別にファンじゃなかったけれど、報道を見ていて感じた事があったので、
少し書きたいと思います。
彼女がまだ、ワイルドキャッツというバンドを組んでいた頃、
新幹線のホームで彼女を見かけた事がありました。
東京駅から仙台まで、
同じ新幹線に乗ったのです。
他のメンバーはバックバンドなので普通の指定席に
重そうな楽器を背負って乗り込み、
彼女はグリーン車のようで、
メンバーと別れ、
私の前を横切って行きました。
ちょうどその時、一緒に歩いていたマネージャーらしき人に、
「ちょっと、アンタさー!」
と言っていました。
マネージャーといっても、随分年上の人に対してあんな言い方して、
「思ってた通り、生意気なやつダな」 というのが私の印象でした。
彼女が亡くなって、友人達がインタビューに答えていました。
みんな、彼女の頑張りや、明るさ、そして優しさについて、
口をそろえて称えていました。
亡くなった人を悪くいう人はいないと思うけれど、
でも、今回強く感じるのは、
みんな本当に悲しんで、涙を流していた事でした。
有名人が亡くなった時、よく、縁のある人がコメントをしますが、
みんながあのように人前で泣いてしまうわけではありません。
彼女は本当にみんなに愛されていたんだな、と感じました。
人は変われるのです。
彼女は努力して、自分の声を、歌を磨いたように、
自分自身も磨いていたのだと思います。
仕事にも恵まれ、周囲にも恵まれ、
自分の居場所を見つける事が出来たからかもしれませんが、
でも、確かに彼女は努力して、素敵な女性に成長していたのだと思います。
私は、頑張る人の尊さ、というものを、あらためて感じました。
私は頑張った事など無い人間です。 実は、頑張り方もわからないです。
でも、頑張れば人はこんなに変われるんだ、という事はわかったのです。
彼女のおかげで。
亡くなってしまってからその人の良さに気付くなんて、悲しい事ですが、
彼女は、ファンでなかった人たちの心にも、
爽やかな何かを残してくれたのではないでしょうか。
心よりご冥福をお祈りいたします。