最近、論語の素読が流行っているそうです。物も情報も溢れる昨今、今こそ心の修養に力を入れる時なのだと感じています。
とは言え、ここは中国語学習者が集まるブログ。普通に「子曰く…」なんてやっていても面白くないので、原文で論語を見ていきたいと思います。
お気に入りの内容を1つでも2つでも覚えて頂ければ幸いです。
知らず知らずのうちに人間としての軸ができ、中国語のリズムが身体に身につきます。
それに中国人との会話でさらっと論語の引用なんか出したら、「お~!」って言われちゃいますよ♪
◆今日の論語◆
【原文】
学而篇1-11
子曰:“父在,观其(1)志;父没,观其行(2);三年(3)无改于父之道(4),可谓孝矣。”
【ピンイン】
Zi3 yue1:”Fu4 zai4, guan1 qi2 zhi4; fu4 mo4, guan1 qi2 xing2; san1 nian2 wu2 gai3 yu2 fu4 zhi1 dao4, ke3 wei4 xiao4 yi3.”
【解説】
(1)其:「その」「彼の」。ここでは父親ではなく、その子を指す。
(2)行:行為、行動。
(3)三年:「比較的長い間。一定期間。」の意味。古代では特に「3」という数字にこだわる必要はない。
(4)道:一般的に「道」という言葉そのものには良い意味も悪い意味もないが、時に「良い、合理的な」という意味合いを持つ。ここでは、「父が行ってきた、大切にしてきた人としての有り方」と解釈。
(5) 矣:発音「Yi3」。語気助詞。完了や肯定の意味をあらわす。ここでは肯定の意味をとする。
【現代中国語訳】
孔子说;“当他父亲在世的时候,(因为他无权独立行动),要观察他的志向;在他父亲死后,要考察他的行为;若是他对他父亲的合理部分长期不加改变,这样的人可以说是尽到孝了。”
【日本語訳】(by堀江)
孔子先生が仰った。「父が健在の時は、(子は自分勝手に行動できないので)彼の志を見る。父が無くなってからは、彼の行動を見る。もし長い間、父の教えや、大切にしてきた良い生き方を変える事が無ければ、しっかり親孝行が出来たと言っても良いね。」
【所感】
本章では「孝」の具体的な指針の一つを提示しています。
が、「父の教えを守る」とは少し誤解を招く表現であると思います。
何故ならば時代は変わり、価値観も変わる中で、今までの教えを守る事が逆に「不善」となる事もあり得るからです。
また、親にとって、何が一番の親孝行かと言えば、子が自分を超える事ではないでしょうか。
つまり、「父の教えを守る」だけでなく、それを破り、超えていく必要性があると考えます。
ですが、管理、監督者である父が亡くなると直ぐに手のひらを返したようでは、どうみても見ても「孝行者」には見えませんね。
また、もう一方で、今まで父の保護を受けていた自分が、自分の考えで行動を起こす際、「父の教えを守る」事で初めて父の教えの本当の意味が分かる事もあると思うのです。
つまり、今までは受動的に「教えを守っていていればよかった」立場から、今度は積極的に「教えを守る」立場になった際に、積極的にその意義や効果を考えるようになり、そこから得られるものが少なからず有ると思うのです。
そして、そうした上で、自分なりの「改善」を加えていく。
だから孔子も「一生守る」なんて言い方はしていないのではないでしょうか。
こうしてみると、「孝」だけでなく、「学び」の道にも通じそうな考え方ですね。
まさしく「孝から敬に繋がり、敬から学に繋がる」という事ですね。
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最近、論語の素読が流行っているそうです。物も情報も溢れる昨今、今こそ心の修養に力を入れる時なのだと感じています。
とは言え、ここは中国語学習者が集まるブログ。
普通に「子曰く…」なんてやっていても面白くないので、原文で論語を見ていきたいと思います。
お気に入りの内容を1つでも2つでも覚えて頂ければ幸いです。
知らず知らずのうちに人間としての軸ができ、中国語のリズムが身体に身につきます。
それに中国人との会話でさらっと論語の引用なんか出したら、「お~!」って言われちゃいますよ♪
◆今日の論語◆
【原文】
学而篇1-10
子禽(1)问于子贡(2)曰:”夫子(3)至于是邦(4)也,必闻(5)其政,求之与(6),抑(7)与之与?”子贡曰:“夫子温、良、恭、俭、让(8)以得之。夫子之求之也,其诸(9)异乎(10)人之求之与?”
