2日後に、和歌山県知事選があります。
和歌山と言えば、太地町。
太地町と言えば、イルカ追い込み猟です。
知らない方のために書いておくと、クジラとイルカは、実は同じなのです。
体長4~5m以下をイルカ、体長4~5m以上をクジラと、慣習的に呼んでるだけなんです。
で、日本では、鯨類 つまり クジラやイルカの捕獲が、法律上禁止されているって知っていましたか?
法律で禁止されているので、本当は獲っちゃダメなはずなんです。
なら、なぜ太地では、イルカ追い込み猟が行われているのか?
実は、法律には
「都道府県知事が許可する場合は、捕獲や捕殺が出来る」
という但し書きがあるのです。
つまり、太地町は和歌山県ですから、和歌山県知事が許可を出せば、太地町はイルカ追い込み猟が出来てしまうのです。
これまでの和歌山県知事は、許可を出し続けていたので、毎年イルカ追い込み猟が行われていたのです。
逆に言えば、許可さえ出さなければ、イルカ追い込み猟は終了します。
今回の候補者は以下の3名。
彼らは、捕鯨や追い込み猟に対して、どのように考えているのか。
LIAがアンケート調査をしました。
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【アンケートご回答用紙】
【質問1】
貴殿は、鯨類追い込み網漁(イルカ猟)・捕鯨に賛成ですか?
【質問2】
貴殿が当選し、県政運営を行うさいに、イルカ漁(猟)・捕鯨を行う者たちから許可申請があった場合、
これまで通り、イルカ漁(猟)・捕鯨を許可しますか?
アンケート回答期限前日の11月19日に、回答期限が20日の午前0時であることを伝えるメールを全て候補者の担当者あてに送付しました。
そして、20日に無所属で立候補している本間奈々氏より回答をいただくことができました。
本間奈々氏の回答
質問1:イルカ猟、捕鯨に賛成。
質問2:イルカ追い込み猟をおこなう者に、許可をおこなう。
また、イルカ追い込み猟が世界から批判されている、というLIAの指摘について、
本間奈々氏は「一方的で勝手なレッテル貼りだと申し上げます」というご意見をいただき、
さらに「イルカやクジラ漁に対して妨害活動をされている方達については、日本人差別主義者だと感じております」とのことです。
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結果は、2名が無回答,1名が「許可を出す」という悲惨な結果でした。
無回答というのは無視。相手にする必要がないという判断ですね。
政治家は、票のために仕事をしています。
日本人の関心が低いと判断されているので、答えたところで票にならないということです。
唯一回答したのは、本間奈々氏ではありますが
「一方的で勝手なレッテル貼りだと申し上げます。
イルカやクジラ漁に対して妨害活動をされている方達については、日本人差別主義者だと感じております」
という感じで、何を言っているかよく分かりません。
主語がなさすぎて、何がどうレッテル貼りで、何がどう日本人差別的なのかがよく分かりません。
多分、追い込み猟が日本の伝統・文化だと思っている、あるいは食文化のために行われていると思っていて、
いまだにシーシェパードなどの海外活動家だけが追い込み猟の妨害行為をしていると思っていて、
自分達は他の動物を食べたり殺したりしているくせに、イルカだけを特別視して、
その猟をしている日本だけが責められている、という思い込みがあるとかでしょうか?
数年前に日本で行われたプロパガンダによって、こういう思い込みをされている方はいまだに多いようですので。
それらの思い込みは、全て日本側が仕掛けたウソです。
まず、太地町のイルカ追い込み猟は、伝統・文化ではありません。
追い込み猟は、1969年に始まった猟で、まだ53年しか経っていません。
53年で伝統・文化なら、日本のそこら中に伝統・文化があることになります。
53歳の人、築53年の建物は、伝統なのでしょうか?
