、もう、手のかかるバカがいてね~」

アンナ「さあ、はりきっていくわよぉ♪」

アンナさんはウィンクすると、みんなの方へ戻って行った。

ユウ(よし、私もナギさんに許可をもらって手伝わなきゃ!)

そう意気込むと、ゆっくりとナギさんに近づく。

みると、ナギさんは屈みながら、床を見ているようだった。

ユウ(あの格好は…何か落としたのかな?)

ユウ「ナギさん、あの…!」

ナギ「!!」

私の声に驚いたナギさんが、慌てて身体を起こす。

ナギ「…お前、何でここにいる」

ナギ「ホテルに戻ったんじゃないのか…」

ユウ「一度ロビーまで戻ったんですけど…」

ユウ「やっぱり私、何か手伝いたくて…!」

ユウ「皿洗いでも皮むきでも、何でもします!」

ナギ「…」

ナギ「…必要ない」

ナギ「混みあってる厨房は危険だ…」

ナギ「お前は先に部屋に戻ってろ」

ユウ「で、でも!」

ナギ「いいから帰れ」

ユウ「ナギさ―」

ナギ「…わかったな」

ナギ「…帰れ」

ユウ「…」

ナギさんの不機嫌そうな顔に、言葉が続かなくなってしまう。

ユウ(ナギさん…)

ユウ(いきなりどうしたんだろう…)

ユウ(話もまともに聞いてもらえなかった…)