その後、発行年月が2023年8月の「サステナビリティデータブック2023」が、「サステナビリティ>報告書ダウンロード」のページにて、ひっそりと公開(AGCホームページのトップページのニュースリリースには公開の旨は非掲載)された。
このデータブックの74ページに「男女の賃金の差異に関する実績」が新たに設けられたものの、以下の情報のみであった。
年 |
管理職(課長以上) |
管理職以外 |
2022 |
98.7% |
81.1% |
※ 正規社員を管理職と管理職以外に分けたときの差異
厚生労働省が作成しているこの情報公表義務に関する周知リーフレット(女性の活躍に関する「情報公表」が変わります)に説明があるが、
「全労働者」「正規雇用労働者」「非正規雇用労働者」の区分での公表が必要である。
しかし、AGC株式会社では、「全労働者」「正規雇用労働者」「非正規雇用労働者」の3区分で公表していないのである。
厚生労働省雇用環境・均等局雇用機会均等課が作成している、女性活躍推進法に基づく「男女の賃金の差異」の公表等における解釈事項についてでは、問8(12ページ)での(答)になるが、
「男女の賃金の差異」の情報公表は、企業間の比較可能性の観点から、公表区分について、少なくとも、正規雇用労働者、非正規雇用労働者、全労働者の3区分を必須としている。したがって、正規雇用労働者のうち「総合職」のみの「男女の賃金の差異」を公表しても、法律上の義務を果たしたことにはならない。
とある。
よって、AGC株式会社は「全労働者」等この法律で定められた3つの公表区分で男女の賃金格差を公表していないのであるから、法律上の義務を果たしたことにはならないといえる。