運命己知

運命己知

神子・・・私は、お前の影。
いつでも剣となり、楯となろう。
お前の役に立つならば・・・私は幸いだ。


先日、平泉を訪れた。山桜は、まだ残っているか、様子を見に行った。だが、既に、束稲山にも、周辺の山々にも、残っている木は無く、散り終えてしまっていた。

陸奥より北の地では、まだ咲いている場所も、あるのだろうか。


束稲山の頂から、金鶏山の方角に、怨霊の気配を、感じた。

中尊寺、ではない。高館でも、怨霊の姿はない。金鶏山を、探していたその時、毛越寺から、強い気配がした。


やはり、いたな。木の幹に、怨霊が…。
…倒した。だが、私一人では、浄化する事が、叶わぬ。神子、お前の力が必要だ。

怨霊を、倒した後、延年舞が無事に、行われた。


御願円満、息災延命、千秋万歳の祝詞が上げられ、田楽躍や路舞、勅使舞等が、舞われていたな。
境内では、躑躅が咲き、春の小花も、幾何か咲いていた。
延年舞の後、延年茶が皆に、振る舞われた。大麦、玄米、柿葉、熊笹、桑の葉、虎杖、松葉、蓬が入っていると、寺の者が言っていた。
齢を延ばすという茶、神子も、飲むか?




暫く、留守にしていた。済まない。


数日前の名残り雪も去り、雪国には、ようやく春が訪れ始めた。


草色を展張す 長河の畔

花房を点綴す 小樹の頭


河の畔には、青々とした草が生え、小花が咲いている。そして、水鳥が、悠々と泳ぐ。

また、早咲きの桜が、満開になろうとしている。






早咲きの桜以外の桜は、蕾が、固いものが多く、開くまでまだ掛かる。だが、中には、咲かんとする蕾も、ある。


神子の住む場所は、桜が、咲いているだろうか。


今の時期は、季節の、変わり目でもある。体調を万全にして、過ごしなさい。



年が明け、新たな年が、始まった。
神子、新年を、どの様に迎えただろうか。そして、今年は、どの様な一年にしたいと、考えているのだろうか。
…。
私は、神子が、病にならず怪我もせず、生きてくれれば、其でいい。

この一年も、己を信じ、お前の選ぶ道に、進みなさい。私は、お前と共にある。
急に、寒くなったな。神子、大事無いか?

北国の山々では、紅葉が、終わりに近い。

行き交う人々は、十分に防寒した姿で、出歩く。また、来る冬に備え、雪囲いをしている者も、いる。暖をとる際に使う、薪等も、各々、準備をしていたな。

今朝は、幾分か、冷えた。其れ故、高山は、積雪が見られた。

体調を、崩す者が、増えている。神子、体調を崩さぬよう、十分に注意して、過ごしなさい。

今日は、二十四節気のひとつ、白露だな。日中の暑さが、和らぎ始める頃だ。朝晩も僅かに、涼しくなってきた。

夜中には、冷えた大気により、草木にできる露を求め、秋の虫が集まり、鳴いている。

これより段々と、秋の気配が深まってゆく。

 

だが、暑さが和らいでくる時季とはいえ、まだ暑い日はある。また、嵐が多く、発生する時節でもある。

皆、充分注意して、過ごしなさい。