鏡 | 千歳日記

千歳日記

この先にある未来を…

たとえどんな未来でも私は見届けてみせる

最後まで…必ず

ずいぶん前のような気がする。

『お前が相手に何かを感じたのなら、それはお前自身が鏡になっているという事になる』

私が何かを目にして発した言葉に返ってきた、土方さんの言葉。

その意味を手探りで探し、自分なりに理解していたつもりだったけど、ようやく意味がわかった気がする。

誰かが私に向ける言葉も私に対する態度も、全ては己が仕向けたもの。

私が優しくあれば人も私に優しさを与え、誰かを強く憎めば私は誰からも愛される事はない。

あの日貴方が絞り出すように吐き出した呪いのような言葉は、私の心の中にもあったものだ。

「同じ夢を見ていたはずだ」

「あの人の為なら、どんなことだって出来ると思ってた」

「なのにどうして俺はここにいるんだ?どうしててめぇだけ助かってんだよ?」


私も貴方達と同じ夢を見たかった。

叶うはずないと思いながら、ずっと願い続けていた。

だから苦しくて

だから悲しくて

だから悔しくて

自惚れだと言われてもいい。

貴方の心の痛みがわかったから、そのすべてをこの身に引き受けられたらと思った。

でも私は無力で

何も出来ない子供で

私だけが女で

私は貴方の背中にすがり、一緒に泣く事しか出来なかった。










今の私の姿を見たら、貴方達はなんと思うだろう。

「相変わらず間抜け面してるんだね」

「息災で何より」

「ちっとは成長したんじゃねぇか?俺から見たらまだまだ半人前だがな」

そう言って鼻で笑うに違いない。

だから何時か再会出来た時に貴方達が笑ってれるよう、私は心穏やかでいよう。