冬めく【SSL】 | 千歳日記

千歳日記

この先にある未来を…

たとえどんな未来でも私は見届けてみせる

最後まで…必ず

11月に入り、立冬も過ぎ、冬らしい気候になりました。

今回は秋らしさが少く感じました。

暑い日が続き、動くと汗ばんでしまうくらいだったのに、今は寒くて寒くて…。

(もう無理…寒い)

この季節になると、男子であったら良かったのにと思います。

何故ならスカートがスカスカして寒くて…。

(かと言って着膨れするのもかっこ悪いしな。)

しかし、この世には便利なモノがあります。

それは貼るカイロです(笑)

スカートの裏に貼れば見えないし、何よりもあたたかいのです。

(貼るカイロを開発した人にマジで感謝!)

「千歳寒くねぇのかよ?風邪引くなよ。」

「うん、平気。平助くんありがと。」

カイロのあたたかささは、朝から夕方まで続きます。





「平助くん、部活の日誌を土方先生に提出してくるから、先に行ってて。」

「おう!下駄箱で待ってるからな」

「行ってらっしゃい、千歳ちゃん。平助は待たなくて良いよ♪」

「うぉ!総司痛え!腕捻るなつーの!」

何時もの漫才(?)を後にして、私は職員室へと向かいました。





「失礼します。土方先生、日誌をお持ちしました。」

「雪村か?ご苦労さん。最近部活に顔も出せねぇで悪いな。」

くわえタバコの土方先生が、何時もの無愛想な顔で出迎えてくれました。

「いえ、お忙しいようですから…無理して風邪など引かないように、お体気をつけてくださいね」

「風邪引く暇もねぇよ…。雪村こそ風邪引くなよ。足が寒いだろうが」

「大丈夫です!お気遣いありがとうございます。あの…何かお手伝いしますか?」

「大丈夫だ。総司と平助が待ってるんだろ?早く行ってやれ。」

(たぶんその沖田先輩と平助くんの事でピリピリしてる…と思う。土方先生は苦労性だな。)

「はい、お先に失礼します!」

くるりと踵を返した瞬間

ポトッ

「雪村何か落とし…た…ぞ」

「へっ…あーっ!」

土方先生の手には剥がれ落ちた貼るカイロが…

「くっくっくっ…女の舞台裏も大変だな」

体が一気に熱くなり、嫌な汗が出てきました。

「あっあっ…すっすいません!」

「ふっ…雪村は湯たんぽって感じだな。ほら、トイレで貼り直して帰れ。もう落とすなよ」

「はいぃ…」

(恥ずかしぃぃぃ…)

寒いから一転、私は恥ずかしさで暑いくらいになって帰ったのでした。