【ピンイン】
Zi3qin2 wen4 yu2 Zi3gong4 yue1: “Fu1zi zhi4 yu2 shi4 bang1 ye3, bi4 wen2 qi2 zheng4, qiu2 zhi1 yu3, yi4 yu3 zhi1 yu3?” Z3gong4 yue1:”Fu1zi wen1, liang2, gong1, jian3, rang4 yi3 de2 zhi1. Fu1zi zhi1 qiu2 zhi1 ye3, qi2 zhu1 yi4 hu1 ren2 zhi1 qiu2 zhi1 yu3 ? ”
【解説】
(1)子禽:姓は「陈」(chen2)、名は「亢」(kang4),字を「子禽」(zi3qin2)と言う。孔子の学生だという説と、そうで無いという説と2つ有る。全く関係ない人のやり取りが名前付で記載されているのもおかしな事なので、正式な門下生では無いにせよ、関係者であると思われる。
(2)子贡:孔子の高弟の一人。姓は「端木」(duan1mu4)名は「赐」(ci4),字を「子贡」(zi3gong4)という。衛国の人で、孔子より31歳若い。紀元前520年生まれ。弁舌の才に恵まれ、孔子は大国の宰相になれると思っていた。《史记》の記載によると、子贡は衛国で商人をやっており、経済的に恵まれていたという。
(3)夫子:当時の敬称。大夫(領地を持った貴族のこと)であった人を総じて「夫子」(fu1zi)と呼んだ。孔子はかつて魯国の司寇(しこう。司法や警察の長。)を務めた事が有る事から、弟子たちは孔子を「夫子」と呼んだ。その後、先生一般を「夫子」と呼ぶようになる。《論語》で登場する「夫子」は全て孔子を指す。
(4)邦:(bang1)。当時、諸侯たちが割拠していた国家。
(5)闻:(wen2)。「预闻」の意。参加し、内情を知る事。
(6)与:(yu3)。軽度の疑問を表す。
(7)抑:(yi4)選択を意味する接続詞。現代中国語の“还是”の意味。
(8)温、良、恭、俭、让:(wen1, liang2, gong1, jian3, rang4)。文字の如く、温厚、善良、恭敬、質素、謙虚。孔子の弟子にの行使に対する称賛。
(9)其诸:(qi2zhu1)語気助詞。「大凡」「或いは」の意味。
(10)乎:(hu1)。介詞。現代中国語の”于”に当たる。場所や対象を表す。
【現代中国語訳】
子禽问子贡说:“老师到了一个国家,总是预闻这个国家的政事。(这种资格)是他自己求得呢,还是人家国君主动给他的呢?”子贡说:“老师温良恭俭让,所以才得到这样的资格,(这种资格也可以说是求得的),但他求的方法,或许与别人的求法不同吧?”
【日本語訳】(by堀江)
子禽 ( しきん )が子貢(しこう)に聞いた。「先生がある国に行くと、必ず国家の政について相談され、関与する事が求められますよね。そのような資格は先生自ら求めるのでしょうか、それとも君主の方から先生に与えるのでしょうか?」子貢が答える。「先生は温厚、善良、恭敬、質素、謙虚をモットーに生活しておられるので、自然とそのような資格を得られるのです。でも、一般的には自ら求めて得るものでしょうから、先生のやり方は、普通の人とは違っているかもしれませんね。」
【所感】
本章は子禽と子貢の対話を通じて、孔子の処世術というか、品格を浮き彫りにしています。孔子が訪れる国々で政治について意見を求められ、重用されるのは、孔子の品格によるものだと。確かに、能力が有りながらも、善良で、押しつけがましくない人には、意見を求めたくなりますよね。
「人から信用して貰えない」、「重要な地位につかせてもらえない」等と不満を持つような事が有ったら、他人を責める前に、自分を省みる必要が有るのではないかと思います。孔子のように「温厚、善良、恭敬、質素、謙虚」であったかと。
面白いのが、ここに「能力」という要素が含まれていない事。
先日西郷さんの「南州翁遺訓」って本を読んだのですが、そこでも、「才能」だけでは組織は収められないと説かれていました。
知識、能力、効率ばかりに目が行って、心にまで目が届きにくい現在になっています。だからこそ、孔子のように温厚、善良、恭敬、質素、謙虚を磨いて行く事が重要になってくるのではないでしょうか。
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知らず知らずのうちに人間としての軸ができ、中国語のリズムが身体に身につきます。
それに中国人との会話でさらっと論語の引用なんか出したら、「お~!」って言われちゃいますよ♪
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【原文】
学而篇1-10
子禽(1)问于子贡(2)曰:”夫子(3)至于是邦(4)也,必闻(5)其政,求之与(6),抑(7)与之与?”子贡曰:“夫子温、良、恭、俭、让(8)以得之。夫子之求之也,其诸(9)异乎(10)人之求之与?”
