2011年12月末。
母の誕生日に合わせて両親の還暦のお祝いを兄と企画しました。
場所は六本木・乃木坂。
すぐ近くに東京ミッドタウンのライトがきらきら輝いて、
正面にソニーミュージック本社と真横にカツラユミのド派手な宮殿がででんとそびえ、
もう見るからに高そうな店構えの超セレブフレンチ。
なんと1人17000円。
きゃーーーっ。
厳かに始まったコースディナー。
フォアグラにトリュフ、白子に蟹にエゾ鹿肉。
これでもかという程あらゆるものにトリュフや金箔がまぶしてあって、
もういっそふりかけみたいで逆に有難くない。
向こう側にはどうやら著名な方がお食事しているらしく、
代わる代わる身なりのご立派な方々がお出ましいらっしゃる。
そんな本物のセレブ達がディナーを楽しむ中、
我々なんちゃってセレブの脇田家もさも上品そうにナイフを動かす。
「何この泡?」
「トリュフの泡らしいよ」
「嗅いでみてよ」
「うーん…、キノコの匂い」
「うん、土臭いね」
ひそひそと交わす会話も傍から見ればきっと上流階級。
そんなディナーがしばらく進んだのち、
母三枝子がおもむろに口を開いた。
「お兄ちゃんって、よく見るとキムジョンウンに似てるわね」
本 当 だ ! !
それからはひたすら「うちのお兄ちゃんはキムジョンウン」の話題に尽き、
ディナーの終盤には呼び名も「お兄ちゃん」から「将軍様」に変わっていた。
興奮気味に
「将軍様」「我らの」「偉大なる」「来日」「ディズニーランド」
という単語を連発していた為、
その内周りもちらちらと兄・隼太郎を気にし始め視線を配る。
ペリエを注ぎに来たウェイターさんも、「マンセイ!」の言葉にハッとする。
その日が年内最終営業日でかつ閉店時間間際だったセレブレストラン。
上品に、厳かに、かつキラキラと華やいでいたその空間で、
「おおっ、似すぎだろ」
という隣のテーブルから聞こえた実に庶民的なささやきを、
脇田家は逃さずキャッチした事で大いに満足を得たという、
実に庶民的な楽しみを満喫したお祝いでした。
ちなみにそんな豪華な食事や10数万円のプレゼントの中両親が一番喜んでくれたのは、
私とおにいちゃんの昔と今の写真を貼った、
2000円の写真立てだったっていう、
ちょっといい話で終わり☆
マンセイ!!












