x-rite 対 datacolor 色補正対決【写真編】 | ちんちくりん的視点 “warped view”

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x-riteとdatacolorのカラーチェッカーです

最近、カラーグレーディングということが盛んに言われるようになってきて、新しい技術も出てきているようなので、あらためて写真と動画の色管理を基礎からやりなおそうと思い入手しました

で、このふたつどっちがいいのか、、、

PC周辺のカラーマネジメントはこれまでx-riteのi1やcolor munkiを使ってきたので、x-rite一択でいいようなものなんだけど、写真の場合と動画の場合、使うソフトや目的によっても使い勝手が違うようなので、比べてみたいと思います

今回は写真の色補正です


x-rite cokor checker classicの場合


カラーチャートを入れて写した画像を元に、専用のソフト「color checker camera calibration」で補正用のプロファイルを作成して、画像に適用します



ソフトに取り込むために、ターゲットになる画像をDNGに変換します




PhotoshopやLightroomからDNGに書き出しすることもできます






ドラッグ&ドロップで画像を取り込むと、自動的に画像内のカラーパッチが認識されます

正しく認識されていたら、「プロファイルの作成」ボタンをクリックします




ダイアログが現れるので、指定の場所に(これも自動で指定されます)名前をつけて保存します

ちなみに保存場所は、以下の通り
ユーザー→ライブラリ→Application Support→Adobe→CameraRaw→CameraProfiles

これはAdobe PhotoshopとLightroomでのRaw現像に使うことができるDNGプロファイルです




Camera Raw(またはLightroom)でターゲット画像を開き、作ったプロファイルを適用します

編集タブ→「プロファイル」→「参照」と選択



「▶︎プロファイル」の中に先程保存したプロファイルがあるので、「★(お気に入り)」にチェックを入れます



これでプロファイルの一覧から選べるようになります



プロファイルを適用した状態





さらにホワイトバランスを調整して



実際の色にほぼ近い(?)カラーバランスの画像が得られました

このソフトではほかに、複数の異なる照明の画像からプロファイルを作成したり、16ビットTiff画像からICCプロファイルを作ることもできます



datacolor Spyder Checkr24の場合




x-riteの時と同様にDNGに変換したターゲット画像をSpyderCheckrで開きます



パッチは自動で認識されません
画面に現れた24色パッチを手動で動かしてターゲット画像のパッチと重ねます



重ねた状態です
モードは、・色測・彩度・ポートレート、の3種類がありますが、ここでは「色測」を選びました



「キャリブレーションを保存」でプリセットファイルが保存されます

ここで作られるのはDNGプロファイルではなくて、Lightroom用の現象プリセットてす

ほかに「ACR」「Phocus」という選択肢があります




Lightroomを起動し直すと、新しく作ったプリセットが読み込まれます



ユーザープリセットの中にあります





画像に適用した状態
モードの違いで、上から
・色測
・彩度
・ポートレート

それぞれ印象が違います



ちなみにAdobe DNG Profile Editorの場合


今はもう配布していないようだけど、AdobeにもDNGプロファイルを作成するソフトがありました







使い方はX-riteとほぼ同じで、DNG変換したターゲット画像を読み込んでパッチを認識させ、プロファイルを作ります



少し違うのは、出来たカラーテーブルを自分好みにいじれること
これは色補正(カラーコレクション)というより、カメラごと(レンズごと)のカラーマネジメントのためのもののようです
その話はまた別の機会に



このソフトはdatacolorのチャートとは互換性がありません
パッチの配列がx-riteのとは違うんですね


まとめ

それぞれに使い勝手も違えば、結果も意外なほど違いました
最終的にどういう仕上がりを求めるかで使い分けたり、使うソフトや汎用性で選んだり、しばらくいろいろと試してみようと思います

いずれにせよ、どれが正しい発色なのかということよりも、基準となる色をきちんと押さえておくことで、イメージの再現性や一貫性を保つことの方が重要なことでしょう

次は動画の色補正を試してみます


〓ちん〓