『お前が相手に何かを感じたのなら、それはお前自身が鏡になっているという事になる』
私が何かを目にして発した言葉に返ってきた、土方さんの言葉。
その意味を手探りで探し、自分なりに理解していたつもりだったけど、ようやく意味がわかった気がする。
誰かが私に向ける言葉も私に対する態度も、全ては己が仕向けたもの。
私が優しくあれば人も私に優しさを与え、誰かを強く憎めば私は誰からも愛される事はない。
あの日貴方が絞り出すように吐き出した呪いのような言葉は、私の心の中にもあったものだ。
「同じ夢を見ていたはずだ」
「あの人の為なら、どんなことだって出来ると思ってた」
「なのにどうして俺はここにいるんだ?どうしててめぇだけ助かってんだよ?」

私も貴方達と同じ夢を見たかった。
叶うはずないと思いながら、ずっと願い続けていた。
だから苦しくて
だから悲しくて
だから悔しくて
自惚れだと言われてもいい。
貴方の心の痛みがわかったから、そのすべてをこの身に引き受けられたらと思った。
でも私は無力で
何も出来ない子供で
私だけが女で
私は貴方の背中にすがり、一緒に泣く事しか出来なかった。
今の私の姿を見たら、貴方達はなんと思うだろう。
「相変わらず間抜け面してるんだね」
「息災で何より」
「ちっとは成長したんじゃねぇか?俺から見たらまだまだ半人前だがな」
そう言って鼻で笑うに違いない。
だから何時か再会出来た時に貴方達が笑ってれるよう、私は心穏やかでいよう。