こんにちは、行徳の訪問マッサージ師 田口です。
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人は脳卒中を発症すると、多くの場合に後遺症が現れます。
中でも、体の右(or左)半身が麻痺してしまう片麻痺(かたまひ)は、脳卒中患者さんの大多数に見られる症状です。
麻痺の代表例が、運動麻痺です。
体が動かしづらい、あるいは、まったく動かせなくなることですね。
それと同時に、体の感覚が鈍くなったり、痛みやしびれなど感覚に関する症状が起こることもあります。
これを『感覚麻痺』あるいは、『感覚障害』と言います。
感覚に関する神経は、運動神経とほぼ同じ経路を走っています。
そのため麻痺になると、運動障害と感覚障害が同時に起こることが多くなります。
脳出血を発症したKさん(70代男性)は、右片麻痺の後遺症がある患者さんです。
そのため、右手はご自分の意思では動かせません。
また同時に、痛いと感じる感覚も失ってしまいました。
ところが先日、珍しく興奮した口調で話してくれました。
「最近、”こっち”が痛いと感じるようになってきたんだ」
Kさんの言う「こっち」とは、麻痺側の腕のことです。
特に肘から指先にかけては、何も感じませんでした。
それが、少しずつ感覚を取り戻してきたのです。
ただし「痛い」という感覚ですけどね。
一般的に「痛い」と感じることは、良いことではないですね。
誰もが痛い思いは嫌なものです。
しかし脳卒中のリハビリにおいては、痛いと感じることは、必ずしも悪いことではない場合があるのです。
前述のとおり、感覚の神経は、運動の神経とほぼ同じ経路を走っています。
ですので体を動かすことにより、感覚神経も刺激されるのです。
つまり、一つの回復段階と言えるのです。
しかも驚くことに、Kさんは脳出血を発症して4年以上も経っていることです。
私が訪問するようになってからも、3年が経過しています。
その間に様々なことを行い、体を動かしてきました。
足は少しずつ動き始めたものの、手は未だに自分の意思では動かせません。
しかし、手もずっと動かし続けてきました。
ずっと動かし続けた成果でしょうか、最近になって失われていた感覚が戻ってきているのです。
こういう話を聞くと、私も嬉しいですね。
ただし、ご本人にはちょっと辛いかもしれません。
回復だろうが何だろうが、「痛い」ことには変わりませんからね。
感覚神経の回復は、なかなか難しいものです。
リハビリをすることで、必ず回復するとは言い切れないからです。
しかし今回の件は、地道に動かすことが大切という良い例ですね。
脳卒中で片麻痺からの回復事例は個人差があり、驚かされることも度々です。
発想の転換も、時には必要かもしれませんね。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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