野球とビジネスは共通するところが多い。
成功(勝つ)ために分析して、仕組みをつくり、メンバーを動機づけして教育する。
得点までの確率を最大化させるために、
打者や投手のくせを分析して、試合にのぞみ、人づくり、組織づくりを行う。
この本では、
野村監督の野球への科学的なアプローチから、
プロフェッショナルとは何か、
組織づくりから、
マネジメントとは何かを学ぶことが出来る一冊でした。
著者:野村克也
■プロ野球選手は野球博士になるべきだ
野村監督ほど、自分の仕事に興味を持ち、知り尽くそうとした人を見たことがありません。
この本からはくどい程に、野村監督の博士ぶりが分かる。
それまで3×3の計9マスで見ることが主流だったストライクゾーンを、それでは足りないと考えて、計81マスに細分化し分析して、
キャッチャーとして、どこに投げさせたら三振を取れるか。
逆に、バッターとして、ピッチャーがどのゾーンに投げてくるかを予測して打った。
ピッチャー、打者の心理を仮説と分析を繰り返して理解した。
誰よりも詳しいから自信を持って、教えられる。
野村監督は、当たり前のことを徹底することで非凡化した人物である。
■選手時代に悩んだり苦労していない、創意工夫していない、
頭を使わずにプレーしてきた、そういった選手はコーチをやってもろくな指導ができない
自分はマネージャーになるまで創意工夫なしに感覚で結果を出したタイプであるため、人に教えることに苦労している。
プレイヤーとして創意工夫すること。
自分と他人の成功・失敗を振り返り、なぜ出来たのか、なぜ出来なかったのかを繰り返し、博士になることで、より良いアドバイスが出来るようになる。
■中心なき組織は機能しない
「野村は一流選手に対して厳しい」
それは、エースや主砲の使命が、勝つ、打つということだけではないからだ。
彼らの持つ大きな使命とは『チームの鑑』になること。
勝ち続ける伝統的な組織をつくるためには中心が必要なのである。
活躍していると、「活躍してるから何をしても良い。」という気持ちになる。
「マンガ喫茶でサボってても、売上あげてるから良いでしょ...」
というやつである。
これを許してしまうと、組織の規律がつくれない。
みんなエース・主砲に憧れ、頼り、マネをする。
活躍する以外に思い重責があることを認識させて、鑑として成長させてなくてはならない。
組織作りは人づくり。
人間学の無いものに指導者、リーダーの資格はない。
■指揮官の重要な仕事は人づくりである
監督は気づかせ屋でなくてはならない。
人をつくって初めてチームづくり、試合づくりに着手できる。
監督は、無知であることを自覚させ、無知は恥なのだと気づかせなくてはならない。
さらに何が正しくて何が間違っているのか、間違いに気づかせて正していく。
<指揮官とは>
1.リーダーいかんによって組織全体はどうにでも変わる
2.リーダーはその職場の気流にならなくてはならない。
3.リーダーの職務は壊す•創る•守る
監督が選手の野球人生、いち生涯を変えてしまう可能性もある。
そういう自覚と責任をもって
『博士になる』
『原理原則を持つ』
『人をつくる』
ことに、体当たりしなくてはならないと実感させられる一冊でした。