赤ちゃんを授かるヒント、第15回目は「妊娠と食生活②」です。

今回は主要な3つの栄養素のうち「脂質」のとり方についてお話したいと思います。

脂質の主な成分は「脂肪酸」と呼ばれる物質で、この脂肪酸の種類によって健康に良いか悪いかが決まります。

脂肪酸は大きくわけて以下の4種類。

①飽和脂肪酸

②一価不飽和脂肪酸

③多価不飽和脂肪酸

④トランス脂肪酸

各脂肪酸を構成する原子のつながり方によってこの4種類に分かれるのですが、人体に与える影響はまったく異なります。

妊娠に関してもこの脂肪酸は、ものによって良い影響与えるもの・悪い影響を与えるものがはっきり分かれています。

先にそれらを整理すると

良い影響を与えるもの

上記の②と③、つまり一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸

悪い影響を与えるもの

上記の④、つまりトランス脂肪酸

です。

それぞれがどのように体に影響を与えるかというと

一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸はインスリンの効き目を良くし体の中の炎症反応を抑えます。

インスリンは前回の炭水化物でもお話したように、高血糖が持続すると効き目が悪くなり糖尿病やPCOSの原因になります。

インスリンの効き目をよくすることはこのプロセスの防止になります。

また炎症反応は妊娠のほとんどの段階つまり排卵・受精・胚(=受精卵)の発達に障害となります。

ですから炎症反応の抑制はやはり妊娠しやすい環境づくりに役立つことに。

一方トランス脂肪酸は、これらよい脂肪酸の働きとまったく逆に作用します。

つまりインスリンの効き目を悪くし炎症反応を活発化させるように働くわけです。


これらのことを踏まえて、妊娠によい脂肪酸のとり方をまとめますと、

1.一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸は積極的にとりましょう

2.トランス脂肪酸はとるのをやめましょう

ということになります。

とくに多価不飽和脂肪酸の中のオメガ3脂肪酸は、人間が体内で合成できない脂肪酸ですので食物から摂取するしかありません。

ですから、とくにこのオメガ3脂肪酸を摂取するとよいです。

具体的な食品としては、

鮭・いわし・マグロなどの冷水魚

クルミ・亜麻仁油・シソ・エゴマ

水素添加されていない大豆油・キャノーラ油

がオメガ3脂肪酸を多く含みます。

また、トランス脂肪酸を含む食品としては

マーガリン

ショートニングを使ったクッキー・洋菓子

ファストフード店で売っている揚げ物(フライドポテトなど)

はトランス脂肪酸が多く含まれますので、理想的には一切とらないのがよいです。


以上、今回は脂質についてお話しました。

次回は「たんぱく質」についてお話したいと思います。


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赤ちゃんを授かるヒント、第14回目は「妊娠と食生活①」です。

今回は主要な3つの栄養素のうち「炭水化物」のとり方についてお話したいと思います。

炭水化物は、摂取すると血液の中の「糖」の値である「血糖値」を押し上げます。

糖は体動かすエネルギーですので、必要な量を食べ物からとることは人間が生きていくうえで不可欠ですが、とりすぎるといろいろな悪影響がでます。

よく知られている例では糖尿病ですね。

この糖尿病は血糖値が高い状態が続くことでおこります。

体の中には、血糖値が上がり過ぎないようにするホルモンがあって、通常それが働くことによって血糖値はコントロールされています。

このホルモンを「インスリン」といい、すい臓から分泌されます。

しかし、このインスリンは高血糖が長く続くとだんだん効果が出にくくなるのです。

ですから、炭水化物のとりすぎは結果インスリンの効き目を悪くし、血糖が下がらなくなって糖尿病になるのです。

また炭水化物を含む食物は、ものによって消化されるのに時間がかかるものとかからないものがあります。

消化に時間のかからないものは血糖値をあげるスピードもはやく、逆に消化に時間のかかるものはゆっくり上がります。

実はこの血糖値の上昇スピードが糖尿病発症に重要なのです。

というのも、急激な血糖値の上昇は急激なインスリンの分泌を促します。

すると血糖値が下がりすぎてしまい、一時的に肝臓から貯蔵してあった糖を体に放出する現象が起こります。

脳はこの肝臓からの糖放出を引き金として「お腹すいた~」と感じるようになっています。

空腹感は食欲となってさらに食べてしまう。

結果食べすぎあるいは飲みすぎがおこり、ますます血糖値は上がりやすくなるのです。

つまり炭水化物を摂取するときは、量も大事ですが消化スピードにも注意が必要ということです。

では、妊娠と炭水化物はどんな関係があるのでしょうか?

