世の中、「イキやすい」 女性もいれば、「イキづらい」 女性もいますし、男は男で、「イキやすい」 男もいれば、「イキづらい」 男もいます。

そして、世間一般では、「イキやすい」 女性は 「重宝」 がられるのに、男の場合は逆に 「イキやすい」 と疎んじられるという、何とも 「生きづらい」 世の中。

「イキづらい」 女性や 「イケない」 女性は、「不感症」 の名のもとに、葬り去られます。

 

不感症

 

この 「不感症」。医学用語では、「オルガズム障害」。女性の場合は、「女性オルガズム障害」 と呼ばれるそうですが、SSRI という 「抗うつ剤」 など薬の副作用によるものや、ホルモン分泌または神経の損傷といった 「器質的」 な要因によるもの以外は、ほぼ 「心理的」 要因によるものなのだそうで、治療には、リラクゼーション法や感覚集中法、認知行動療法やマインドフルネス認知療法などの 「精神療法」 が行われているようです。

実際に 「オーガズム」 で悩んでいる女性は、3人に1人と言われますが、日本の場合、どれだけの医師、あるいは、「臨床心理士」 が、そうした対応をしてくれているのでしょう。

一応、国際疾病分類には登場するものの、命に係わるものでもないので、多くの場合は一人で悩んで、諦めているというのが実情なのでしょうか。

 

いささか古くはありますが、こんな記事を見つけました。

 

「女性のオルガズムを治療する専門医たち」

 

この記事を読んでみて、まず一番の驚きは、米国の話ではありますが、きちんと女性の 「オーガズム」 に対峙している医師がいるということです。

そして、そんなアメリカでも、女性の性やオーガズムの研究は予算獲得が難しく、医療の教育現場においても、女性の性は、男性の性と比べると軽視されているそうで、産婦人科の研修時間が2万時間に含まれる 「女性の性機能」 は、たった45分の講義のみで、しかもその内容のほとんどが誤りだったとは驚きです。

米国でさえ、このような実情にある中、日本がこれを著しく凌駕しているはずもありません。

 

「感度」 は全ての女性で異なる

 

この記事によると、最近の研究によって、「骨盤周辺の神経の状態は、同じ女性でも人によって千差万別だと分かってきた」 そうです。

これは、ニューヨーク大学のランゴーン医療センターで助教授をしている、ニューヨークの産婦人科医デボラ・コーディ医師によるもので、男性器周辺の神経の状態はかなり細かいレベルまで把握されているのに対して、女性については情報がない ことに気付いたため、専門の外科医と組んで、自ら女性器周辺の神経の状態を調べめたところ、「外陰部の神経の分かれ方は、完全に人それぞれで、まったく同じということはなさそうだと分かった」 そうです。

 

「枝分かれした神経が体内にどう張り巡らされるかによって、敏感な箇所が違うなど、女性ひとりひとりの性のあり方が変わってくる」 と考えられることから、さらに性器部分の5つの性感帯(クリトリス、膣の開口部、子宮頚部、肛門、会陰部)に走る神経終末の数を数えてみたところ、これらは女性によって異なることを発見したそうで、この医師は、「クリトリスの方が敏感な女性もいるし、膣の開口部の方が敏感な女性もいるのは、このためです」 と述べています。

 

「セックス」 の快感も人それぞれ

 

自分も多くの女性をみて来ましたが、「ク/リトリス」 の大きさも感度も人それぞれです。また、電動系の 「大人のおもちゃ」 の使用は手っ取り早くはあるものの、刺激の強すぎる 「電/マ」 や 「ロ/ーター」 を使用したために、一時的に 「ク/リ」 が麻痺したような感覚になってしまった女性もいました。

シャワーを 「ク/リ」 に当てるオナニーも、男性の 「床オ/ナ」 同様、いろいろな 「弊害」 が指摘されていますが、こういった電動系のおもちゃの刺激は、男性自身の挿入で得られる刺激とは明らかに異なりますので、「セックス」 でイクことを期待する女性の場合は、ほどほどにして置いた方が良いように思われます。

 

「クリトリス」 以外にも、膣内に点在する、「Gスポット」 や、子宮口全部にある 「A スポット」 や、膣壁と腸壁の間にある 「Kスポット(注1) と呼ばれる場所も同様です。

[注1]  クンダリーニスポット(Kundalini spot) と呼ぶらしいです。

【参考】 The Clitoris, A-Spot, G-Spot, U-Spot, K-Spot, P-Spot

 

実際に集計してみたわけではありませんが、「ク/リトリス」 でイケなかったり、イキづらい女性の場合は、膣内に点在する各種スポットが、通常の人よりも鋭敏な印象を受けます。

 

また、「ク/リトリス」 が女性の中で特に敏感な部位であることには違いありませんが、「ク/リトリス」 でイケる人とイキづらい人がいますし、女性のオ/ナにしても、ク/リだけを刺激するひとがいる一方で、膣に指などの挿入を好む人もいます。

外陰部の神経の分かれ方は人それぞれで、もしかしたら感じ方の違いが、その女性のオ/ナニーのスタイルの違いとなって表れ、ク/リでイケる人の場合は、「ク/リ周辺」 の刺激に限定されやすいのに対し、膣内部の感覚が発達している人の場合は、ク/リの刺激だけではなく、膣に指を入れるといった行動を取り入れたりしているのかも知れません。