【ピンイン】
Zi3qin2 wen4 yu2 Zi3gong4 yue1: “Fu1zi zhi4 yu2 shi4 bang1 ye3, bi4 wen2 qi2 zheng4, qiu2 zhi1 yu3, yi4 yu3 zhi1 yu3?” Z3gong4 yue1:”Fu1zi wen1, liang2, gong1, jian3, rang4 yi3 de2 zhi1. Fu1zi zhi1 qiu2 zhi1 ye3, qi2 zhu1 yi4 hu1 ren2 zhi1 qiu2 zhi1 yu3 ? ”
【解説】
(1)子禽:姓は「陈」(chen2)、名は「亢」(kang4),字を「子禽」(zi3qin2)と言う。孔子の学生だという説と、そうで無いという説と2つ有る。全く関係ない人のやり取りが名前付で記載されているのもおかしな事なので、正式な門下生では無いにせよ、関係者であると思われる。
(2)子贡:孔子の高弟の一人。姓は「端木」(duan1mu4)名は「赐」(ci4),字を「子贡」(zi3gong4)という。衛国の人で、孔子より31歳若い。紀元前520年生まれ。弁舌の才に恵まれ、孔子は大国の宰相になれると思っていた。《史记》の記載によると、子贡は衛国で商人をやっており、経済的に恵まれていたという。
(3)夫子:当時の敬称。大夫(領地を持った貴族のこと)であった人を総じて「夫子」(fu1zi)と呼んだ。孔子はかつて魯国の司寇(しこう。司法や警察の長。)を務めた事が有る事から、弟子たちは孔子を「夫子」と呼んだ。その後、先生一般を「夫子」と呼ぶようになる。《論語》で登場する「夫子」は全て孔子を指す。
(4)邦:(bang1)。当時、諸侯たちが割拠していた国家。
(5)闻:(wen2)。「预闻」の意。参加し、内情を知る事。
(6)与:(yu3)。軽度の疑問を表す。
(7)抑:(yi4)選択を意味する接続詞。現代中国語の“还是”の意味。
(8)温、良、恭、俭、让:(wen1, liang2, gong1, jian3, rang4)。文字の如く、温厚、善良、恭敬、質素、謙虚。孔子の弟子にの行使に対する称賛。
(9)其诸:(qi2zhu1)語気助詞。「大凡」「或いは」の意味。
(10)乎:(hu1)。介詞。現代中国語の”于”に当たる。場所や対象を表す。
【現代中国語訳】
子禽问子贡说:“老师到了一个国家,总是预闻这个国家的政事。(这种资格)是他自己求得呢,还是人家国君主动给他的呢?”子贡说:“老师温良恭俭让,所以才得到这样的资格,(这种资格也可以说是求得的),但他求的方法,或许与别人的求法不同吧?”
【日本語訳】(by堀江)
子禽 ( しきん )が子貢(しこう)に聞いた。「先生がある国に行くと、必ず国家の政について相談され、関与する事が求められますよね。そのような資格は先生自ら求めるのでしょうか、それとも君主の方から先生に与えるのでしょうか?」子貢が答える。「先生は温厚、善良、恭敬、質素、謙虚をモットーに生活しておられるので、自然とそのような資格を得られるのです。でも、一般的には自ら求めて得るものでしょうから、先生のやり方は、普通の人とは違っているかもしれませんね。」
【所感】
本章は子禽と子貢の対話を通じて、孔子の処世術というか、品格を浮き彫りにしています。孔子が訪れる国々で政治について意見を求められ、重用されるのは、孔子の品格によるものだと。確かに、能力が有りながらも、善良で、押しつけがましくない人には、意見を求めたくなりますよね。
「人から信用して貰えない」、「重要な地位につかせてもらえない」等と不満を持つような事が有ったら、他人を責める前に、自分を省みる必要が有るのではないかと思います。孔子のように「温厚、善良、恭敬、質素、謙虚」であったかと。
面白いのが、ここに「能力」という要素が含まれていない事。
先日西郷さんの「南州翁遺訓」って本を読んだのですが、そこでも、「才能」だけでは組織は収められないと説かれていました。
知識、能力、効率ばかりに目が行って、心にまで目が届きにくい現在になっています。だからこそ、孔子のように温厚、善良、恭敬、質素、謙虚を磨いて行く事が重要になってくるのではないでしょうか。
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中国コミュニケーションコーチ
堀江 昇
Blog: http://ameblo.jp/chinahorie/
こんにちは。
中国コミュニケーションコーチ堀江です。
さて、前回に続き、「中国語のピンインの覚え方のコツ」についてです。
「ピンインが分からない」という原因を、
1、ピンインの読み方が分からない。
2、漢字の読み方が分からない。
の2つに分けて、前回は1の「ピンインの読み方が分からない」について説明しました。
読んでいない方はこちらをご覧ください。
中国語のピンインの覚え方のコツ1:「読み方が分からない」
では、今日は「漢字の読み方が分からない」を解説していきますね。
例えば、中国語で
「我是日本人.」
と見て、直ぐに
「Wo3 shi4 ri4 ben3 ren2」
とピンインが出てこない。
ぶっちゃけ、これも「一つ一つ漢字を引いて、覚えてください。」が答えなんですが、いくつか傾向と対策もあるので、それをご紹介します。
1.日本語の読みを引きずらない
例えば、「我」を「ga」とは読まず、「wo3」と読む。
「いやいや、当たり前じゃないですか!」
って突っ込むあなた!
