入院〜母の日② | Barrier free~子供たちの未来へ chiropiroのブログ

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妊娠8か月で生まれてきた3人の子供のうち、2人がPVL(脳室周囲白質軟化症)を発症。足が不自由な息子が幼稚園受験を経て私立小学校へ入学した事や、闘病、さらに我が家のもうひとつの暮らし、ハワイでの生活の記録です。

前回のつづき


23時頃に入院が決まり、手続きが終わると

「0:30に病棟に移ります」と言われた。



ひゃあ、真夜中…



ゆうは薬の影響もありグッスリ眠っていて、

途中ようすを見に来たゆうくんもすでに帰宅。


私は翌日にPTAの大事な会議があり、

こんな寝不足でちゃんと話せるのかと

不安だったが帰る訳にもいかず…

いつでもどこでも気になるのはPTAなのです笑




結局、1時頃に病棟に上がり、

まずは荷物を入れようとすると

呼吸器を乗せる架台が無いことに気づいた。

もしかしたら入院になるかも?と思い、

呼吸器と薬とおむつとDVDだけは持って行ったのです。




小児科のドクターと一緒に探したが見つからず、

看護師さんに声をかけると

「人工呼吸器に架台が必要なんですか?」

と言われた。



「加温加湿器をはめ込む専用のものが

あるのですが…」



「見たことがないので、

MEさん(メディカルエンジニア)を呼びますね」




ゆうの呼吸器はこの病院で管理されていて、

小児病棟には必ず同じ機械を使っている

お子さんが複数入院していたし、

レスパイトに行っている大学病院も

この呼吸器がズラーッと並んでいる。




ここはICUなのに

看護師さんは呼吸器を扱わないの??


…そう言えば、周りの患者さんは

全員モニター管理はされているけれど

呼吸器には乗ってる方はいないかも?





ドクターの話によると、

この病棟は慢性疾患の患者さんより

命に関わるような状態で運ばれて来て

入院になる方が多いため、

実は挿管以外の人工呼吸器が必要な患者さんは

少ないらしい。




その後、小児科のドクターが看護師さんに

呼吸器の扱い方をレクチャーしていたが、

看護師はこの日にいる方だけではないため

結局、今回のゆうの呼吸器の着脱は

ドクターが行うことになった。




なんとなくだけど…

呼吸器があるとレスパイトの受け入れが

減る理由が分かったような気がしたよ。






この時点で2時(°_°)


トイレに行かせてもらって戻ると

入院時に書いた書類とは別の用紙を

渡された。




ひとつずつ丁寧に説明があったのだが、

「急変時に蘇生処置を希望するか」や

「臓器提供の意思確認」だった。




DNAR(蘇生措置拒否)の承諾書などは

社会福祉士の実習の時に

毎日のように見ていたので

その意味も理解しているつもりだけれど、

こうして母親として聞かれると

やはり少し動揺してしまった。




「小児科ではこんな質問はないですよね?

こんなこと聞かれても困っちゃいますよね?

ゆうちゃんだけでなく、この病棟では皆さんに

お聞きしていることなので、

無理に答えなくても大丈夫ですよ」




「今、どう答えたら良いか、

少し迷っているのですが…

今までは『娘が一番苦しくないように』と

いろいろ考えて選択をしてきたので、

そこは変わらないと思います」




夜中2時過ぎの変なテンションの影響もあり?

なぜか涙がポロポロ出てしまった。






♢♢♢

そして、今後の蘇生処置に関して

少し落ち込みながらも真剣に考えたものの

呼吸不全の原因は

セルシンの副作用だったことが判明。


薬が抜け切るといつものゆうに戻り、

一般病棟に移る予定だった日に

そのまま退院することになった(笑)






ちょうどこの日は母の日♡

ケーキはとっても美味しかったけれど、

ゆうが元気に帰ってきてくれたことが

一番のプレゼントだね。




ゆうちゃんはやっぱり癒しの存在♡




朝日新聞出版【AERA dot.】コラム連載

江利川ちひろ

障害のある子と生きる家族が伝えたいこと

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