 

ク/リの感度が高過ぎる場合は、強い刺激を 「痛み」 として感じられる場合もありますし、ク/リの感度が鋭敏でない分、他の部分が発達している可能性もありますので、ク/リの感度の高い低いで、自分は 「不感症」 ではないかと疑ったり、一喜一憂しない方が良いと思います。

膣内でイク 「中イキ」 の場合、ク/リの刺激でイク 「外/イキ(ク/リイキ)」 と異なり、「イク」 コツを掴みづらいのが一番の難点ですが、「補助輪なし自転車」 のように、一度イケるようになれば、「外イキ」 よりもはるかに強烈で時間も長い 「オーガズム」 を味わえるようになります。

 

不感症?を克服する

 

結局のところ、「不感症」 という言葉は、ク/リに対する刺激では、なかなかイキづらい、あるいは、まだ 「イク」 コツ を掴めていない女性に対して、イカせることが出来なかった男が、まるで 「自分は悪くない」 とばかりに、女性に投げ掛ける 「蔑視」 の言葉のようにさえ聞こえてしまいます。

 

自分の今までの経験によれば、こういった女性は感じていないのではなく、明らかに身体からの 「快楽の信号」 を受信し損ねているのです。その証拠に、「不感症」 の代表格と言えそうな女性も、一番最初のときに、きちんと膣は痙攣しており、収縮していたのを覚えています。

 

もし、こういった信号に周波数みたいなものがあるとしたら、膣内の各種スポットは、「ク/リトリス」 とは明らかに異なる周波数で、快感を伝えています。また、膣内の各種スポットも、全てのスポットで周波数は同じではありません。

「補助輪付き自転車」 から 「補助輪なし自転車」 を練習する場合には、目を閉じて自分の身体に耳を澄ませるようにしながら、探ってみる必要があるのです。 

最初は違和感や苦しさを覚えるような場合でも、その刺激を続けているうちに、その違和感や苦しさがなくなり、微かな 「快感」 に変化する場合もあるのです。

はじめは怖く感じるかも知れませんが、だからこそそっと優しく刺激してみて下さい。

 

「薬」 の影響

 

「イキづらさ」 は薬の副作用である場合もあります。乗り物などの 「酔い止めの薬」 には、副交感神経を遮断する作用のある薬や鎮静作用のある薬なども含まれていますし、鎮痛剤が 「イキづらさ」 に関係するかは分かりませんが、性感は 「痛覚」 の受容器を通して伝達されていると言います。

また、お酒は適量であれば、女性は 「イキやすくなる」 という話もあります。

 

いつもはイケるのに、今日はイキづらいと感じたとき、もし何かの薬を服用しているとしたら、その薬が影響しているかも知れません。

 

実例

 

実際に自他共に 「イキづらさ」 を認める女性でしたが、膣内での 「中イキ」 を経験した後、「マルチ・オーガズム(多重オーガズム)」 が出来るようになり、「A スポット」 以外にもその後、「G スポット」「K スポット」「ク/リトリス」 でもイケるようになり、最終的には、「指の股」 への刺激であったり、髪の毛を引っ張った刺激等、性的な刺激がなくてもイケる 「脳イキ」 と呼ばれる、一種のトランス状態での 「オーガズム」 を経験するに至った女性もいます。 

 

彼女に限って言えば、「ク/リトリス」 が今よりも、もう少し敏感であったなら、「ク/リ」 による快感に頼ってしまい、「中イキ」 や 「脳イキ」 といった 「外イキ」 よりもずっと大きな 「快感」 に目覚めることはなかったかも知れません。

 

自分は 「イキづらい」 と嘆くばかりではなく、諦めずに求めてみることも大事だと思っています。

 

「A スポット」 と呼ばれる子宮口(ポルチオ)の 「快感」 は、手術などで子宮を切除した女性であっても問題なく感じますし、「オーガズム」 は、別の研究で、迷走神経を介して伝達されていることが分かっていますので、脊椎を損傷しており、通常の知覚がない人であっても、「オーガズム」 を経験出来る可能性は、残されているのです。

 

自主トレ

 

女性誌などでは、「中イキ」 出来るようになるために、「クリトリス」 への刺激の併用を勧めるものもありますが、先の報告にもあるように、「外陰部の神経の分かれ方は、完全に人それぞれで、まったく異なる」 こともありますし、逆に 「膣内」 の感覚に集中できない可能性も排除できないので、自分は、逆に 「ク/リ」 に刺激を与えないようにして、膣内の特定のポイントの刺激に集中する方が、練習としては有効だと思っています。

但し、「ク/リ」 を刺激していると 「中」 の方も次第に気持ち良くなってくる 「連動」 タイプの女性もいるようなので、いろいろと試してみると良いと思います。

 

あと注意する点としては、「中イキ」 を 「自主トレ」 する場合、電動系のおもちゃは避け、一番男性自身の刺激に近いので、シリコンゴムなどで出来た 「ディルド」 がお薦めです。

 

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