良かった。そういうあなたはきっと大丈夫。
ですが、結構いるんですよ。
「なんで「我」を「wo3」って読むんですか?」って質問する人が。
日本人は下手に漢字文化なので、無意識にそっちに引っ張られるようなんですね。
しかも「我」なんて、漢字だけ見たら日本語も中国語も同じ、意味も同じ。
そこで読み方だけ違う事に対して頭が違和感を覚えるようなんです。
これはもう完全に意識するかしないかの問題ですが、大前提として「日本語と中国語は違う言葉である」という事を再度認識してください。
少なくともそれだけで、「あぁ~!なんでこの漢字こんな変な読み方するんだよぉっ!」というイライラから解放されるはずです。
2.漢字の構造を理解する。「
漢字の部首には2種類有ります。
1つは意味を表す「意符」、もう一つが音を表す「声符」です。
例を出した方が分かり易いですね。
例えば、
「芬、氛、纷、汾、粉、份、忿」の場合。
声調はそれぞれ違いますが、全部「fen」と読みます。
そして、全ての漢字に共通している「分」これが、音を表す声符となります。
もう一つ、例えば、「粮」という漢字の左側の「米」、これは穀物である事を意味を表す意符となります。
漢字は基準となる少数の漢字を除き、通常は意味を表す「意符」と音を表す「声符」から構成されているのです。
先ほどの「粮」も、
「米」=食糧を意味する。
「良」=音を意味する。「Liang2」
って事で、「粮」は「Liang2」と読むわけです。
また、先ほどは「芬、氛、纷、汾、粉、份、忿」(fen)のように分かり易い例を出しましたが、声符と読み方が違うパターンが主に3つ有ります。
1.声母が違う。
あっ、ちなみに、「声母」(せいぼ)とは中国のピンインを構成する要素の一つで、英語で言えば「子音」みたいなものです。
「Wo」なら「W」が声母となります。
反対に、英語の「母音」にあたるのを「.韻母」(いんぼ) と言います。
「Wo」なら「o」が韻母となります。
例えば、
赴(fu4)と卜(bu3)
同じ、声符「卜」を持ちますが、声母が「f」と「b」で事なります。
他にも、
桃(tao2)と兆(zhao4)
共通部分が「ao」で、声母が「t」と「zh」で事なります。
2.韻母が違う。
今度は逆のケースですね。
例えば、
废(fei4)と发(fa1)
声母が「f」で共通していて、韻母が「ei」と「a」で異なります。
他にも、
结(jie2)と吉(ji2)
声母が「j」で共通していて、韻母が「ie」と「i」で異なります。
3.全く違う
これは例外って事で、仕方が無いですね。
と、ちょっと小難しい話をしましたが、これはざっくりと覚えていれば大丈夫です。
もちろん例外も沢山あるので、「漢字が読めないけど読まなきゃいけない」とか、「パソコンで中国語を入力したいけど、ピンインが分からない」って時に、こうじゃないかな~?と「あたり」をつけるくらいでしょうか。
また、実際に辞書で読み方を調べた際に、「やっぱりこの漢字はこう読むのか」と理解していれば、覚えるのも早くなります。
「丸暗記」なのか、「理解した上での暗記」なのか。
後者の方がずっと記憶に残ります。
3.日本語の「音読み」を参考にする。「
上述の「1.日本語の読みを引きずらない」と反対の事を言っていますね。
分かっていますよ。(@^▽^@)
「日本語の読みを引きずらない」って言うのは気持ちの上での話しで、
「日本語の「音読み」を参考にする」って言うのはテクニック的な話だと理解してくれると嬉しいです。
ご存知の通り、日本の漢字って中国から伝わってきた訳ですよね?
そして、伝わったのは漢字の「形」だけではなく、「音」も伝わってきたわけです。
それが漢字の「音読み」ってやつです。
(ちなみに、元々あった日本語に漢字をくっつけたのが「訓読み」です。)
もちろん、当時の中国語は今の中国語と違います。
でも、元をただせば同じ中国語。
日本の漢字の「音読み」からも、何となーく中国語の発音が見えてくるんですね。
「見えてくる」というか「パターン化される」と言えば良いでしょうか。
1つ、有名な例を出しますね。
ちなみに、中国語の学校に通っている方。
先生がこの話を知らなければ、その先生はへなちょこ先生だと思って良いくらい、実用的且つ有名な例です。
中国語学習者を悩ませる発音の一つに「n」と「ng」というのが有ります。
中国語を勉強していない方にも分かるように説明すると、
両方とも同じ「ン」の発音なんですが、
「n」がきっぱりと切る「ン」、
「ng」が鼻にかかる「ン」。
え~と、もっと分かり安く言うと、
「案内」(あんない)の「ん」は「n」で、
「案外」(あんがい)の「ん」は「ng」です。
ちょっと言ってみてください。
どう?ちがうでしょ?
日本語はこの2つの「ン」使い分ける言語体系ではないので特に注意する事はないのですが、中国語ははっきりとこの2つの「ン」を使い分けるんですね。
で、どの漢字が「n」なのか「ng」なのかですが、日本の漢字から判断が出来るんです。
それは、
音読みで読んで「ん」で終われば、中国語でも「n」で、それ以外は「ng」。
例えば、林。
音読みは「りん」、中国語は「lin」。
その他にも良く見る「りん」と読む、「琳、凛、臨、隣、吝、霖」は中国語でも「lin」。
もちろん例外もありますよ。
鈴は音読みで「りん」でも、中国語では「ling」で「ng」となります。
でも、大体は当たっています。
これも例外は沢山ありますので、多用は出来ませんが、「日本語の読み方は分かるんだけど!」という漢字が有れば、試してみる価値はあります。
例えば、「紅」の中国語は「hong2」、音読みは「こう」と知っています。
「洪」という漢字の中国語は分からないけど、音読みは「こう」と知っています。
すると、「う~ん、同じ『hong』かな?」と見当がつくわけです。
(そして実際に「洪」の読み方は「紅」と同じ「hong2」です。)
もちろん、上述の「声符」も応用できます。
「共」は中国語で「gong4」ですので、声母が違うだけで、発音は近いですよね。
ちなみに、中国人でも全ての漢字を読めるわけではありません。
例えば、私の名前の「堀」の字。
中国語にはあるのですが、常用漢字ではないので、ほとんどの方が読めません。
では、彼らは何と読むかというと、似たような漢字の「掘」の発音「jue2」と読むんですね。
(上述の声符の事を知っている中国人は、「屈」という字が「qu1」よ読むので、こちらに近い発音で読みます。)
さて、長くなってしまいましたが、「漢字の読み方が分からない。」というお悩みの解決のヒントをご紹介しました。
もちろん、上記ご紹介したのはちょっとした考え方のコツなので、原則は「面倒だと思わずに、分からない漢字に出会ったら辞書を引く」ですが、調べられない環境下や、ちょっとした理解の一助になれば幸いです。
ピンインが読める、分かるという事は「発音を聞いても分かる」という会話能力の基礎になります。
ここを面倒臭がって適当に過ごすと、後に壁にぶつかるので、しっかりと基礎を作るようにしてくださいね。
ではでは!
