上機嫌 | 千歳日記

千歳日記

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歌を歌う時?


あぁ…気持ちの良い時とか、ついつい鼻歌を歌ったりしますね(笑)


お天気の日にお洗濯している時とか、あたたかい陽射しの中でお掃除してる時とか。


あとは仕舞い湯に入ってる時…誰かが来るかもしれないなんて事を気にせず、のんびりとお湯に入れますから。


歌は人の心を左右させます。


楽しい歌を聞けば楽しくなり、悲しい歌を聞けば涙が零れる。


良い歌は人の心を震わせ、永遠に語り継がれ消える事はない。


そして人の心に美しい花を咲かせるのです。


そうそう…


あの人も【歌を詠う時】は上機嫌な様子です。






「失礼します。雪村です。お茶をお持ちしました。」


声をかけたものの返事がありません。


(留守…かなぁ?)


一呼吸置いてから、そっと襖を開けて中の様子を伺ってみました。


「…土方さん、雪村です…けど?」


部屋の中に土方さんはいました。


しかし短冊と筆を手にした土方さんの耳には、私の声などひとつも届いていない様子で…


(どうしよう…穏やかな顔で笑ってる)


土方さんは机の上の梅の花を見ながら、小声で何か呟いています。


(これは…邪魔をしてはいけない気がする)


「失礼いたしました。」


小声で呟くように挨拶を済ませ、そっと襖を閉めて部屋から離れました。


(…うん…見なかった事にしよう)


いつも忙しくしている鬼副長の貴重な至福の時間を壊してしまうのは、申し訳ないですから。






でもその貴重な時間は失われてしまったようです(苦笑)。


数分後、いつもの怒鳴り声が屯所中に響き渡りました。


(ふう…お茶をお持ちしようかな)


相変わらずな日常の風景に、つい笑みが零れてしまいます。


私は鼻歌を歌いながら勝手場へと足を運ぶのでした。