頭頸部の解剖 | 扶氏医戒之略 chirurgo mizutani

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身近で関心は高いのに複雑・難解と思われがちな日本の医療、ここでは、医療制度・外科的治療などを含め、わかりやすく解説するブログです。

頭頸部とは
頭頸部は、人が生きるうえで最も重要な部分で、首から上の頭の部分を指す。
首は頸椎という7つの骨が連なってできており、それぞれの間には椎間円板があり、首が動くようになっている。一番上の第一頸椎を環椎といい、その上に頭蓋骨が載っている。頸椎の中には中枢神経が走っているため、もしここでケガや病気等で損傷されると、下半身の自由が奪われたり、命に関わる危険が生じる。

頭蓋骨のしくみ
頭蓋骨は、生命を司る器官の脳を守る、平らな板のような形の骨で、これが何らかの理由で折れたり、くだけたりすると、脳は重大なダメージを受ける。
頭蓋骨は5種類7個の骨からなる顔面頭蓋と、10種類16個の骨からなる脳頭蓋の多種多様な骨が、複雑に結合されてできている。
一般的に男女では頭蓋骨の形が違う。男性は、眉の部分が盛り上がり気味で、額は後方にカーブしており、女性は、頭蓋骨が小さく、頭頂が平らなのが特徴である。
また、新生児の頭蓋骨は発育途上にあるために、小泉門と大泉門という穴が開いており、成長とともにふさがっていく。

頭部筋肉のしくみ
頭部の筋肉は大きくわけて、咀嚼筋(咬筋・側頸筋など)と表情筋の2種類の筋肉からなっている。
咀嚼筋は、口に入った食物を歯で噛み、すりつぶすために動く筋肉である。臼歯がものを噛む力はおよそ120kgにもおよび、体の中で最も強力に働く筋肉だ。その反面、ものを噛む力を細かく調節できるため、最も繊細な筋肉ともいわれている。
表情筋は、笑う、怒る等、人の心情を表わすことのできる筋肉である。顔面に麻痺等が起こり、この筋肉の働きが阻害されると、人間らしい感情表現ができにくくなる。
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