動物利用から動物解放へ | チロ・ツグミ・メリー・マフユと 動物問題 ~ ヴィーガン ~

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愛猫チロとツグミ、愛犬のメリーと暮らしています。
主に、動物問題について書き記します。
超偏食&料理経験なしでしたが、畜産の悲惨な実態を知ってから、ヴィーガンになりました。

動物福祉、動物愛護、動物権利。

動物を守ろうとする活動には、色々な呼び方があります。

 

これらは一体何が違うのか?

そして、ヴィーガンが目指すものとは?

 

動物解放団体リブによる、動画「動物利用から動物解放へ」をご覧ください。

 

****************引用****************

 

この図なんですけど、

 

時間軸は、左が現在で、右が未来になっています。

 

現在は動物利用が当たり前の社会です。

動物の解放活動家が目指しているのは動物の解放になります。

一番右側ですね。


動物利用と動物解放の間にはこれだけの活動形態、概念の違いというものがあります。


動物利用の次の段階というのは、動物福祉(アニマルウェルフェア)ですね。

 

これは、動物は利用する。
最終的には、殺して食べたりとか、衣類にして着たりするんですけど
その殺すまでの間を、なるべく動物が動物らしく生きられるように配慮しようというものが

動物福祉になります。

 


で、動物愛護になります。



この動物愛護っていうのは、日本の独特の言葉で、

例えば、動物愛護管理法は、英文で、

animal protection(動物の保護)

animal management(動物の管理)
みたいな訳し方をされています。

 

だから海外の人は、その文章を読むと、保護の法律なんだなーと思うでしょうが

実際は愛護という、愛でて守るというような日本独特な感覚に基づいた活動になります。


で、その次の段階を抜かしまして、

そのさらに次、動物権利です。



こちらは、1975年ぐらいから本格的に言われてきた言葉です。

これは動物は人間のために生きてるわけではない

動物自身が権利を持ち、生存権を持ち、自由権を持ち、幸福に生きる権利があるのではないかという

倫理的、あるいは権利の文脈の中から出てきた考え方です。

 

これがアニマルライツであり、ここにおいて動物愛護ではなく動物擁護という活動になると考えます。

例えば人権の場合は、人権擁護と言いますが、人権愛護とは言いませんね。
ですので、私自身も動物擁護と言っています。

言葉をしゃべれない動物たちのアドボカシー(権利擁護、代弁)であるわけですね。

その先にあるのが、廃止主義です。

 

動物に権利を認めたら、当然動物の利用は廃止しなくてはならないですね。
これが廃止主義。

 

奴隷制度だったりとか、支配・非支配、差別だったりの文脈から出てきています。
海外では、アボリショニズム

奴隷解放運動もアボリショニズムと呼んでいました。


その先にあるのが、動物の解放になります。



animal liberation(動物解放)ですね。
リブっていう団体の名前も、liberationからです。

 

ウーマンリブ、ウーマンリベレーションだったり、
黒人解放運動だったりとかの文脈のリブ、リベレーションです。


で、新福祉主義っていうのは何かって言いますと、

動物の権利の活動をし始めた時に、

活動家達は主にイギリスだったりとか、ヨーロッパなんですけども、

かなり一生懸命やった、過激な方向にも行きました。

 

結局なかなか社会は変わらないということで、
動物の解放だったり、廃止論っていう究極はいったん置いといて、

現実的に福祉という段階で力を入れて、
世論だったりとか、今目の前にある動物の苦しみを少なくするという方向を一段階経てから、

動物の権利を目指そうという活動が、新福祉主義になります。


各々の運動だったりとか、動物に対する立場っていうことにおいて
動物利用というのは、まさに人間の立場なわけですね。

 

人間の立場しか考えていない状況です。

動物の立場は考えてないわけですね。
利用するのが当たり前の世界です。

 

一方、動物の解放っていうのは、動物の側にいます。

動物の側にいることで、仲間たちになるわけですね、動物っていうのは。

なので、仲間たちを傷つけてほしくない、守りたい。

 


一般的に動物の解放だったり、動物のことを知っている人は、こういうふうに見られていると思います。



人間側から動物を見て、動物を食べてもいいじゃないか、いや動物を食べてはいけないだろう、

人間の側から見て動物を評価しているという形になっていると思っている。

これは違います。


どういうことかと言いますと、こちらの図になります。



ヴィーガンっていうのは、そもそも理念的に、動物の側にいます。

動物の側にいて、動物を解放しようという活動になります。

 

