こんにちは、行徳の訪問マッサージ師 田口です。
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その昔、脳卒中のリハビリにおける基本的な概念は、以下のようなものでした。
残された機能を訓練し、日常生活を過ごせるようにする。
例えば、利き手が麻痺してしまったときを想像してください。
右利きの人が右片麻痺になってしまった場合、日常生活はとても不便になります。
この場合、”残された機能”は左手を表します。
ですので、左手を訓練してうまく使えるようにするという考え方が、脳卒中のリハビリでは主流でした。
しかし時を経て、概念そのものが変わってきました。
脳に『可塑性』(かそせい)があることが判明したからです。
可塑性とは、状況に応じて柔軟に役割を変える性質のことです。
この可塑性によって、一旦失われた脳の機能でも、適切なリハビリで神経回路を回復・再生できるのです。
脳卒中でダメージを受け死滅した脳細胞は、二度と再生されません。
そのため、死滅した神経細胞が持つ機能も失われてしまいます。
しかしリハビリによって、脳自体も鍛えられます。
死滅した細胞周辺の脳細胞が、本来の働きとは別に、新たな神経ネットワークを築くようになります。
その結果として、死滅した脳細胞の役割を代行するようになるのです。
これが脳の可塑性の持つ意味です。
例えて言うなら、こんな感じです。
A地点からB地点まで行く幹線道路が、事故で通行止めになってしまいました。
しかし、その幹線道路の周囲にも道はあります。
それは細い道かもしれません。
幹線道路よりも、遠回りになるかもしれません。
ただこれらの道路をうまく使えば、B地点まで行く最低限の目標は達成できるのです。
十分、幹線道路の代用になりますね。
人間の神経細胞は、一本の状態で直列につながっている訳ではありません。
あちこちに複雑なネットワークを形成しています。
そのため例え一部分が損傷したとしても、その周りの神経細胞が、新たなネットワークを形成します。
この新たなネットワークが損傷箇所の機能を持つようになれば、失われた機能の回復ができるのです。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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