こんにちは。
行徳の訪問マッサージ師 田口です。
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脳出血を発症したWさん(60代女性)は後遺症が重く、寝たきりとなっています。
先日Wさんのお宅へ訪問した時に、ご主人がこう話していました。
「最近年のせいか、持ち上げるときに重たく感じるよ」
力任せの介助は年齢に関係なく、しんどいものですよね。
特に寝たきりの患者さんの場合、介助者は患者さんを「持ち上げる」という意識が強く働きます。
もちろんそれは、間違いではありません。
しかし介助は毎日のことなので、力任せにしていると、疲労が溜まってきます。
それを防ぐには、良い意味で楽をすることも大切です。
楽をするには、少しだけ患者さんに協力してもらえば、簡単にできます。
これには特別な技術は必要ありません。
介助するときに、次の動作を具体的に教えます。
そしてかけ声とともに、患者さんと動きのタイミングを合わせることです。
意識がない状態の人を運ぶときは、とても重たく感じます。
例えば、泥酔して歩けない人や、行楽地で疲れて眠った子供を運ぶときなどを想像してください。
軽い人や子供でも、意外と重たく感じます。
意識がない人とは、コミュニケーションが取れません。
その人の重さの矢印が、”下”方向へのみかかってしまいます。
下へ向かっている矢印を上へ持ち上げるのですから、重たく感じる訳です。
一方、しっかり意識がある人の場合は違います。
体は自分で動かせなくても、自分が持ち上げられるという”上”への意識はできるのです。
意識の矢印が上へ向かう分、介助する側とされる側で矢印の方向が重なります。
そのため、重さが軽減されるのです。
ですので、患者さんに次の動作を具体的にイメージさせる声かけは、大切なことなのです。
「今から体を起こしますよ」
「一緒に立ち上がりますよ」
具体的な動作を指示すれば、患者さんはどの方向に体を使うか想像できます。
その上で、「せーの」などとタイミングを合わせて一緒に動きます。
すると患者さんも、その方向へ意識を向けてくれるものです。
患者さんの意識の矢印が進行方向へ加わる分、介助者の負担は減るのです。
ご家族の介助は、毎日のことですからね。
雑に扱うという意味ではなく、少しでも楽な方法で介助することも大切です。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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