父がくれた「病院でのコンサート」というギフト | 魂と共鳴するピアニスト 千代音のブログ

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インスピレーションで見えるもの見えないものを描き奏でる、ピアニスト、アーティスト。
音色、言葉、対話、アートを通じて、ご縁ある方の魂の声と寄り添いながら、人生の豊かな変容、変革のお手伝いをしています。

こんにちは。


千代音です。



前回の投稿では、


これからの未来をつくる


可愛いらしいちいさないのちたちとの


音の響きあいのひとときを


シェアさせていただきました。



そして、その6日後は、


これまで長い人生を歩まれてきた


人生の大先輩たちと


ピアノで共鳴する機会をいただいてきました。



以前、ブログにも書きましたが、


私の父は、一昨年の12月に脳出血で


倒れてから、翌年4月、6月と発作を繰り返し


脳の様々な場所にダメージを受けたため、


今は茅ヶ崎の高台にある療養型病院で、


栄養やお風呂、排泄全て、全介助のかたちで


お世話になっています。



コミュニケーションは、今は、


ほぼとることができません。



わずかな目の動きや、


あぁ、という声から、


何か感じ取ってくれているのかな、と


家族の私たちが受け取る、というかたちです。



ここに至るまでに、


本当に何度も涙しました。



発作が起こるたびに、


また、それ以外のアクシデントもあり、


その度に危篤と言われて、


息ができない思いも何度もしました。



今年の一月に今父がいる病院に


転院が決まり、それでも、


環境が変わるというのは、


父にとって大きなリスク、


私自身がとても怖かったのを覚えています。



でも、転院のタイミングで


父が可愛がって仕方なかった


孫(私の娘)たちと対面させることができて。




そして、病院ときっと相性があったのでしょう。


病院のスタッフの方々にも


本当によくしていただき


父は今も生きてくれています。



その病院なのですが、


転院の面談をする際に、


係の方に案内していただいたお部屋に向かうとき


大きなグランドピアノを見つけたのです。



三階建の青空の見える吹き抜けの空間に


光に照らされたグランドピアノ。







係の方にきいたところ、


残念なことにあまり活用されていない様子。



ふと、


「ここでピアノを弾いて、壁伝い、


空気伝いでもいいから、父にピアノの音色を


届けられたらいいな」と思ったのです。



父が転院した際に、看護師さんに


そのことを再び聞いたところ、


「ぜひ弾いてください」とのこと。



そのときは口頭でお話したまででしたが、


音奏での友人の助言もあり、


再び、改めてピアノのことで


問い合わせをしたところ、


「ちょっと弾かせていただく」つもりが、


するすると、


病院の入院患者さんと


デイサービス利用者さんの前で


コンサートをさせていただくことに。



この病院の利用者の方々は、


私の両親とほぼ同世代。



父は、車椅子に座らせたり、


移動したりする度に、血圧の変化など、


いのちに関わるリスクがあると、


先生から聞いていたため、


父がコンサートに同席するのは難しいと


聞いていて、そのため、あとで、


録画したものを後日の面会で


父に聴かせられたらと考えていました。



そして迎えたコンサート当日。


病院のスタッフの方々が、ピアノの前を


コンサート用に席を整えてくださっていました。



着替え用の控え室として、


十分すぎる広さの打ち合わせ室を


使わせてくださいました。



そして、なんとなんと、


同席は難しいと思っていた父が、


午前中から病院の主治医の先生、


看護師さん、リハビリ師さん総動員で、


父がコンサートに同席できるように


準備して動いてくださっていたのです。



約1時間のコンサート、


父が同席できたのは30分ではありましたが


最前列で、母のすぐ近くで、聴いてくれて、


父が倒れて、この今に至り、


病室での面会ではなく、


コンサートというかたちで、


音のなかに両親と同じ時空にいられること、


病院のスタッフの方々の


お心遣いはもちろんのこと


天の導きに、


本当に本当に有難いと感じていました。



今回演奏したのは、


灯台守、月の砂漠、冬景色、早春賦、ふるさと 


などを即興メロディをいれながら演奏しました。



どれも父も母も好きで、


昔から家で流れていたメロディ。



きっと、聴いてくださっていた方々も、


聴きやすい懐かしいメロディではないかなと。




コンサートの中盤では、


今ここにあるいのちに感謝をこめて


鍵盤ハーモニカで


Amazing graceのメロディを奏でました。




ゆうきんで、あふれてきた 


いのちのメロディとともに


うたい奏でました。





写真は、スタンドで定点で


ビデオ撮影したものからのため、


父は写っていませんが、


父を含め、車椅子の方々が何人も


看護師さんやリハビリ師さんと共に


右側のほうで聴いてくださっていました。



ピアノからは、見上げれば、


三階の吹き抜けの、


2階や3階で聴いてくださっている方々の


お顔を見ることもでき、


青い空をあおぐこともできる場所。



療養型病院という性質上、


ここで旅立たれるいのちも多い場所。



見えるいのちの存在、


見えないいのちの存在、


どちらも感じながら、


すべてのいのちに敬意をこめて


そして、ここで音を通じて


ひとつに繋がれる機会への感謝をこめて


無になって今ここを奏でました。



演奏が終わり、


なかには、涙を流しながら


聴いてくださった方もいらして。



聴いてくださった方々のなかには、


お話ができない方も多いなかで、


でも、眼差しから、その存在から、


そこにある空気から、


言葉にできないものを沢山受け取りました。



有難いです。



これも、父が生きてくれているからこそ


経験できているギフト。



いのちの可能性は無限大。


それは、天に還るその瞬間まで。



そして、奇跡は今ここにある。



あなたのなかにも


わたしのなかにも






最後まで読んでくださって、

ありがとうございます。


あなたの心の中に

いつも穏やかで心地よい風が

流れていますように。


愛と感謝をこめて

千代音

 

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