うちの保護犬メリーは、元繁殖犬です。
8歳まで、ブリーダーに利用され続けました。
最低限の食事だけ与えられ、不衛生な水を飲まされ、栄養を子供に持っていかれてしまったためか
歯はすべてありません。顎も少し溶けています。
そして、外耳炎のまま放っておかれました。
さらに、口腔鼻腔瘻管(こうくうびくうろうかん) という、歯周病が進むことによって、歯肉の中の骨が溶け、鼻と口がつながってしまっている状態でした。
食べ物が鼻にまわってしまい、それを取り出すために、メリーはくしゃみのような動作をしょっちゅうしています。
こちらは、全身麻酔が必要なので、手術はしない予定。
メリーを利用したブリーダーが目の前にいたら、あらゆる罵詈雑言をあびせてやりたいところです。
見ての通り、メリーはトイプードルです。
ある日、Yuriさんのこちらの記事の内容を読んでいて、気になったことがあったんですよ。
Yuriさんは、私の記事をきっかけに、1か月ほど前に決心をされ菜食を始められたお方です!
過去、生体販売問題についてご存じなかったときに、ペットショップから犬を購入されたそうなのですが
ペットショップの店員から 「尻尾と足の指はちゃんとカットしてあります。」と言われたそうなのです。
尻尾、足の指を切っている・・・。
コーギーやシュナウザーが、犬種標準というケンネルクラブが定めているくだらない基準のために尻尾が切られることは、こちらの記事の通りです。
また、爪切りが面倒だからという理由で、爪が生えてこないように根元から根こそぎ切る飼い主がいる、という話は聞いていたので、指を切るのはそういう理由かと最初は思いました。
なので、「尻尾を切られたということはコーギーですか? 指は爪切り対策ですか?」と聞いてみたところ、
犬種はトイプードルで、指についてはトリミング対策と言われた、とのこと。
トイプードル・・・?
調べてみたところ、トイプードルも、かなりくだらない理由で、尻尾が切られ、親指が切られていることが分かりました。
まずは尻尾について。
(断尾)https://www.koinuno-heya.com/seikei/docking.html
***************一部引用***************
その昔、ヨーロッパにおいては断尾が狂犬病を予防し、背中の筋力を強め、瞬発力を増加させ、ネズミ捕りや外敵と争う際の怪我を予防すると広く信じられており、犬のしっぽを切り落とすことが慣習化していました。
またイギリスにおいては、ジョージ王朝時代(1714~1830)の始めころ、しっぽのついた犬に対して課税されたことから、節税目的で非常に多くの種類の犬が断尾の対象となったようです。1796年、この税は廃止されましたが、なぜか断尾の慣習だけは残りました。
現在でもある特定犬種は断尾され続けています。
では、ほとんどの犬がペットとして飼育されている現代における断尾の目的とは、いったい何でしょうか?
犬は医学的な目的で断尾されることがあります。
例えば、猟犬はしっぽを左右に振りながら深い茂みや藪の中を移動すると、途中でとげの付いた植物などと接触して擦り傷を作り、そこから何らかの感染症にかかる危険性があります。
また牧羊犬は、家畜の群れを統率する際、牛やウマやヒツジにしっぽを踏みつけられて怪我を負うかもしれません。
またしっぽは解剖学的に肛門の近くにあることからウンチがつきやすく、不衛生になるという側面もあります。
こうした健康面に対する配慮から断尾を行う場合が、予防医学的観点からの断尾です。
「現状は、猟犬でもなければ牧羊犬でもない単なる家庭のペット犬が、なぜか慣習に従って断尾されている。
これはいたずらに犬に対して苦痛を与えているだけではないのか?」
犬は美容目的で断尾されることがあります。
犬種には一般的に「犬種標準」(けんしゅひょうじゅん, スタンダード)と呼ばれる、その犬の理想的な姿を規定した基準があります。
これは主として人間の側で好き勝手に決めたもので、必ずしも犬の幸福につながるものではありませんが、この犬種標準に犬の姿を合致させるために断尾するケースがあります。
これが美容目的の断尾です。
トイプードル、ミニチュアシュナウザー、ヨークシャーテリアなど、生まれつきしっぽが短いと思いこんでいた犬種は含まれていませんか?
