愛知県犬山市の仏像専門の骨董店「珍品家」です。
今日は、珍品、地蔵(じぞう)堂の紹介です。
地蔵堂は、地蔵菩薩様を祀(まつ)る堂のことです。
以前、お地蔵さんと観音開きの地蔵堂を紹介しました。
このお地蔵さんと地蔵堂は、良い評価を頂きました。
今日も気に入りの地蔵堂二堂の紹介です。
その一堂。
六本の柱に六角の屋根、見事な地蔵堂です。
作りは寸部の狂いもない精密さで如何にお地蔵様を大切にしてきたか、お地蔵様を分かっている人の製作ですよね。
この地蔵堂に安置されているのは、優しいお顔立ちの石のお地蔵さんです。
お地蔵さんは、地蔵菩薩ともいわれて、内面も慈悲深くて肝要で、仏教界で言う如来様(釈迦如来、阿弥陀如来、大日如来、薬師如来等)になるために修行をされている仏様で、下々の民百姓と共に歩み、百姓達の信仰の対象となった身近な仏様です。
仏像は、仏様の姿を現し、目に見えない仏様の姿を実際に見て拝んでもらうために作られたのが製作の始まりなんですが、珍品家は、出会う度に感動して傍(そば)に置きたくなります。
紹介します石の仏様も心癒されるご尊顔をされています。
もう一堂の地蔵堂です。
作者は同じ方のようです。
ちょっと小ぶりですが、作りは細かくて、器用だけじゃ作れない地蔵堂です。
下の写真
二堂が揃いました。
左の堂が
高さ43㌢、屋根が六角で34㌢、奥行き34㌢、堂の間口が12㌢
右の堂は、
高さ37㌢、屋根が四角で34㌢、奥行き24㌢、堂の間口が16㌢
です。
独創的で一人でコツコツと仕上げた職人さんの技のようですね。
モデルになった地蔵堂があるのでしょうね。
日本は、神仏習合(しんぶつしゅうごう)と言って、奈良時代の頃から日本古来の神様(伊勢・天照大神)
と中国から伝わった仏教とが同居できる関係にあって、神様が宿られる祠(ほこら)と仏様が宿られる厨子(ずし・堂)もごちゃごちゃになって、区別が出来ないのが、この神仏習合が背景にあります。
お地蔵さんは、寺の境内や道端の赤いよだれ掛けのお地蔵さんがお馴染みですが、よだれ掛けは、子供を守る神様の信仰として、子供が元気に育つようによだれ掛けを奉納するんです。
むか~し、むかし、
貧しい笠売り爺さんがお婆さんに正月にお餅を食べさせたくて、吹雪きの中に笠売りに行くんですが、帰りの道中に吹雪の中の6地蔵が忍びないと売れ残った5つの笠と1地蔵には自分が首に巻いていた手拭いを被せるんですが、翌朝、外が賑やかいと目覚めた老夫婦が6地蔵が金銀財宝とお礼のお餅を置いて帰える後ろ姿に手を合わせる話です。
この話も感動しますよね。
日本の神話や昔話は、日本の歴史です。
こんな話は学校教育では教えませんので、家庭の教育で教えて下さいね。
珍品家美濃蔵でした。