というわけで、追い込み猟が、伝統・文化というのはウソです。
また、追い込み猟は、食文化のために行われているわけではありません。
追い込み猟は、イルカの生体販売を目的に始められた、ビジネスのための猟です。
その証拠は沢山あります。
まず、追い込み猟が始まった同じ年、1969年に太地町立くじらの博物館、つまり水族館が建てられています。
食文化が目的ならそんなものを建てる必要はありません。
また、追い込み猟の収入の約8割は、生体販売によるものです。
イルカを生体販売した場合、1頭、100万円~150万円であり、
イルカを肉として販売した場合、1頭、1万5千円~5万円です。
生体販売するとボロ儲けなのです。
1960年代は、アメリカのホームドラマの「フリッパー」が大ブームになりました。
これが世界中で広がり、イルカ売れば儲かる、イルカ展示すれば客がくるということで、水族館やイルカショーが始まり、
生体販売するとボロ儲けできると踏んで、猟師たちは追い込み猟を始めたのです。
さらに、食用に捕らえることが目的なら、
「突きん棒猟」といって、泳いでいるイルカを上から突き刺して殺す猟が別にあります。
以下は、イルカではありませんが、サメを上から突き刺している動画です。
食文化だと言うのであれば、突きん棒猟の方が、最初から殺して食用に捕獲する猟であるため、筋が通っています。
それに海の上で行う猟ですから、誰にも見られず批判されることもありません。
実際、岩手県などではイルカの突きん棒猟が行われています。
しかし、太地町の猟師たちは、あえて追い込み猟を行っています。
それは、生きたまま捕らえたいから。
すなわち、生体販売をしたいからです。
なぜなら、生体販売をすれば儲かるからです。
つまり、追い込み猟は食文化のためではなく、金儲けのために行っているのです。
というわけで、追い込み猟が、食文化のために行われているというのはウソです。
少々ややこしいのが、約400年前から、捕鯨 つまり クジラを殺して捕獲していたのは、事実です。
そして、食文化 つまり 昔から日本人がクジラを食べていたのも事実です。
ただし、約400年前に行われていたのは今のような追い込み猟ではありません。
以下は、追い込み猟の方法です。
バンガーと呼ばれる、この鉄の棒を
カンカンと叩いて、イルカの不快な音を海に大音量で流します。
イルカはこの音から逃れようとします。
この性質を利用され、徐々に入り江まで追い込んでいくのです。
そして、捕獲します。
これが追い込み猟です。
400年前に、エンジン付きのボートがあるわけがないので、こんな方法できるわけがないのです。
400年前の元祖の捕鯨は、古式捕鯨というものが行われていました。
太地町の沖合海域を回遊するくじらに対して、
ふんどしを締めた男たちが、木の手漕ぎボートに乗合い、100人以上が協力して追いかけ、
くじらの体に銛を打ち込みながら網で行く手を阻み、捕殺していたのです。
猟に出るのも命がけです。
実際、過去100以上が死んでしまった事故もあったのです。
食のため、まさに生きるために、命を張って猟に出ていたのです。
しかし、今はこんな事誰もやっていません。
古式捕鯨をやっているなら伝統・文化とも言えようものですが、
最近始めた追い込み猟は伝統でも文化でもありませんし、食のためにやっていないので食文化とは関係がありません。
あと、クジラは確かに食べる人はいますが、ほんのごく一部です。
日本人の1人あたり30gしか食べておらず、しかも給食に無理やり入れ込んでその量です。
ただ、クジラを獲っていた、という部分だけで、無理やり伝統・文化ということにし、
クジラとイルカは同じということで、捕鯨という枠に無理やり入れ込み、
太地などのごく一部でクジラが食べられている事を利用して、
追い込み猟は伝統・文化だとか、食文化のために行われている、などという誤解が起きているわけですね。
こういう事実を知らず、本間奈々氏は
「一方的で勝手なレッテル貼りだと申し上げます。
イルカやクジラ漁に対して妨害活動をされている方達については、日本人差別主義者だと感じております」
と主張しているわけですが、いかに無知で恥ずかしい発言か、
また一方的で勝手なレッテル貼りを行っているのは自分自身、ということがお分かりいただけるでしょう。
また この方は、環境破壊についてツイートしており、環境問題に多少の関心はあるようです。
あまりにひどすぎる。常識的に考えても環境に優しいどころか、環境破壊だろう。 https://t.co/UOzb8xp1nN
— 本間奈々 (@nana0504) October 31, 2022
なら、なおさらクジラを殺してはいけません。
クジラやイルカの糞は、植物性プランクトンの餌になります。
植物性プランクトンは、アマゾンの熱帯雨林の4倍の二酸化炭素を吸収し、地球上の酸素の85%を供給すると言われています。
植物性プランクトンは、食物連鎖の基盤となっています。
クジラが長い距離を泳いで、糞をまきちらすことにより、それが多くの海の生き物の栄養の循環となっていくのです。
さらに、クジラの死骸は、深海で生きる生物の食べ物となります。
そして、クジラの死骸が海底に沈むことにより、およそ19万トンもの二酸化炭素を大気中から深海へ運んでくれています。
これは、8万台の車が排出する量と同じ。
すなわち、海の生態系だけでなく、地球温暖化すら遅らせてくれる、我々人間にとってもありがたい生物なのです。
クジラやイルカが絶滅すると、海が死ぬ、とも言われています。
これほど海の生物に大きな影響を与えるクジラを、日本は金のために殺しまくってるんですよ。
しかも、税金を毎年51億円も使って。
鯨肉なんて一部の人しか食べないにも関わらず、一部の人間の利権ために、皆さんの税金がこんなところにつぎ込まれているわけですね。
クジラを殺さなければ魚が絶滅する、とかよく分からないことを言っている人がいますが、
では、捕鯨が行われる1500年以前は、なぜ魚が絶滅しなかったのでしょうか?
ぜひ説明してほしいものです。
魚が絶滅する原因は、人間が獲りすぎ、食べ過ぎていることが原因です。
さてそんな和歌山県知事選ですが、ハッシュタグキャンペーンやコメントアクションが行われています。
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以下に、LIAが撮影したイルカ猟の写真をアップしました。
この写真は、和歌山県知事選挙期間中、自由に使えるようにしました。※ただし写真のサイズは変更しないでください。横長のままご使用ください。↓↓↓↓↓
↑↑↑↑↑この写真を使って、以下のハッシュタグをつけて、
Twitter、Instagram、Facebookなどに、イルカ猟に対するあなたの気持ちと共に、投稿してください。
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コメントアクションは、候補者のSNSに直接、イルカ追い込み猟反対の意志を示すというものです。
LIAいわく、そろそろ当選しそうな人にアクションをかけた方がいい、とのことでした。
誰なのか名前は出ませんでしたが、多分、岸本周平氏だと思われます。
というわけで、岸本周平氏のSNSのリンクを張っておきます。
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