家系図をつくる1
前回のブログで私の考えとして、
行政書士の業務として「家系図」を作成することは反対であること、
行政書士の知識と経験を生かして、
個人(ビジネス)として「家系図」を作成することにはなんら異論が無いことをお話しました。
ここで、
なぜ今「家系図」を作ることが言われているのか考えてみたいと思います。
ご存知かもしれませんが、
現在の戸籍制度は明治の時代になり始まりました。
普通の個人の記録として、出生から死亡までの正式な記録を国が統一的に管理し保管する仕組みが明治時代から始まったのです。
言い換えれば、
だれでも(もちろん戸籍は個人情報ですから取得資格は制限されていますが)、
がんばれば(ここでいう「がんばれば」とは、専門家に頼まず自分で時間と労力をかければという意味です)明治まで記録を取得することが理論上は可能なのです。
理論上というのがみそで、
この戸籍(正確には除籍謄本)には法律で保存が義務付けられている期間があります。
それは80年!
ということは、
現在が2012年ですから1932年(昭和7年)以前のものに関しては廃棄されていても文句は言えないということです。
現実には、現在でも多くの場合明治時代の戸籍でも取得することがまだまだ可能です。
しかしそれはあくまでその自治体の自主判断ということです。
また、
寿命が延びたとは言え明治生まれの方もかなり少なくなってきた状況で、
明治から大正、昭和、特に戦後の混乱期をキチンと記憶している人が少なくなっふてきている現状があります。
このように、
物理的に古い戸籍の取得が困難に成りつつあるということと当時(混乱期)をよく知る人間が少なくなってきているという要因が、
いま家系図をつくっておかなければ、
正確な記録を残すことができないという意識が働くようになっているのかもしれません。
かく言う私自身の家系についても、
既に両親は無く、
あまり親戚との行き来も無い中でお話を聞くと、戦前から戦中、戦後の混乱期でかなり複雑な関係が出来上がっているということを聞いています。
詳しい事情を知っている親戚も少なくなってきている中で、
今の内に記録をまとめておかないと、
誰も当時のことは分からず真実は歴史の彼方・・・、
ということに成りかねません。
少しずつ自身のルーツを遡る作業を進めて行こうと考え始めています。