本拠地として、また、コンサートなどの大型イベント会場として、
すっかり定着した札幌ドーム。
そのドームの建設費相当分として北海道(道庁)が毎年度、札
幌市に対して補助金を出し続けていることが先日の新聞で取り
上げられていました。

過去に、半年間は雪で閉じ込められる北海道に冬でも使える
全天候型の大型施設が必要ではないかという議論があって、
北海道も札幌市も検討した経緯があり、財政状況も勘案して
1996年に当時の桂札幌市長が建設を表明。
ただ、400億円以上の膨大な建設費がかかって、それはほと
んどを借金で賄うことにしたのですが、屋根は“ぜいたく品”の
扱いを受け、借金の返済に当たって国からの補てん、いわゆる
「地方交付税措置」の対象とはされませんでした。
もともと北海道も建設の検討をしたドームでもありますし、ドー
ムというのは道都札幌にあって全道民が使い、北海道全体の
文化・スポーツ振興に寄与するということで、北海道は交付税
措のされない屋根代100億円相当分を34年間にわたって札
幌市に補助するという取り決めがなされたのです。
その取り決めの経緯や補助金額を知らない道議会議員がいる
とか、北海道は6兆円近い借金を抱えていて“倒産寸前状態”
なのに補助を出し続けるのはいかがなものか、というのが新聞
の問題提起らしいですね。
前知事のもとで決められたことに対して高橋知事は「職員給与
を削減しているときでもあり、見直しに向けて札幌市と協議した
い」とか。
確かにドームの運営会社は、“予想に反して”黒字経営を続け
ていますし、札幌市も筆頭株主として配当を受けるまでになっ
ていますから、屋根代の取扱いについて見直しをすることは、
あっていいと思います。
ですが、その経緯や金額を知らない道議がいるというのは、恥
ずかしながら議員として勉強不足だと思いますし、知事も財政
が苦しいからカットに向けた見直しというのはどうですかね?
毎年1億や2億の屋根代を削ったって、火の車の道財政には
《焼石に水》なんですから。
それより、せっかくある道民自慢の施設なんですから、道と市
がお互いに知恵を出し合って、もっともっと利用を増やして、経
済波及効果を高めていくほうが道民のためにも道財政のため
にもなると思うのですが・・・
あまり仲が良くないとされる高橋知事と上田札幌市長ですが、
そこはトップ同士。
陽射しが強くなってきましたので、パラソルの下で2人でじっく
り“屋根代”、いや、“ドーム議論”をして欲しいものです。
