同意なき買収を契機とした「上場企業を対象としたM&A市場」が拡大期に入り、欧米のM&A市場に近づきつつあるように思えますが、日本には、欧米では一般的ではない特殊なM&A慣行が残っています。それは「仲介」です。
ご存じの通り、仲介とは、売り手と買い手の間に立って取引成立に尽力するサービスで、不動産取引の世界でも一般的なものです。
当たり前ですが、売り手と買い手の利益は必ずしも一致しません。いわゆる利益相反関係があるので、日本でも、上場企業を対象としたM&Aで仲介が行われることはほとんどなくなりました。ただ、比較的小規模な未上場会社の案件(事業承継M&Aのほとんど)では、仲介業者によって積極的に仲介が行われています。最近は仲介の問題点が取り沙汰されることが増え、上述の通り、規制の動きも報道されているようです。勿論、仲介には仲介のメリットがあるのですが、事業承継を検討する企業のオーナーや経営者は、M&Aに不慣れなケースが多い分、問題も生じやすいようです。仲介者の手数料やアドバイスの妥当性を判断することは、いわゆる「素人」には難しいので、個人的に相談できるプロの知人がいないオーナーや経営者には 悩ましいところです。