ですので、人間の方々を見て、動物がいる、我々動物の側にいます。

故に、人間の方々に、動物を傷つけないでほしい、食べたり切ったりしないでほしいと言っているわけですね。

っていう位置になります。

ここは非常に大事なところなんですね。


ですので、活動の形態もそれぞれの段階によって異なります。

動物を利用している方々っていうのは、いかに動物利用を促進するかを考えます。

例えば、ここに少し団体をあげましたけれども、

 

動物利用を促進する団体だったりとか、

例えばCMだったりとか、盲導犬をもっと普及させようだったりとかします。

 

これが利用促進です。

 

一方、動物愛護団体になると、少なくとも犬猫の部分においては利用の促進を止めをやめさせようと、
ブリーディングだったりとか、ペットショップだったりとかを免許制にして、動物の利用を止めようとします。


動物の権利の段階から、ヴィーガンでないとおかしくなるんですね。

要は、動物を食べない、着ない、動物実験されたものを使わないだったり、そういうのがヴィーガンがなんですけども
動物の権利を訴えながら、自分がその動物を傷つけた結果による製品を利用するのは矛盾してるんですね。

ヴィーガンっていうのは人によって解釈が違うんですけど、
1944年に出来た、英国ヴィーガン協会の定義を参照する、尊重するっていうのが一番いいんじゃないかと思います。

 

ヴィーガン協会の定義なんですけども、

これは1951年、ヴィーガン協会の副会長レズリー・クロスさんが提唱した定義です。

 

その定義によりますと、
「ヴィーガニズムとは、動物の福祉ではなく、解放である」と明確に言っています。

ヴィーガン協会の目的は、「人間による動物の搾取を終わらせること」であり、
「ヴィーガニズムとは、人間が動物を搾取することなく生きるべきであるという主義である」

これが本来の意味の、ヴィーガニズムです。


その次ですね、法律の部分になります。

 

法律の部分は、利用の促進から、動物愛護の段階までの法律ができています。

その先の動物の権利以降の法律というのは今のところありません。


ほとんどは動物利用の促進の法律になります。

例えば、と畜場法だったりとか、家畜取引法だったりとか、鳥獣保護管理法だったりとか。



動物福祉と動物愛護になりますと、動物愛護管理法で一括されます。
動物愛護管理法の中には、家庭動物だったりとか畜産動物だったりとかも含まれます。

これは動物利用を促進するような法律であっても、

動物の福祉をさらに高度化する必要がありますし、動物愛護管理法も今まさに高度化するために皆さん動いてらっしゃるところです。

ただこの先、動物の権利以降の法律というのは、これから我々が頭の中を切り替えて、
パラダイムシフトして新たな法律を作る必要があります。
それは動物の立場に立った動物の目線に立った法律であるべきだと思います。

実際、これが着手されるのはかなり先になることでしょう。

ただ、いずれ必ず作られることになると私は考えています。


で、色々非営利団体があります。動物にまつわる非営利団体ですね。

動物の一番多いのはやはり動物利用促進の団体です

例えば、畜産技術協会だったりとか、日本鯨類研究所だったりとか、

こういった公益財団法人、一般財団法人というのが動物利用の促進を行っています。

一方、そこからちょっと守る方になりますと、動物愛護関係の団体になります。

主に、犬猫です。


日本盲導犬協会とか、セラピードッグ協会というのは、これは利用の促進であって、動物の権利の確立ではないですね。
あくまでも、人間の利用に窮するための動物利用促進のための団体です。

 

ですので、我々と真逆。
我々はそれを否定しますね。

動物は人間のために生きているわけではないので、我々としてはそれは良しとしていません。


動物愛護のさらに先、犬猫以外の動物のことをやっている人たちはかなり少ないです。
例えば、家畜動物のについて動いてる方というのは相当少ない。

畜産動物だったり実験動物だったりとか、そういうところまで扱う団体というのは
この動物愛護から動物解放までのそれぞれの段階の中に、自分たちの団体をポジショニングしています。

例えば動物の福祉、

動物を食べたいけども、自分が罪悪感があるから、せめて福祉はちゃんとやってくれっていう人たちは、

福祉を推進する団体か、あるいは新福主義の団体を支援すればいいわけですね。

福祉を進めたい方が、例えばリブを支援したとしても、実際動物福祉のことをやることはありません。

我々が目指すのは動物解放です。


その下のフレンドとファンドなんですけれども、これは支持層、支援者層と、資金のグラフになります。


やはり動物利用を促進する団体における資金と人材の多さというのはもう圧倒的です。

そこからどんどん少なくなっていって、動物愛護系の団体になりますと

おそらく動物利用促進の団体は何兆という世界ですけども、

動物愛護、犬猫を中心になりますと、それでも数十億は少なくともある、おそらくもっとはるかにあるわけですね。

 

