父の会社がぽしゃったので
(前にも申し上げた通り、倒産したワケではなく、
県からの移転要請に伴い、事業縮小する事になった為)
一緒に職業安定所に行きました。
私はいつものようにパソコンでの求人検索を申し込み、
父はなにやら書類を書かされる様子。
職安は相変わらず混んでいて、
私の順番が回ってくるまで時間があるようだったので、
父の手伝いをする事にしました。
この、書類というのが、
ピンクのやけに小さい文字で項目が書いてあり、老人には見えにくい!
その上父は、現場一筋50年のオトコ。
完全に舞い上がってしまいました。
私 「ここに名前を書くの」
父 「ここか」
私 「違うよ、ここ」
父 「ここか」
私 「そうそう」
父 「漢字でか」
私 「!ソーダヨ!」
父 「シャカシャカ(名前を書く音)」
私 「で、ここにフリガナ」
父 「漢字でか」
私 「(同じ名前、二行並べて、ドースンダヨ! い、いや、ここは冷静に)
カタカナで」
父 「シャカシャカ」
私 「(あ、あ、濁点まで同じマスに・・・
あ、あ、苗字のあと、ひとマス開けてない、
いや、冷静に、冷静に、)
ここに住所書いて」
父 「カタカナか」
私 「(コントかよ)
漢字で。 (あー、ワクからはみ出してるゥ~)
ここに郵便番号。 (何、こっち見てんの。あ、わかんないのネ)
9、8、1、の、××××ね」
父 「シャカシャカ」
そのうち私の順番が来たので、
私 「あ、行かなきゃ」 と言うと、
父 「ん、あと書いとく、大丈夫ダ」
私 「(心配・・・)」
父を心配しながらパソコン検索して、約30分、
集中できないまま終了し、
待合所、というか、いす席を見ても、父はいない・・・。
相談員の席を探しても、やはり父の姿はない。
もしや、と思い、おそるおそる振り向くと、
そこにはさっきと同じままの状態の父が・・・。
蝋人形かと思ったサ。
手元を見ると、やっぱり全く進んでいない!
私 「まだ終わってなかったの」
父 「んー、何書いてあるか、め~ないんダァ~」
私 「(職員に聞けヨ! 父よ~)」
現場一筋50年!
そして、その後も、また悲劇が父を襲います。 続く。