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師走に入り息をするのも忘れるくらいの慌しい毎日を過ごしています。
何かに熱中している時は、寒さなど忘れてしまえるものなのですね。
時折ちらちらと降る雪を見上げながら一息つくと真っ白な息が立ち上り、また冬が来たのだと強く実感します。
師走は私の運命が狂い始めた月。
そして新たな始まりへと続く月。
好きな月は何か…ですか?
う~ん…難しい質問ですね(苦笑)
季節により良いところも悪いところも、好きな面も悪い面もありますから。
この月が特別というものもありませんし…そうですね…う~ん…
……
………
答えは…なんでしょうね?(笑)
好きとは少し違いますが、師走最後の日から年が明けて新年を迎える瞬間というものは、なんとなく特別で不思議な気持ちになります。
私はいつも一年を振り返り足りなかった事、出来なかった事、満ち足りた事、達成出来た事、それらを思い起こしながらその時を迎えます。
足りない事の方が多いのでかなりの焦りを感じますが、なんとか心を落ち着けて今の自分を静かに見つめ直し、次の年こそは…と一人心に誓います。
一年の中で節目の日は何度も訪れますが、こんな感覚や気持ちを味わえるのは師走の時だけです。
時が過ぎてしまえば、師走が一番満ち足りた月と言えますね。
だから答えは師走…かな(笑)
師走は別名『春待月』と言います。
空から舞い降りる白く美しい結晶を見つめながら私は遠くにある春を待つ。
空に舞う白い華はきっと浄化の証。
だから…あの夜も雪が降っていた。
闇に堕ちた魂が安らかに眠れるようにと…。
血染めのその手がいつか春を掴めるようにと…。
もうすぐ年が明けます。
来年も笑顔のあなたにたくさん会えますように。
そして…新年を迎える喜びのあまりに騒ぎ出し障子を破って怒鳴られるとか、病人じゃあるまいしじっとしていられないとか言って調子が思わしくないのに稽古し始めて怒鳴られるとか…そんな事がありませんように(苦笑)
春待月最後の夜はそんな願いを込めて、日記を閉じようと思います。

皆さまよいお年をお過ごしください。
雪村 千歳