京都水族館で、妊娠した状態のままショーに出演させられ続けたイルカのキアに関する記事が、朝日新聞デジタルで出ています。
私が以前出したキアに関する記事
をご覧になった朝日新聞の記者の方が、今年の6月に私にメッセージを下さったので、
現地に足を運んでキアの件を発信されていた、ツグゴロウさんを紹介しました。
そして、昨日とうとう記事になったのです。
有料記事で登録が必要になりますが、登録して1か月は無料で、その間に解約すれば無料で見れることになります。
念願の飼育間になったものの、水族館の実態を知って疑問を感じた、元飼育員の貴重な話もあります。
興味があればご覧ください。
さて本題に入ります。
以下は、ツグゴロウさんの投稿。
水族館飼育がイルカにどのような影響を与えているかを研究した結果が書かれています。
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科学研究費助成事業 研究結果報告書より
『行動とホルモンレベルを指標としたイルカのストレスと心理学的幸福の評価手法の開発』
ハクジラ亜目のホルモンレベル・行動とストレス・心理的幸福との関係を明らかにする為、
行動観察およびホルモン濃度測定を行った。
顔を壁にこすりつける行動が比較的多い期間に、コルチゾール濃度が高く
この行動がストレスの現れであることが示唆された。
また中層での静止時間が長いほどコルチゾール濃度が高いことがわかり
長時間静止する行動がストレスの現れである可能性が考えられた。
★研究成果抜粋
伊豆諸島御蔵島にて野外調査を行い分析し、
浮いてまたは中層で静止する行動、繰り返し吐き出す行動は全くしない、
昼間は採餌をしないことを明らかにした。
京都水族館、須磨海浜水族園、かごしま水族館にて調査し、
野外環境の方が遊泳速度が速く、潜水が多く、呼吸頻度が少なく、静止する事が少ない事がわかった。
京都水族館にて、社会的刺激が無いため、吐き出しのような望ましくない行動が起こる事がわかった。
名古屋港水族館にて、飼育シャチにも同じ分析結果が示唆された。
血中および垢中コルチゾール濃度が高い行動がストレスの現れであることがわかった。
このように、水族館飼育が動物にとって負担であることが研究結果として出ています。
野生では感じないストレスが、身体や心に悪影響をおよぼしているとわかっています。
にもかかわらず、娯楽の為に利用し続けるのが水族館です。
そして知ってか知らずか日本人は水族館を楽しみに行きます。
人もみんなストレスは感じたくないはず、自分が嫌な事は、相手にも強要してはいけません。
動物にだって一緒じゃないでしょうか?
水族館を卒業しよう
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このように、イルカたちがストレスを感じていることは研究結果としてもはっきり出ており、
水族館の経営者や、トレーナー、飼育員たちも認識しています。
にも関わらず、イルカをビジネスのために利用し続ける。
これが水族館の真実です。
水族館では、野生化のイルカには見られない、
餌の吐き戻し、顔や体の壁への擦り付け、長時間の静止があるとのことです。
このうち、長時間の静止は、動物解放団体リブの調査によって撮影されています。
こちらは、のとじま水族館のカマイルカの長時間の静止の様子。
こちらは、越前松島水族館のイルカの長時間の静止の様子。
************概要欄のコメント***********
水族館に監禁されたイルカは、異常行動を起こします。
その一つが、「ただ浮いている」という行動。
イルカショーとイルカショーの間の時間、浮いたまま動かないイルカを見たことがある方もいるでしょう。
自然から引き離され、狭いタンクに監禁された、精神的な苦しみの表現です。
水族館のイルカは薬漬けです。
様々な疾患に苦しみ、人間用の薬、犬や猫の薬、馬のホルモンまで使われている場合があります。
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知識がないまま静止しているイルカを見ると、イルカが休んでいるなどという感想をもつのでしょうが、
これは精神異常からくる異常行動であり、野生化ではほとんど見られないのです。
異常行動は他にもあり、
ぐるぐると同じところを泳ぐ、常同行動。
無気力状態で浮かびプールの底に頭をぶつける、自傷。
こちらは、香川県高松市の「新屋島水族館」のイルカ。
Dolphins in captivity often exhibit self-harming behaviors due to psychosis. This dolphin banging their head against the glass repeatedly is a prime example.