不妊の原因のひとつに排卵障害があります。

その排卵障害の原因に「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」というものがあります。

ここではPCOSのくわしい説明は省きますが、PCOSの背景には高血糖・高インスリンによるホルモンバランスの崩れがあると考えられています。

つまり糖尿病になりやすい食生活は同時にPCOSになりやすい食生活でもあるのです。

ですから、妊娠するためには不妊の原因となるPCOSになりにく食生活をすることが大事になります。

PCOSになりにくい食生活とは、炭水化物を

①過剰に摂取しない

②消化スピードの速い食物からとらない

ということです。

①はまだわかりやすいですが、問題は②です。

炭水化物を含む消化スピードの速い食物は何なのかがわかりにくいですよね。

詳しくはほかに譲るとして、ここでは原則をお話したいと思います。

炭水化物を含む消化スピードの速い食物を取らないためには、

「精製されていない」ものを食べるということです。

具体的には、パンであれば白パンではなく「全粒粉」をつかったパン、ご飯であれば白米ではなく玄米を食べること。

じゃがいもは消化の速いでんぷんのかたまりですのでなるべく避ける。

野菜や果物・豆類をとると消化されるのに時間がかかるのでよいです。

加糖された炭酸飲料水・清涼飲料水は血糖を急速に上昇させるので飲まないほうが妊娠しやすくなります。


以上、今回は炭水化物についてお話しました。

次回は「脂質」についてお話したいと思います。


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赤ちゃんを授かるヒント、第13回目は「妊娠と鍼灸」です。

前回はなかなか妊娠しない方が受けたほうがよい検査のお話をしました。

この検査はもちろん西洋医学の考え方に基づいて妊娠しない原因を調べるためものです。

では、東洋医学ではなかなか妊娠しないという状態をのはどのように考えるのか。

漢方薬の時にもお話しましたが、東洋医学では体の状態について次の3点を見ていきます。

1.体質は虚証か実証か

2.うまく働いていない内臓は「脾臓」か「肝臓」か「腎臓」か

3.体を動かす物質の1つである「血」は不足あるいは過剰になっていないか

これらの点に問題があれば、それがすなわち原因であると考えるのです。

これは同じ東洋医学の治療法である鍼灸も一緒です。

そしてその原因に対し、鍼灸では経穴(=ツボ)にはりやお灸して原因をとりのぞき、結果妊娠しやすくするというわけです。

では、経穴にはりやお灸をすると具体的にどうなるのか。

経穴は、体を元気にする源である「気(き)」が出入りする皮膚上のポイントです。

この気は体に入ったあと「経絡(けいらく)」という決められた道を通って体中をめぐります。

この経絡は基本的に12本あってそれぞれの経絡は特定の内臓と深く結びついています。

ですから、経絡の名前はその結びつきの強い内臓の名前がついています。

例えば、胃と結びつき深い経絡は「胃経」、肝臓と結びつきが深い経絡は「肝経」といった感じ。

経穴にはり・お灸をすると、この経絡を通る気を介して内臓に変化を起こすことができるのです。

つまり上記の2.にあるようなうまく働いていない「脾臓」や「肝臓」や「腎臓」を気によって働かせることができます。

その結果、体の中がバランスよく動くようになり1.の虚証(体力が落ちている状態)や実証(体の中の動きが滞っている状態)も改善されます。

さらに、3.の血は気によって体内で生成されたりうまく循環できるようにしてもらっているので、適切な刺激による気の変化は血の不足や過剰も解決してくれます。

このように、鍼灸は経穴という気へのアクセスポイントに刺激を入れることで、体質・内臓の不具合・血の過不足を変化させ、妊娠しやすい体を作ることができるのです。



以上、今回は妊娠と鍼灸についてお話しました。

次回は「妊娠と食生活」についてお話したいと思います。


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