おかめ(お亀、阿亀)とは鼻が低く、頬が丸く張り出した女性の顔、又はその仮面の事を指します。
頬の張り具合が瓶(かめ)に似ている事から名づけられたようです。
別名はおたふく(お多福)。
お多福…福が多くあるという意味から縁起物とされ、浅草の酉の市の熊手の飾りなどに使われるようになりました。
ある種の『美人』を意味しているとも言いますが…美人?美意識が変化したとはいえ…これは本当に美人なのでしょうか?
絶対に滑稽な顔としか思えないんですけど!
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この面の起源は日本神話の『岩戸隠れ』に登場するアマノウズメ(天宇受亜賣命、天餓鈿女命。芸能の女神であり、日本最古の踊り子)と言われています。
アマノウズメは八百万の神々さえも笑い出してしまうような踊りを披露したと言います。
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神様も笑うくらいなんだから…やっぱり顔も可笑しいんですよね!
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お多福は先に申したように福が多くあるという説、又は丸く膨らんだ『河豚』を『ふく』とかけたという説もあります。
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要するに顔が丸いって事なんですよね!
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ふぅ…
あの日、沖田さんが『君の顔が落ちてるよ』と言って手渡されたお多福のお面は、今副長室に飾られています。
用事を済ませるために副長室に行く度お多福のお面が目に入り、私は何とも複雑な気持ちになります。
沖田さんには『河豚みたいで君にそっくりだ』と言われるし
斎藤さんは『河豚は言いすぎだ。せめて紙風船のようにしとけ』なんて言うし
土方さんは私が膨れる度に『修行が足りねぇな』って笑うし
要約すると…
やっぱり…
私の顔が膨れてるって事ですよね!
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伊東さんが河童に似ている件よりも…人に近い分…少しはまし…なのかもしれない。
でも!納得いかない!
私には絶対に変な顔にしか見えません!
余談ですが
おたふくが『美人』とされる理由は、古代においては女性の丸く福々しい体躯が厄災の魔除けになると信じられていたからだそうです。
だったらおたふくの面は、厄除けのお守りになるって事なのかな?
今は土方さんがお多福の持ち主ですから、土方さんは災厄知らずという事になります。
いいな…厄災知らずか…。
あのお面を私が持っていたら、伊東さんお得意のきゅうりぱっく地獄から逃れられるかもしれない。
伊東さんによる『武士道と美の関連性』とかって、まったくもって意味不明な講釈も聞かなくてよくなるかも。
そう考えたら…素直に貰っておけばよかった気がしてきました。