今回の旅の最終目的である『護王神社』に到着です。
護王神社は蛤御門の斜め向かいにあります。
護王神社に祀られているのは【和気清麻呂】【和気広虫姫】の姉弟です。
和気清麻呂は奈良時代末期から平安時代初期の貴族です。
和気清麻呂は四十八代【称徳天皇】に重用されていた怪僧【弓削道鏡】が皇位につけば天下は安泰するという御神託の真偽を確かめるため、宇佐八幡宮に参宮しました。
宇佐八幡宮でいただいた御神託は『天の日継は必ず帝の氏を継ががしめむ』
要約すると『天皇の地位には必ず皇位の者を立てなさい。臣下の者が君主とする事は出来ない。そんな不届き者は追放しなさい。』
和気清麻呂はこの御神託をそのまま天皇に報告しました。
姉の広虫姫はその報告を大変喜びましたが当然皇位を狙っていた道鏡は怒り、姉の広虫姫共々流罪に処されます。
その後称徳天皇が崩御され、四十九代【光仁天皇】が即位されると道鏡は左遷、清麻呂と広虫姫は罪を解かれ名誉も回復し都に戻る事になりました。
…やっぱり悪事を働くと必ず神罰が下るという事ですね。
この後清麻呂は平安京遷都の立役者の一人となりました。
姉の広虫姫は身寄りのない子供達を自分の子のように育てるなど、大変慈悲深いで【子育明神】と称され育児の神様として信仰されています。
まさに児童福祉の先駆けと言える人です。
この神社では狛犬ならぬ狛猪がいます。
猪
なぜ狛猪なのか?
清麻呂が流刑にされた時道鏡が仕向けた刺客に襲撃されましたが、突然の雷雨で難を逃れる事が出来ました。
しかしその時に足に怪我を負ってしまいます。
実直な清麻呂は皇位安泰を願うため、その足で宇佐八幡宮へと向かいます。
その時三百頭もの猪が現れ、清麻呂の前後を警護したといいます。
無事宇佐八幡宮に到着すると猪はどこかへ立ち去り、清麻呂の足の傷も不思議と治ったそうです。
だから護王寺には足腰の御守があります。
足腰が弱くては彼らの背中を追いかける事など叶いませんし、当然私の目標も夢も叶える事は出来ません。
またいつの日か京市中をのんびりとめぐる日に思いを馳せながら、今回の京めぐりの旅はおしまいとさせていただきます。