6冊目「ジェンダー·クライム」天童荒太 | 本と旅と日々の出来事

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天童荒太さん、永遠の仔読んで以来です。
誰もが容疑者、誰もが当事者。の帯にどういう展開か謎で読んでみました。

薬物入りの飲み物用いての性犯罪。
男子大学生4人によって尊厳も、その後の未来も奪われた女性。
女性本人だけでなく家族、まわりの人たちの平穏な生活をも崩されていく。

ある日土手に転がされていた無惨な遺体。被害者は性犯罪加害者のうちの1人の男子学生の父親。
全裸で後ろ手に縛られ、暴行の跡、遺体からは目には目を、のメッセージがみつかり。
次は誰だ、次々起こる復讐劇か、と思いながら読み進めましたが意外性ある展開に。
違う角度から事件も、当事者たちの生活も動き出すのです。
事件の真相を追う警察小説の様相でしたが、真実の意外性、やりきれなさ、罪と贖罪、考えさせられる話でした。