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中国コミュニケーションコーチ堀江です。
さて、前回に続き、「中国語のピンインの覚え方のコツ」についてです。
「ピンインが分からない」という原因を、
1、ピンインの読み方が分からない。
2、漢字の読み方が分からない。
の2つに分けて、前回は1の「ピンインの読み方が分からない」について説明しました。
読んでいない方はこちらをご覧ください。
中国語のピンインの覚え方のコツ1:「読み方が分からない」
では、今日は「漢字の読み方が分からない」を解説していきますね。
例えば、中国語で
「我是日本人.」
と見て、直ぐに
「Wo3 shi4 ri4 ben3 ren2」
とピンインが出てこない。
ぶっちゃけ、これも「一つ一つ漢字を引いて、覚えてください。」が答えなんですが、いくつか傾向と対策もあるので、それをご紹介します。
1.日本語の読みを引きずらない
例えば、「我」を「ga」とは読まず、「wo3」と読む。
「いやいや、当たり前じゃないですか!」
って突っ込むあなた!
良かった。そういうあなたはきっと大丈夫。
ですが、結構いるんですよ。
「なんで「我」を「wo3」って読むんですか?」って質問する人が。
日本人は下手に漢字文化なので、無意識にそっちに引っ張られるようなんですね。
しかも「我」なんて、漢字だけ見たら日本語も中国語も同じ、意味も同じ。
そこで読み方だけ違う事に対して頭が違和感を覚えるようなんです。
これはもう完全に意識するかしないかの問題ですが、大前提として「日本語と中国語は違う言葉である」という事を再度認識してください。
少なくともそれだけで、「あぁ~!なんでこの漢字こんな変な読み方するんだよぉっ!」というイライラから解放されるはずです。
2.漢字の構造を理解する。「
漢字の部首には2種類有ります。
1つは意味を表す「意符」、もう一つが音を表す「声符」です。
例を出した方が分かり易いですね。
例えば、
「芬、氛、纷、汾、粉、份、忿」の場合。
声調はそれぞれ違いますが、全部「fen」と読みます。
そして、全ての漢字に共通している「分」これが、音を表す声符となります。
もう一つ、例えば、「粮」という漢字の左側の「米」、これは穀物である事を意味を表す意符となります。
漢字は基準となる少数の漢字を除き、通常は意味を表す「意符」と音を表す「声符」から構成されているのです。
先ほどの「粮」も、
「米」=食糧を意味する。
「良」=音を意味する。「Liang2」
って事で、「粮」は「Liang2」と読むわけです。
また、先ほどは「芬、氛、纷、汾、粉、份、忿」(fen)のように分かり易い例を出しましたが、声符と読み方が違うパターンが主に3つ有ります。
1.声母が違う。
あっ、ちなみに、「声母」(せいぼ)とは中国のピンインを構成する要素の一つで、英語で言えば「子音」みたいなものです。
「Wo」なら「W」が声母となります。
反対に、英語の「母音」にあたるのを「.韻母」(いんぼ) と言います。
「Wo」なら「o」が韻母となります。
例えば、
赴(fu4)と卜(bu3)
同じ、声符「卜」を持ちますが、声母が「f」と「b」で事なります。
他にも、
桃(tao2)と兆(zhao4)
共通部分が「ao」で、声母が「t」と「zh」で事なります。
2.韻母が違う。
今度は逆のケースですね。
例えば、
废(fei4)と发(fa1)
声母が「f」で共通していて、韻母が「ei」と「a」で異なります。
他にも、
结(jie2)と吉(ji2)
声母が「j」で共通していて、韻母が「ie」と「i」で異なります。
3.全く違う
これは例外って事で、仕方が無いですね。
と、ちょっと小難しい話をしましたが、これはざっくりと覚えていれば大丈夫です。
もちろん例外も沢山あるので、「漢字が読めないけど読まなきゃいけない」とか、「パソコンで中国語を入力したいけど、ピンインが分からない」って時に、こうじゃないかな~?と「あたり」をつけるくらいでしょうか。
また、実際に辞書で読み方を調べた際に、「やっぱりこの漢字はこう読むのか」と理解していれば、覚えるのも早くなります。
「丸暗記」なのか、「理解した上での暗記」なのか。
後者の方がずっと記憶に残ります。
3.日本語の「音読み」を参考にする。「
上述の「1.日本語の読みを引きずらない」と反対の事を言っていますね。
分かっていますよ。(@^▽^@)
「日本語の読みを引きずらない」って言うのは気持ちの上での話しで、
「日本語の「音読み」を参考にする」って言うのはテクニック的な話だと理解してくれると嬉しいです。
ご存知の通り、日本の漢字って中国から伝わってきた訳ですよね?