しかし一方、動物の権利以降の団体になりますと、これはもうグンと減ります。
おそらく、1億は軽くないという状況です。

 


理念があって活動がありますので、そこの理念が振れた瞬間に、活動っていうのは曇ります。
ですので、理念というのは非常に重要ですね。

 

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これが、各言葉の違いになります。

 

動物福祉(アニマルウェルフェア)は、あくまで動物利用側の考え方になります。

動物は利用するけど、生きている間はマシな暮らしをさせましょうというのが、動物福祉。

 

一方で、動物権利(アニマルライツ)は、動物側に立った考えになります。

人間が利益を得ようと癒やされようと、どんな理由であれ動物を利用しない、搾取しないというのが、動物権利です。

 

 

個人的には、動物愛護という言葉は、犬猫愛護、

あるいは、動物を守る側の総称という感覚です。

 

犬猫愛護の界隈はいまや、犬猫権利を目指していたり、犬猫福祉を目指していたり、ビジネスに利用する人までおり、方向性はバラバラです。

ペット業界とつながっている団体、良いペットショップなら残してもいいという人や、雑種を見下す人もいます。

 

アベプラでは、世界最大の動物権利団体PETAを、動物愛護団体と表現しています。

このように日本では、動物を守る側の人は、とりあえず動物愛護と言っておけばいいという風潮があります。

 

 

個人的には、動物権利の立場の人 つまり ヴィーガンが、動物福祉を訴えるのはアリだと思っています。

動画で言われていた、新福祉主義ですね。

 

現実的に見て、動物権利の時代にいきなり変わることはないから、

一旦、動物福祉という段階を経てから、動物権利を目指すという考え方ですかね。

 

アニマルライツセンターが、それにあたると思います。

 

動物福祉の向上は、あくまで見かけ上で、それで動物が幸せになることはありません。

マシになるだけです。

 

平飼い卵などは非常に良い例ですが、仮にバタリーケージが全て廃止になっても、

今度は、過密平飼いが必ず主流になっていきます。

 

100%そうなります。

 

養鶏業界は、ビジネスのためにやっています。

法律で決められたことだけを嫌々守るだけであって、鶏への配慮を目的に守るわけではありません。

なので、バタリーケージをやっていた養鶏場は、次は必ず過密平飼いを行います。

 

平飼いにしたところで、過密平飼いの問題が起き、

そして、生まれた日にオスが殺処分されることや、デビーク、強制換羽、鶏同士のストレスによるケンカやイジメ、品種改良による体への負担や病弱な体、1~2年で殺処分

など、これらの問題は一切解決しません。

 

動物の側に立って考えてみればよいでしょう。

バタリーケージがなくなったら、自分は採卵鶏に生まれたいですか?

 

ただ、動物福祉を進めていくことで、次の問題がクローズアップされ、

またその問題の禁止が叫ばれ、禁止となり、徐々に進んでいく可能性はあります。

 

これには反対するヴィーガンもおり、

動物福祉を進めることで、消費者の罪悪感がなくなり、より動物権利から遠ざかるという考え方もあります。

 

どっちの言い分もよく分かります。

 

色々な考え方のヴィーガンが、色々な発信をすることにより、色々な人に響いていくと思います。

 

私は動物福祉の発信はしませんし、動物福祉は解決策にはならないという発信はしています。

というのは、それをゴールと思われると困るからです。

 

ヴィーガンでない人が動物福祉を訴える場合、1つの問題だけに着目していることが多いです。

採卵鶏でいえばバタリーケージだけ、豚肉で言えば妊娠ストールだけとか。

それは違う、ってのは分かっておいてもらわなければならないので、1記事に必ず多くの情報を入れるようにしています。

 

なので、動物福祉の発信をするヴィーガンを否定しているわけではありません。

 

 

皆さんが思っている以上に、どの業界も問題は数えきれないほどあり、悲惨で残酷です。

知らない方は、しっかりこの動画を見て勉強して下さい。

1つの問題だけ解決すれば、全て解決するような甘いものではありません。

 

人間が動物を利用する限り、苦しみや犠牲が0に近づくことなどありえないのです。

 

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