二月九日、十日の二日間に渡り、京の街を一人でぶらりと散策してまいりました。
【ばす】という鉄の馬で市中を巡ります。
まずは昼餉。
池田屋騒動の跡地『池田屋 はなの舞』です。
幕末の時代、旅館だった池田屋が今現在は『海鮮茶屋 池田屋 はなの舞』になっている事をご存知の方はたくさんいらっしゃいますよね?
夜はげーむ薄桜鬼のこらぼめにゅーが用意され、伽羅のかーどがいただける事もご存知ですよね?(二千十二年二月現在の情報)。
夜に出かけたいのは山々ですが、良く知らない土地で一人夜出歩く事は大変危険だと十分体感しておりますので(苦笑)、お昼のうちにこちらにお邪魔する事にいたしました。
それに『本当は夜に行きたい』と洩らしたら、案の定周りの人達に全力で引き止められました(溜め息)。
以下はすべて池田屋おりじなるのめにゅーの名称です。
お昼は予約制、四人の隊士らんち【近藤勇】【土方歳三】【藤堂平助】【斎藤一】の他【池田屋弁当】
夜は新選組コース【近藤勇】【土方歳三】【沖田総司】【斎藤一】の他【飲み放題こーす】があります。
…原田さんと永倉さんのお名前がありませんね。
えっと…きっと【飲み放題こーす】が原田さんと永倉さんのこーすに当たるんですよね!
それか【隊士かくてる】の方に名を連ねていたのかも。
そう言えばかくてるのお品書きの中に、下戸用のかくてる(のんあるこーる)【糸里】と【千鶴】というものがありました。
しかしのんあるこーるのお酒は正直不味…
いえ!なんでもないです!
私はほとんどお酒が飲めない、少量のお酒で潰れる人間だからお酒の味の良し悪しなんて本当にわからないんです(汗)
そうそう!店内には薄桜鬼伽羅の張り紙が、所狭しと飾られていました。
今回は隊士らんちをいただきました。
場所はしっかりと憶えたので次回は入念に計画を練り、夜に出かけようと思っています。
池田屋で一時間ばかりのんびりした後は百万遍へと移動です。
次の目的は京の金平糖専門店、『緑寿庵清水』です。
私がお邪魔した九日は、何かの取材を受けている様子でした。
玄関先で撮影をしている風景を横目に暖簾をくぐると、中ではお店の方が取材を受けている最中でした。
取材の受け答えをそっと聞きつつ、数種類の金平糖に目移りしながら店内を見て回ります。
金平糖の核となるイラ粉を二週間ばかり釜で転がす事で、あの星のような突起(イガ)が出来上がるようです。
そしてどうやら大量生産は出来ない様子。
故に小さな袋の金平糖は【お一人様五個まで】とされていました。
目移りしつつ、今回は檸檬と蜜柑の金平糖、それから桃の節句にちなんだ桃の金平糖を選びました。
今は比較的大きな釜で製造しているようですが、昔は今より小さな釜だったようです。
当時使用していた小さな釜は玄関横に展示されています。
予定より時間が余ったため、急遽近くにある百万遍知恩院の境内を散策する事にしました。
毎月十五日は【手づくり市】が立つ境内も、ひっそりと静まり返っています。
正しくは…
境内の工事中の音が少々煩かったです(笑)
これはおそらく紅梅の蕾です。
まだまだ小さくて固い蕾ばかりです。
しかし春の兆しはもうそこまで来ています。
先を進むと黄色い群生が目に入りました。
『いちょう?銀杏?』季節的にまったく的外れな事を思いながら、黄色の群生へと近づいていきました。
黄色い花。
【らうばい】と書いた札が下がっています。
おそらく【蝋梅】ではないかと思います。
『蝋細工のような梅に似た花』『蝋月(旧暦12月)から咲く花』というところから、この蝋梅という名がついたようです。
花柄がなく枝から直接花がついているようなので梅の仲間?と思いきや、梅とは違いロウバイ科の植物でした(梅はバラ科サクラ属)。
しばらく境内をぐるぐると回り、本日の散策は終了です。
ここからは些細な話となります。
帰りのばすに乗り込んだ時、ちょうど席が空いていたので坐ってぼんやりとしていました。
ばすが進むにつれ人が出入りし、やがて中年女性二人連れが私の前に立ちました。
一人の女性が連れの女性に私の隣の席に坐るように指示しました。
私はぼんやりとしていて、もう一人女性に席を譲るべきだと気がつくまでにたっぷり三十秒以上を費やしてしまいました(汗)。
慌てて席を立ち譲ると、女性二人は並んで楽しそうに歓談を始めました。
いくつか停留所を過ぎた頃、やっぱりぼんやりとしていた私は先ほど席を譲った女性に声をかけられました。
『おねぇちゃん、さっきはありがとう。ねぇ、そこ席空いたよ。』
他に立っていた人は数名いましたが、空いた席を見つけた彼女はわざわざ私に声をかけてくれたようです。
車内ではっきりと私を指名した上で席を指差したため他の人が坐れる状況ではなく(笑)、私は声をかけていただいた事に深くお礼を述べて席に坐りました。
『人情ってこういう事なんだろうな』としみじみと感じた一日でした。