そして、伝わったのは漢字の「形」だけではなく、「音」も伝わってきたわけです。
それが漢字の「音読み」ってやつです。
(ちなみに、元々あった日本語に漢字をくっつけたのが「訓読み」です。)
もちろん、当時の中国語は今の中国語と違います。
でも、元をただせば同じ中国語。
日本の漢字の「音読み」からも、何となーく中国語の発音が見えてくるんですね。
「見えてくる」というか「パターン化される」と言えば良いでしょうか。
1つ、有名な例を出しますね。
ちなみに、中国語の学校に通っている方。
先生がこの話を知らなければ、その先生はへなちょこ先生だと思って良いくらい、実用的且つ有名な例です。
中国語学習者を悩ませる発音の一つに「n」と「ng」というのが有ります。
中国語を勉強していない方にも分かるように説明すると、
両方とも同じ「ン」の発音なんですが、
「n」がきっぱりと切る「ン」、
「ng」が鼻にかかる「ン」。
え~と、もっと分かり安く言うと、
「案内」(あんない)の「ん」は「n」で、
「案外」(あんがい)の「ん」は「ng」です。
ちょっと言ってみてください。
どう?ちがうでしょ?
日本語はこの2つの「ン」使い分ける言語体系ではないので特に注意する事はないのですが、中国語ははっきりとこの2つの「ン」を使い分けるんですね。
で、どの漢字が「n」なのか「ng」なのかですが、日本の漢字から判断が出来るんです。
それは、
音読みで読んで「ん」で終われば、中国語でも「n」で、それ以外は「ng」。
例えば、林。
音読みは「りん」、中国語は「lin」。
その他にも良く見る「りん」と読む、「琳、凛、臨、隣、吝、霖」は中国語でも「lin」。
もちろん例外もありますよ。
鈴は音読みで「りん」でも、中国語では「ling」で「ng」となります。
でも、大体は当たっています。
これも例外は沢山ありますので、多用は出来ませんが、「日本語の読み方は分かるんだけど!」という漢字が有れば、試してみる価値はあります。
例えば、「紅」の中国語は「hong2」、音読みは「こう」と知っています。
「洪」という漢字の中国語は分からないけど、音読みは「こう」と知っています。
すると、「う~ん、同じ『hong』かな?」と見当がつくわけです。
(そして実際に「洪」の読み方は「紅」と同じ「hong2」です。)
もちろん、上述の「声符」も応用できます。
「共」は中国語で「gong4」ですので、声母が違うだけで、発音は近いですよね。
ちなみに、中国人でも全ての漢字を読めるわけではありません。
例えば、私の名前の「堀」の字。
中国語にはあるのですが、常用漢字ではないので、ほとんどの方が読めません。
では、彼らは何と読むかというと、似たような漢字の「掘」の発音「jue2」と読むんですね。
(上述の声符の事を知っている中国人は、「屈」という字が「qu1」よ読むので、こちらに近い発音で読みます。)
さて、長くなってしまいましたが、「漢字の読み方が分からない。」というお悩みの解決のヒントをご紹介しました。
もちろん、上記ご紹介したのはちょっとした考え方のコツなので、原則は「面倒だと思わずに、分からない漢字に出会ったら辞書を引く」ですが、調べられない環境下や、ちょっとした理解の一助になれば幸いです。
ピンインが読める、分かるという事は「発音を聞いても分かる」という会話能力の基礎になります。
ここを面倒臭がって適当に過ごすと、後に壁にぶつかるので、しっかりと基礎を作るようにしてくださいね。
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中国コミュニケーションコーチ堀江 昇
Blog: http://ameblo.jp/chinahorie/
辞書には無い中国語シリーズでは、流行語やネット用語など、辞書には載っていないけど、中国人とコミュニケーションする際にはよく使うよ、という言葉を紹介しています。
(中国語部分は中国語フォントで入力しています。)
『御姐』(yu4 jie3)
【使用例】
日本のアニメが好きなAとB。
好きなキャラについて話している。
A:我喜欢可爱的,有精神的女孩子!真希望有那样的妹妹!
B:你是萝莉控啊。我就是喜欢御姐型的。还是成熟的女人好。
(日本語)
A:俺は可愛い、元気のある女の子が好きだな!あんな妹がいたら良いよね!