— julie 🐙 🇺🇦 (@jmcappiello) June 19, 2019
The rake marks on their body are caused by abnormal aggression of other tank mates. 🐬💔 pic.twitter.com/5OhUaR9Lad
何か叫んでいるかのように口を大きく開き、
壁に何度も激突しています。
他にも、鉄柵を噛んで、歯を割ったりすることもあります。
水族館という場所が、イルカにとってどれだけ苦しい場所なのかを、イルカ達は全身で表現しています。
しかし、ほとんどの人はそういった行動をカワイイと言い、気づく気配は全くありません。
イルカには表情筋がない、あるいは表情筋が弱いため、表情の変化がありません。
なのでイルカの顔は、人間目線では常に笑っているように見えてしまいます。
水族館に行く人たちをなおさら鈍感にしてしまう要素なのでしょう。
野生のイルカは死んだ魚を食べません。
なので、 トレーナーたちは、イルカに死んだ魚を食べさせることから調教します。
その際、無理やりタオルで口をこじ開けられることがあります。
日本の映像です。
イルカが嫌がって鳴いている様子が見てとれます。
シャチなどの大型になると、鉄の棒でこじ開けることもあるそうです。
死んだ魚は水分を含んでいないため、口にチューブをさしこみ、水分を与えます。
業界はこれを補液などと呼んでいます。
また、プールの水の中には感染対策のために塩素が大量に入れられています。
死んだ魚を与えられることにより、ビタミン不足になり、
1日65kmを泳ぐイルカは、水族館の狭く不自然な環境や、
やりたくもないショーの調教などによって、常にストレスを抱え
体調を崩しやすく、免疫が下がり、感染症にかかりやすくなります。
そのため、ビタミン剤や、胃腸薬や、抗生剤などのあらゆる薬が必要になります。
****************引用****************
日本のある水族館でイルカに使用している薬品等の種類は、61種類でした。
ビタミン剤 5種類
カルシウム剤 1種類
飼料(微量栄養素含有) 1種類
眼薬 1種類
胃腸 15種類
肝臓薬 1種類
尿 1種類
抗生剤(抗菌剤) 22種類
抗真菌薬(カビ) 1種類
抗炎症 解熱鎮痛剤 3種類
貧血 2種類
鎮痛剤 3種類
止血剤 4種類
不明 1種類
薬漬けです。
胃腸系の薬と、抗生剤が飛び抜けて多いことから、
イルカたちが胃腸の疾患と、細菌による感染症に苦しめられていることがわかります。
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水族館のイルカは、人間のせいで薬漬にされるのです。
野生から連れてこられたイルカなのか、水族館で繁殖したイルカなのかに関わらず、
水族館という不自然な環境に合わないイルカ達は、
ストレスから免疫力が下がり、病気になり、衰弱し、水族館の中で次々死んでいます。
水族館での出産1年後の赤ちゃんイルカの生存率は20%。
すなわち、死亡率は80%。
いおワールドかごしま水族館のイルカの赤ちゃんの生存率は、なんと11%。
つまり、死亡率は89%です。
水槽から転落したり、人工岩に激突する事故なども起きています。
水族館のイルカは、太地町のイルカ追い込み猟によって捕らえられます。
バンガーと呼ばれる、この鉄の棒を
カンカンと叩いて、イルカの不快な音を海に大音量で流します。
イルカは聴覚がすぐれているため、この音から逃れようとします。
猟師たちはこの性質を利用し、どんどん入り江に追いやっていきます。
そして 入り江まで追い込まれ、捕まってしまうのです。
先日、11月4日もイルカが追い込まれました。
******life_investigation_agency******
2022年11月4日 午前8時30分、
燈明崎の南東5Kmの場所でイルカ猟を行っているバンガーボートが一列に並んでイルカ達を追いかけているのを確認。
凄い速さでどんどん追いかけられ、午前9時5分、畠尻湾に押し込まれて、網を張られてしまった。
捕まってしまったのは5頭のハナゴンドウの家族。
イルカトレーナーは現れず、この時点で5頭すべてのイルカ達が殺害されることが決定していた。
畠尻湾の入り口に網を張られてすぐに、影浦湾に4頭が押し込まれ、網を張られてしまった。
4頭は張られた網に絡まったりしながらも抵抗したが
ダイバーに尾鰭の付け根をロープで縛られて、殺害するグレーシートの下に引き吊りこまれた。
最後まで素早い動きで逃げていた1頭も、
