すでに旧聞になった2021衆院選の結果を今さらながら振り返ってみる。選挙は国民の選択結果であるため、失笑という扱いではない。無党派の拙者は、いきなり政権交代より与野党それぞれの主張を尊重しあう「与野党拮抗」状態が望ましいと考えるが、今回はちょっと残念な結果だったかなと思う。しかし、結果は結果。
自公の踏ん張りと立憲の失速
今回の選挙で自公は小選挙区で−20、比例で+8となり、トータルで−12と予想された大敗ではなく微減で踏みとどまったと言える。五輪やコロナ関連で批判されたワリには安定感が求められたということか?
一方で野党第一党の立憲は、小選挙区で+9、比例で−23トータルで−14議席と比例で厳しい状況になった。今回の選挙で話題となった野党共闘は小選挙区で一定の効果はあったものの、比例で立憲が後退してしまった。これは、立憲が共産党と選挙協力したことへの共産アレルギーが影響して票を減らしたと言われている。もしかしたら、Dappi君のような与党系工作員によるネガキャンの影響だったかもしれないが(笑)
共産党を忌み嫌う連合への不要論
最近の政党で最もダイナミックに変わったのが日本共産党と評価している。以前は、小選挙区でむやみに候補者を擁立するため、野党系の得票が分散され他の野党からは迷惑だと言われる存在だった。そういう批判を聞き入れた共産党が大英断し、立憲と選挙協力するとは予想できなかった。ちっぽけな党利党略を捨て、政権交代を目指してここまでダイナミックに変われる政党は他にはあるまい。ところが共産党と選挙協力した立憲へのバックアップを見直すと脅しを入れた組織があった。連合(日本労働組合総連合会)である。
>共産系の労組が大企業や経営者を敵視して激しい労働運動を展開してきたのに対し、連合は労使の話し合いを重視する「民主的な労働運動」を掲げてきた
日本共産党と長い対立関係にある連合は、支援してきた立憲が大嫌いな共産党と協力したのが面白くなかったということだろう。連合の感情を分かりやすく表現すれば「嫌いなB子ちゃんと遊ぶA子ちゃんなんて大嫌い。もう遊んであげないから!」という感じかな。
「あり得ないことはあり得ない」という頑なな態度の連合は脳みその硬直化が激しいのではないか?共産系労組が「激しい労働運動を展開してきた」というのはずいぶん昔の話である。連合は日本共産党が躍進すると、紅衛兵がやってきて大切な経営者様をシバきあげるとでも思っているのか?柔軟性を欠いた時代錯誤な感覚から野党の対立を煽ることは、価値観の違いから内ゲバを繰り返した全学連のセクト争いのような器の小ささを感じる。「木を見て森を見ず」的な視野狭窄ではなく、もう少し大所高所から物事が考えられないのだろうか?
非正規労働者層に冷淡な連合の存在価値は?
連合が掲げる「民主的な労働運動」とやらで賃上げを自主的に抑制してきたことが敬遠され、労組の組織率は平成のはじめ頃から長期低落傾向にある。
そもそも連合は大企業の正社員と公務員のための組織であり、賃上げはポーズばかりで基本的には経営側との馴れ合いの関係だった。他方で労働ヒエラルキーの末端階層たる非正規労働者層には冷淡で、仕事があっても低賃金のいわゆるワーキング・プア問題を放置してきた。また、日本の平均賃金が押さえ込まれたまま30年間も無為に放置してきた。その無責任さから連合の存在価値に疑問が持たれ不要論さえあるぐらいだ。
ストを打つ気概がない「物わかりがいい」連合は企業にとって大切な組織である。反対に、非正規労働者などの労働ヒエラルキーの末端階層に理解を示してきたのが共産党と言える。大企業の正社員と公務員のために働く連合が共産党と相容れないのは必然であろう。
聞き分けがいいことを美徳と勘違いする「肉屋を支持する豚」を見過ごしてはならない。ストの1つも打てない労組など存在価値などないのである。
大阪維新躍進の謎
今回の選挙で躍進したのが大阪維新で、小選挙区で+13、比例で+17、トータルで+30と首をかしげるほどの躍進ぶりだ(笑)大阪の小選挙区では、維新が15選挙区で全勝の一方で自民党は15選挙区で全敗という極端な結果に。大阪維新が反自民の受け皿になった結果だろうが、結果が極端に出る小選挙区制度の特性だろう。所詮、第2公明党と揶揄される政党だから自民を落としてもさほど変わらないという冷めた見方もあるようだ。
大物議員の落選と世代交代
今回の選挙でサプライズの目玉(笑)は、自民党幹事長の甘利明が選挙区で落選したことだろう。選挙を取り仕切る現職幹事長という立場で落選したのは前代未聞というか前例がないことをやってのけた。甘利明はあっせん利得処罰法違反容疑などで告発されたものの不起訴となったが、ヤルヤル言いながら一向に説明責任を果たさない不真面目な態度に鉄槌が下されたのだろう。
もうひとつのサプライズは石原伸晃の落選。比例復活もなく、派閥の領袖が落選した“石原派”はどこかの派閥に吸収されるらしい。普段はエラソーな議員サマも「落選すればただの人」という悲哀を感じる。毎月100万円が使い放題な文書交通費ももらえなくなるわけだ。余計なお世話だが、議員職だったときの金づかいの荒さが直ればいいが。ちゃんと確定申告をやるんだぞ。脱税すんなよ(ドリフ調で)。
選挙制度を見直すべき時期に
自民党の若宮万博担当大臣、平井デジタル大臣、桜田五輪担当大臣など大臣経験者が続々と落選。これらは野党の選挙協力の効果が出た選挙区なのだろう。野党でも、盤石だったはずの小沢一郎、民主党代表だった海江田万里らが選挙区で敗北したのも「潮目が変わり始めた」兆候かもしれない。選挙区で落選してもほとんどの大物議員が比例復活当選する仕組みはいかがなものか、と選挙のたびに思うのだが。
1選挙区から1人しか選出されない小選挙区制度は、次のような基本的な問題を抱えている。
・落選者に投じられた死票の割合が大きくなる
・少数派の意見が代表されにくくなる
・小政党の存立がほとんど不可能になる
言うまでもなく、チャランポランなNHKなんじゃら党は落とされて当然だが、真面目な小政党や少数意見を救う仕組みが必要だろう。今の大政党が大政党のために作った制度ではダメなのである。選挙制度の改善が求められる。
若い世代ほど自民党に投票する傾向?
少し驚いたが、若い世代ほど自民党に投票し、世代が上がるほど立憲に投票する傾向があったという。今までは若者が野党に、年代が上がるほど与党に投票すると思っていたのだが逆らしい。
今どきの若いもんは……というより、社会生活の経験値が低い若者世代は「よく分からないが数が多い方がいいだろう」的に投票しているように思う。それとも、昭和を知らない世代である30代以下の層が、現状の世相を肯定的に受け止めているのか?だが、社会生活の経験を積むに従って生活と政治の関係を理解できるようになってもらいたいものだが…。
結果は結果として受け止めるにせよ、果たして日本はどこに向かって行くのだろうか?
Ah!……let it be……