B:お前はロリコンか。俺はお姉さま系が良いなぁ。やっぱり成熟した女性が良いわ。
【解説】
『御姐』 、直訳すると「おねえ」となってしまいますが、日本語で「おねえキャラ」と言ってしまうと、IKKOさんとか、明らかにあっちのイメージが強いと思います。
一方、中国語の『御姐』は「お姉さまキャラ」、特にアニメや漫画等で「成熟した、大人のイメージを持つ女性キャラ」を指す事になります。
『御姐』と呼ばれる定義を大雑把に言いますと、
・年齢20歳~36歳くらい
・優しい。面倒見が良い。(母性がある。)
・賢い。
・優雅。
・自信家。
等が挙げられるようです。
例えば、エヴァンゲリオンの葛城ミサトは『御姐』キャラに当たるそうですよ。
http://baike.baidu.com/view/49483.htm
【質問大募集!】
本サイトでは中国語に関する質問を募集しています。
こういう時どういうの?とか、日本のこれを中国語で言うと?など、疑問に思った事をコメント欄に書いてください。
コーナーで取り上げさせていただきます!
今日の話は面白かったですか?
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中国コミュニケーションコーチ
堀江 昇
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『御姐』(yu4 jie3)
【使用例】
日本のアニメが好きなAとB。
好きなキャラについて話している。
A:我喜欢可爱的,有精神的女孩子!真希望有那样的妹妹!
B:你是萝莉控啊。我就是喜欢御姐型的。还是成熟的女人好。
(日本語)
A:俺は可愛い、元気のある女の子が好きだな!あんな妹がいたら良いよね!
B:お前はロリコンか。俺はお姉さま系が良いなぁ。やっぱり成熟した女性が良いわ。
【解説】
『御姐』 、直訳すると「おねえ」となってしまいますが、日本語で「おねえキャラ」と言ってしまうと、IKKOさんとか、明らかにあっちのイメージが強いと思います。
一方、中国語の『御姐』は「お姉さまキャラ」、特にアニメや漫画等で「成熟した、大人のイメージを持つ女性キャラ」を指す事になります。
『御姐』と呼ばれる定義を大雑把に言いますと、
・年齢20歳~36歳くらい
・優しい。面倒見が良い。(母性がある。)
・賢い。
・優雅。
・自信家。
等が挙げられるようです。
例えば、エヴァンゲリオンの葛城ミサトは『御姐』キャラに当たるそうですよ。
http://baike.baidu.com/view/49483.htm
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中国コミュニケーションコーチ
堀江 昇
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最近、論語の素読が流行っているそうです。物も情報も溢れる昨今、今こそ心の修養に力を入れる時なのだと感じています。
とは言え、ここは中国語学習者が集まるブログ。
普通に「子曰く…」なんてやっていても面白くないので、原文で論語を見ていきたいと思います。お気に入りの内容を1つでも2つでも覚えて頂ければ幸いです。
知らず知らずのうちに人間としての軸ができ、中国語のリズムが身体に身につきます。
それに中国人との会話でさらっと論語の引用なんか出したら、「お~!」って言われちゃいますよ♪
◆今日の論語◆
【原文】
学而篇1-9
曾子(1)曰:“慎终(2)追远(3),民德归厚(4)矣(5)。”
【ピンイン】
Zeng1 zi3 yue1:”Shen4 zhong1 zhui1 yuan3, min2 de2 gui1 hou4 yi3”
【解説】
(1)曾子:曾子(そうし)。姓は曾、名は参(音shen1)、字は子舆。紀元前505年生まれ。鲁国人。鲁に滅ぼされた鄫(そう)国の貴族の末裔。曾参は孔子の高弟の一人で、孝行者で有名。孝道を説いた《孝経》(こうきょう)は彼が書いたものと言われる。
(2)慎终:「慎」と「终」に分けて考える。「慎」(shen4)は「慎む」、「慎重」等から分かるように、「分別が有る」「良識的な」という意味。「终」(zhong1)は臨終を迎える事。ここでは父母の死を指す。併せて、「両親の死に対して分別を持って(きちんと礼儀をもって)対応する」となる。
(3)追远:これも「追」と「远」に分ける。「追」(zhui1)はそのままの意味だが、ここでは「追いかける」というより「思いを馳せる」とする。「远」(yuan3)は祖先を指す。併せて、「遠い祖先に思いを馳せる」とする。もちろん、祖先をきちんと祭る、墓参りをする等のアクションも伴うものとする。
(4) 厚:音「hou4」。誠実さや徳が深い事を指す。「厚道」(hou4dao)という言葉もある。
(5) 矣:発音「Yi3」。語気助詞。完了や肯定の意味をあらわす。ここでは肯定の意味をとする。
【現代中国語訳】
曾子说:“谨慎地对待父母的去世,追念久远的祖先,自然会导致老百姓日趋忠厚老实了。”
【日本語訳】(by堀江)
曾子が言った。「両親が無くなった時は良識と礼節を以ってしっかりと弔う。定期的に墓参りを行い、先祖に恥じない生き方をする。そうであれば、人々は自然と誠実で真面目になっていくんだ。」
【所感】
さすが親孝行で有名な曾子の言葉。
でも、面白いのは孔子は一切魂やあの世の事について話をしなかった事です。
孔子の有名な言葉に、「敬鬼神而远之」というのがあります。
