8冊目「うちの父が運転をやめません」垣谷美雨 | 本と旅と日々の出来事

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大好きな垣谷美雨さん新作出たら必ず読みます。
では、さっそく。
お父さん、何歳まで運転するつもり?

高齢の親が運転している人は少なからず不安になりますよね。
私の場合は実の母がめちゃ危なかしいドライバーだったのですが、説得でなんとか運転やめてくれた過去が。
今は義母しかいなくて、しかも免許もっていないからその不安はないのですが。
誰しも老いる訳で、いづれは自分自身の問題になりうるのです。

過疎化が進む田舎に住む両親、父親の危なかしい運転が気になる雅志。
高齢ドライバーの交通事故ニュースを見聞きするたびに気を揉み、実際危険運転を目の当たりにしていよいよ父親に運転やめてくれ、と切り出します。

そうか!実際問題、買い物や通院の足がなくなることもそうだし、精神的にも運転やめるってことがかなりのダメージになりうるのですよね。
今はお母さんたちも免許もって子供らの送迎やらに活躍しているけど、昭和のお父さんたちは運転はお父さんに、って役目で家庭内で頼りにされていて、運転に誇りをもって家庭内での居場所の一端を担っていたのかもしれませんね。

事が起こってからでは遅いから子供たちにとっては心配!親世代はまだまだできる!難しい問題です。

話は戻って雅志の考えた解決策は物凄く妙案で、緩やかに父親のわだかまりも溶けて田舎の両親の心配もなくなり、一石二鳥!
おまけに、何を考えているかわからなくなった高校生息子との仲もうまくいき。
過疎化進む田舎での高齢ドライバーにとってのなくてはならない足である運転問題と、田舎に住む親の心配と、難しい年頃の息子との距離と、現代社会の多くの人が抱えているような問題を取り上げたドンピシャな題材はさすがに垣谷さん。
ハートフルな暖かい終わり方でしたが、そんなに都合よく事が運ぶかな?ちょっと、現実的じゃないかな、なんて斜めにみてしまいました。