運命己知 -2ページ目

運命己知

神子・・・私は、お前の影。
いつでも剣となり、楯となろう。
お前の役に立つならば・・・私は幸いだ。

今日は、二十四節気のひとつ、白露だな。日中の暑さが、和らぎ始める頃だ。朝晩も僅かに、涼しくなってきた。

夜中には、冷えた大気により、草木にできる露を求め、秋の虫が集まり、鳴いている。

これより段々と、秋の気配が深まってゆく。

 

だが、暑さが和らいでくる時季とはいえ、まだ暑い日はある。また、嵐が多く、発生する時節でもある。

皆、充分注意して、過ごしなさい。

連日連夜、暑さが、厳しい。神子、大事ないか?

夏が、本格的に訪れた。そして同時に、夏の花が、見頃を迎えている。

 

神子が、住む場所では、見頃は過ぎただろうか。庵の周りの紫陽花は、今が見頃なのだ。

 

また、末摘花も、見頃を迎えた。

末摘花は、薬としても、役立つ。花弁を早朝に摘み、乾燥させ、煎じて飲む。血行を、促す薬として、大陸では、古来から飲まれているのだ。

 

そして、滑ひゆも、末摘花の側に、生えていた。今が旬の、野草だ。五行草とも、呼ばれている。これが、滑ひゆだ。

五行草の五行とは、神子も知っている、木火土金水の事だ。滑ひゆには、解毒、消炎、抗菌、止血、整腸、咳止めの、五つの作用が、ある。其れ故、五行草とも、呼ばれているのだ。

食感は、少し、苦味と滑りがある。だが、慣れる事が、できれば、美味だ。

神子、食べてみるか?

 

…。

今日は、七夕、という、星に願う日だったな。

神子の、願いは…。

 

 

暑い日々が、続いている。神子、大事無いか?

初夏、大陸では、桜桃が採れる。疲労回復に、食べる者も多い。
夏は、体力が最も、削がれる時期だ。特に、初夏は、身体が慣れていない。今が、危険なのだ。

大陸から、桜桃を持ってきた。神子、食べるといい。

此から、益々暑さが、続いてゆく。体調を万全にし、過ごしなさい。




梅花が満開になった頃、庵の周りでは、珍しく、桜花もまた、満開になってきた。そして、木蓮、花水木、菫が咲き、土筆や蕗の薹も、大群を成して、顔を出している。

 

若葉に、覆われつつある、小高い山の頂に立てば、春風駘蕩。春風が、長閑に吹き、小川の細流もまた、心地良い。

 

神子、一瞬で過ぎ去る、この百花斉放の今を、存分に楽しむと良い。私も、もう少し、楽しむとしよう。

啓蟄を過ぎ、暖かい日が、続いているな。里山では、少しずつ春が、訪れようとしている。

雪が溶け、動物や虫が動き出し、春を知らせる草花が、芽吹いてきた。神子の周りは、どうだろうか?

 

庵の近くには、連日の暖かさで日々、開花を続けている、梅の木がある。

 

だが、弥生月になっているとはいえ、まだ雪が降る、可能性はある。実際に、吹雪になった年も、あるのだ。

神子、冬から春へ、季節が変わろうとしているこの時季、朝晩と日中の、寒暖差が激しい。また、花粉症、というものも、この時季には、流行ると聞いた。

対策を、万全にして、過ごしなさい。