直訳してしまうと、「鬼神を敬遠する」となっちゃいますが、意味合いはちょっと違く、「自分は人間世界の事だけしか分からないし、それだけでも『仁』を実践し、教えるだけで精一杯。死後の世界や霊魂の事等知ったことか。」という事なのだろうと思います。
でも、「儒」の人である孔子はそれでも葬儀などの礼節は非常に重視します。
それは「死者」に対してではなく「生者」に対しての実際の効果を見ての事。
社会に対して、父母への敬愛を示す事が、子供の両親への尊敬に繋がり、祖先への礼を示す事が、受け継がれてきた命のリレーを誠実に全うし、次の世代につなげる気持ちに繋がる。
こうして、親子が家族の間に尊敬と礼節を踏まえた関係が作られる。
そして、親子の関係が、君臣の関係、しいては君民の関係にまで広がり、世の中が安定する。
恥ずかしながら、私も子供を持つようになってようやく祖先や亡くなった母への敬慕の念が芽生えてきました。
お墓参りも、今までは父に連れられて、面倒だと思いながらも行っていましたが、今では母の日や母の誕生日等には自分一人でお墓参りをするようになっています。正確には、長男を連れてですね。
長男に「おばあちゃんに会いに行くよ。」というと、「うん!おばあちゃんに会う!」と言いますが、ただの石に向かって何やっているんだろうな、と本心思っている事でしょう。
ただ、見えない「おばあちゃん」という存在を感じ、命のリレーを感じる事に繋がっているのだと思っています。
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知らず知らずのうちに人間としての軸ができ、中国語のリズムが身体に身につきます。
それに中国人との会話でさらっと論語の引用なんか出したら、「お~!」って言われちゃいますよ♪
◆今日の論語◆
【原文】
学而篇1-9
曾子(1)曰:“慎终(2)追远(3),民德归厚(4)矣(5)。”
【ピンイン】
Zeng1 zi3 yue1:”Shen4 zhong1 zhui1 yuan3, min2 de2 gui1 hou4 yi3”
【解説】
(1)曾子:曾子(そうし)。姓は曾、名は参(音shen1)、字は子舆。紀元前505年生まれ。鲁国人。鲁に滅ぼされた鄫(そう)国の貴族の末裔。曾参は孔子の高弟の一人で、孝行者で有名。孝道を説いた《孝経》(こうきょう)は彼が書いたものと言われる。
(2)慎终:「慎」と「终」に分けて考える。「慎」(shen4)は「慎む」、「慎重」等から分かるように、「分別が有る」「良識的な」という意味。「终」(zhong1)は臨終を迎える事。ここでは父母の死を指す。併せて、「両親の死に対して分別を持って(きちんと礼儀をもって)対応する」となる。
(3)追远:これも「追」と「远」に分ける。「追」(zhui1)はそのままの意味だが、ここでは「追いかける」というより「思いを馳せる」とする。「远」(yuan3)は祖先を指す。併せて、「遠い祖先に思いを馳せる」とする。もちろん、祖先をきちんと祭る、墓参りをする等のアクションも伴うものとする。
(4) 厚:音「hou4」。誠実さや徳が深い事を指す。「厚道」(hou4dao)という言葉もある。
(5) 矣:発音「Yi3」。語気助詞。完了や肯定の意味をあらわす。ここでは肯定の意味をとする。
【現代中国語訳】
曾子说:“谨慎地对待父母的去世,追念久远的祖先,自然会导致老百姓日趋忠厚老实了。”
【日本語訳】(by堀江)
曾子が言った。「両親が無くなった時は良識と礼節を以ってしっかりと弔う。定期的に墓参りを行い、先祖に恥じない生き方をする。そうであれば、人々は自然と誠実で真面目になっていくんだ。」
【所感】
さすが親孝行で有名な曾子の言葉。
でも、面白いのは孔子は一切魂やあの世の事について話をしなかった事です。
孔子の有名な言葉に、「敬鬼神而远之」というのがあります。
直訳してしまうと、「鬼神を敬遠する」となっちゃいますが、意味合いはちょっと違く、「自分は人間世界の事だけしか分からないし、それだけでも『仁』を実践し、教えるだけで精一杯。死後の世界や霊魂の事等知ったことか。」という事なのだろうと思います。
でも、「儒」の人である孔子はそれでも葬儀などの礼節は非常に重視します。
それは「死者」に対してではなく「生者」に対しての実際の効果を見ての事。
社会に対して、父母への敬愛を示す事が、子供の両親への尊敬に繋がり、祖先への礼を示す事が、受け継がれてきた命のリレーを誠実に全うし、次の世代につなげる気持ちに繋がる。
こうして、親子が家族の間に尊敬と礼節を踏まえた関係が作られる。
そして、親子の関係が、君臣の関係、しいては君民の関係にまで広がり、世の中が安定する。
恥ずかしながら、私も子供を持つようになってようやく祖先や亡くなった母への敬慕の念が芽生えてきました。
お墓参りも、今までは父に連れられて、面倒だと思いながらも行っていましたが、今では母の日や母の誕生日等には自分一人でお墓参りをするようになっています。正確には、長男を連れてですね。
長男に「おばあちゃんに会いに行くよ。」というと、「うん!おばあちゃんに会う!」と言いますが、ただの石に向かって何やっているんだろうな、と本心思っている事でしょう。
ただ、見えない「おばあちゃん」という存在を感じ、命のリレーを感じる事に繋がっているのだと思っています。
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