猟師がスキッフボートの船外機を吹かし!、凄く大きな音をたてられて、
脅かされてパニックになって逃げ惑い、グレーシートの下に押し込まれてしまった。
午前9時37分、5頭すべてのイルカ達が殺されて尾鰭の付け根にロープを巻かれ、引きずり出され、
畠尻湾の沖で待機していた遺体を隠して運ぶバンガーボートに渡され、
そのまま太地漁港の市場に運ばれ、引き摺り上げられ、
頭を切断され、腹を裂かれて内臓を引き出され、
尾鰭、背鰭、胸鰭がそれぞれ切断され、体はバラバラに切断されて食肉となった。
遺体の解体が終わったことを告げるサイレンとともに、順番待ちをしていた太地町内の鯨肉加工会社の軽トラックが一台ずつ市場の中に入れられ、切断された遺体が入った青いコンテナが漁業組合のフォークリフトで軽トラックの荷台に載せられ、それぞれの加工会社に走って行った。
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5頭のイルカの家族が、猟師たちに追い込まれ、殺されました。
1頭はパニックになって網に絡まっていましたが、猟師によって尾をロープで縛られ引きずり出されていました。
追い込まれたイルカは、水族館向きか、そうでないかが選別されます。
水族館に不向きのイルカ達は、食用としてその場で殺されます。
殺すときは、イルカのせきずいを尖った棒で刺し、ねじり込みます。
そして、長きにわたって苦しんだ後、絶命します。
この日は水族館に不用と判断され、家族がすべて皆殺しとなりました。
昨年の追い込み猟では、生体販売用に捕獲されたのは65頭に対し、殺されたイルカは500頭です。
水族館が種の保存施設などという人がいますが、
こんなに野生のイルカを殺す猟で捕らえられたイルカを購入し、繁殖も失敗だらけの水族館のどこが種の保存施設なのかぜひ教えてほしいものです。
そもそもとして、水族館は種の保存の役割など果たせないんですよ。
水族館での繁殖が成功したところで、野生に戻すことは不可能なので、種の保存にはなりません。
種の保存をするには、動物を一切捕らえることなく、その環境ごと保存しなければ意味がないのです。
追い込んだイルカが生体販売向きかどうかの選別作業を行うのは、イルカのトレーナーたちです。
トレーナーたちは、若いメスのイルカを好みます。
その方が従順で調教しやすく、子供を繁殖させて、さらなる金儲けが期待できるからです。
トレーナーたちは、自分達に選ばれなかったイルカが殺されることは知っています。
しかし、彼らのほとんどは追い込み猟に反対していません。
トレーナーはイルカ好きだと思っている方が多いですが、現実は違うのです。
以下は、昨年9月20日にトレーナーが選別作業をしている時の様子です。
殺されたイルカの血で染まった真っ赤な入り江の様子を、トレーナーは何もせず眺めていました。
— キリ (@Kiri36268982) November 13, 2021
以下は、昨年11月19日にトレーナーが、猟師と共にイルカを追い込んでいる様子です。
イルカ達がパニックを起こしたり、乱暴に運ばれるのを横目に、トレーナーたちは選別作業を行いました。
命を犠牲にすることに慣れきったトレーナーたちは、
選別作業の際も緊張感はなく、笑いながら和気あいあいと作業を行っています。
以下は、生体販売用のイルカを運ぶ際、
イルカの頭を、足で踏んづけるトレーナーです。
これらから分かるように、イルカのトレーナーは、イルカ好きではないのです。
だからこそ、水族館のイルカがストレスを感じている研究結果が出ても何とも思わないのです。
イルカと触れ合う自分が好きなだけ、動物産業でお金稼ぎたい、罪悪感を感じても行動力がない。
そういう人たちが割り切ったり、都合の悪い部分から目を反らしたり、言い訳したりしながら続けているのです。
しかし、彼らを責めても特に意味はありません。
結局は、消費者が水族館に行き、イルカショーのチケットを買うから彼らが存在しているにすぎません。
彼らを責めて、誰かが辞めたとしても、儲かる以上は代わりの誰かがイルカトレーナーになります。
すなわち、根本的には、イルカの虐待、虐殺を支援しているのは、水族館に行き、イルカショーのチケットを買う人たちです。
水族館が儲からなくなれば、追い込み猟がなくなり、トレーナーもいなくなります。
逆に言えば、水族館がある限り、イルカ達の地獄は永遠に終わりません。
すべての動物問題は、消費をなくす以外に解決はありません。
イルカショーのチケットを買わないでください。
水族館に行かないでください。
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