「犬のしっぽを切り落とすのは、犬種図鑑に載っている犬の姿に近づけるため。
これはペットショップにおける売れ行きをよくするための"箔付け"行為であり、人間がお金儲けをするために犬の体の一部を切り落としているということ。
自分の快楽のために犬に苦痛を強いるのは、動物虐待に相当するのではないか?」
一般的に、生後2~5日程度の子犬に対しては、ブリーダーや獣医師の手によって麻酔なしの断尾が行われます。
結紮法(けっさつほう)とは、しっぽをゴムバンドできつく締め付けて血流を遮断し、結び目以降の組織を壊死(えし)させて自然に脱落させる方法です。
およそ3日でしっぽが脱落します。
切断法(せつだんほう)とは、外科的にメスやはさみなどでしっぽを任意の場所で切り落とす方法です。
2015年版「診療料金実態調査及び飼育者意識調査」によると、動物病院における断尾手術の料金は中央値で19,014円とされています。
近年は犬の痛覚に関する研究が進み、生後間もない子犬は痛みを感じないとする説に対する有力な反証が登場しています。
世界中の獣医師から構成される国際組織「世界小動物獣医協会」(WSAVA)が2014年に公開した「痛みの認識・評価・治療に関するガイドライン」の中では「生まれたばかりの動物が痛みを感じないというのはよくある誤解の一つである」と断言されています(📖:出典)。
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要するに、飼うことによって尻尾を切らなければならない理由など一切存在せず、
ブリーダーや獣医師たちが、生後間もない子犬は痛みがないという嘘をつき、
見た目がかわいいとか、犬種標準とかにこだわる消費者のために、つまりは金儲けのために尻尾を切っているということです。
これは日本のトップブリーダーとやらの、断尾動画です。
血は出ませんが、やや閲覧注意。
登録者1000人以下で、収益化されていませんので見ても大丈夫です。
明らかに子犬は痛がっています。
というか、痛みがあるかどうかなんて証明するまでもありませんし、痛みがあるかどうか以前に、勝手に体の一部を切るなって話です。
これが、トップブリーダーらしいですよ。
改めて、ブリーダーという職業は終わってますね。
続いて、親指について。
犬の親指は、狼爪と呼ぶそうです。
(狼爪切除)https://www.koinuno-heya.com/seikei/dewclaw.html
***************一部引用***************
犬の狼爪(ろうそう)とは犬の前足、および後足の内側に生えている、地面と接触しない指のことです。
この狼爪は人間の側の都合で切除することがあります。具体的な理由は「予防医学」と「美容」です。
一部の人たちは
「狼爪を放置しておくと伸びた爪で体の一部を引っかいたり、爪がじゅうたんなどにひっかかって裂けたりして、犬が怪我をしてしまう。
犬が成長してからこういう怪我を負うと治るまでに長い期間がかかり、犬に無用な苦痛を与えてしまう」
と信じています。
犬が狼爪に怪我を負わないよう、子犬のころにあらかじめ切除してあげるというのが「予防医学としての狼爪切除」です。
犬のあるべき理想的な姿を規定した犬種標準(スタンダード)内における狼爪の記述を見ると、狼爪を「切除すべき」(もしくは”一般的に切除される”)、「切除してもよい」、「切除してはならない」という区分があります。たとえばアメリカ国内における犬種標準を管理する「アメリカンケンネルクラブ」のスタンダードを参考にすると以下のようになります(📖:出典)。
[AKCにおける狼爪切除規定]
☆切除すべき犬種
パグ(前足) | ボーダーコリー(後足) | ダックスフンド(後足) | ジャーマンシェパード(後足) | シベリアンハスキー(後足) | シェットランドシープドッグ(後足) | ヨークシャーテリア(後足) | ミニチュアピンシャー(前後) | ウェルシュコーギーペンブローク(前後) | ウェルシュコーギーカーディガン(前後)
☆切除してもよい犬種
プードル | パピヨン | ポメラニアン | チワワ | フレンチブルドッグ | ゴールデンレトリバー | 狆 | 柴犬 | シーズー | ウエストハイランドホワイトテリア | ダルメシアン | イタリアングレイハウンド
☆切除してはならない犬種
ブリアード(後足) | グレートピレニーズ(前後)
切除術は一般的に生後2~5日の子犬のころ、通常は麻酔なしで行われます。
これは「子犬は神経の発達が未熟なので、痛みを感じない」という風説があるためです。
この説はブリーダーや一部の獣医師が、自分たちの行為を正当化するために作り出した都市伝説という側面があり、安易に鵜呑みにできない部分があります。
近年では科学的な検証から「子犬の神経は成犬のそれよりも過敏であり、より強い痛みを感じている」という真逆の可能性すら示唆されています。
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狼爪についても、ケガをするかもしれないという曖昧な理由か、犬種標準 つまりは 金儲けのために 切られてしまっているということです。
生後間もなかろうと、痛み感じるに決まってるでしょ。
金儲け側も分かりながら、嘘をついているだけでしょう。
仮に感じていなかったとしても、人間都合で勝手に体の一部を切るなって話です。
さて、これを受けて、メリーも確認しました。
尻尾。
長さをはかると8cmでした。
これが普通だと思っていたましたが、断尾しない場合14cmくらいあるとのことで、およそ半分です。
つまり、メリーは、断尾された可能性が高いです。
親指。
ない・・・。
2か月ほど前に、脚を舐めすぎたのが原因か、アレルギーが原因か分かりませんが、脚の先が赤くなりました。
これはその治療を行うために毛を剃ったときの写真なのですが、明らかに親指がありません。
これまで親指があるかないかなど、考えたこともありませんでした。
ということは、メリーは、ペットショップやブリーダーの売れ残り?
売れ残った後、繁殖犬として利用された?
知る術はありませんが、いずれにせよ、断尾、狼爪切除までされていて、怒りしかありません。
分かっていることは、メリーは、断尾され、狼爪を切除され、繫殖犬として利用され、歯がなくなり、顎が溶け、口腔鼻腔瘻管になり、外耳炎のまま放っておかれ、用済みになる8歳まで利用されました。
改めて、生体販売業界は腐ってますね。
まさか良いペットショップとか、良いブリーダーもいるとか言ってる人、
犬種標準のために、断尾や、狼爪切除、断耳などを行っているショップやブリーダーを、
良いペットショップとか、良いブリーダーとか言っていないでしょうね?
まだまだ、今回のようなひどい実態は沢山ありそうです。
そもそもが、ブリーディングというもの自体が、不自然な繁殖であり、遺伝子の破壊でしかありません。
ブリーディングがなければ、スコティッシュフォールドなどの苦しむ種は存在せずに済みました。
犬のことを考えもせず、人間好みの外見を作り、人間都合の繁殖を行う、ブリーディングというものが、良い、なんてことはありえません。
ペットショップやブリーダーから買う人がいる限り、犬猫の地獄は終わることはありません。
外見とか、血統とか、年齢とかいった、自身の欲を優先させるのではなく、恵まれない保護犬や保護猫を引き取る、あるいは飼わないという選択をしてください。