認知症のおばに会って
叔母の家を母と訪れた。75歳の一人暮らし。隣には娘がいるがあまり関係はよろしくないみたいだ。そのおば、最近どうも様子がおかしいのだ。ここ一年くらい待ち合わせをしても、行き違う。時間や場所を間違えるし、待ち合わせに来ないこともあった。母はいつもかんかんに怒って、何考えてるのよ!と言っていたが、認知症だとは思っていなかったようだ。でも、あんたぼけたの!?と母に言われて、叔母が寂しそうに「そうなんよ、あたし認知症。医者にも言われた」と。まだ普通におしゃべりもできるし、家事もまだ、できる。でも少しずつ変化が表れている。まず物を頻繁に無くすようになっていた。今回おうち訪問したのは、銀行の通帳を無くした、ということで、その手続きと年金の振込先の変更手続きのお手伝いだった。そういう「手続き」関係がもはや訳が分からないのだ。そういった手続きをするには、まず、銀行にいって事情を話さないといけない。話そうにも、冷たい(ように見える)事務員に対して、理路整然と説明することなど無理だ。また、書類を渡されて、ここを記入して、この書類をもってきてくださいとか、郵送してくださいなどと言われるが、どこに何を書くかがぴんと来なくなっているのだ。まだ初期に思える、叔母の症状だが、このようにすでに生活上困ることが次々でてきた。次に気づいたのが、部屋の中の荒れ方だ。なんでもかんでもおいている。捨てられない症候群なのはもともとなのか、症状のひとつなのか。空袋や、昔の書類、買いだめした食品、、、それが不規則においてある。 戸棚の引き出しいっぱいに。その日、私と母は走り回って、いろいろな手続きを終えたが、実はその日にも財布を無くした、と言い出して、交番にもお世話になった。叔母の前ではださないようにしたけれど、ドーンと胸が苦しかった。母にとっても大事ないもうと。母の頭の中もその妹のことで今はいっぱいだ。叔母のにぎやかな笑い声だけが健在で、救われる。あああ、人間ってつらいな。そしてパーキンソン病にも、そのリスクがあるのだから。