https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180510-00000013-jij-asia
『【クアラルンプール時事】9日投票のマレーシア総選挙(連邦議会下院、定数222)は即日開票され、マハティール元首相(92)率いる野党連合が過半数の113議席を獲得して勝利した。
ナジブ首相(64)率いる与党連合は79議席にとどまり、1957年の英国からの独立後、初の政権交代が実現する見通しだ。
マハティール氏は10日未明(日本時間同)、記者会見し、総選挙の公式結果の発表前に「事実上、過半数を確保した」と勝利宣言した。
野党連合の首相候補であるマハティール氏自身もクダ州ランカウイ選挙区で当選。2004年以来の国政復帰を果たし、かつて22年間務めた首相に返り咲くことになる。
マハティール氏は「ナジブ氏が敗北を受け入れるかは聞いていない。われわれは報復を求めない。実行したいのは法の支配を取り戻すことだ。法律を破れば、誰もが司法の場に連れて行かれるだろう」と語った。
ナジブ政権は13年の前回総選挙後、政府系ファンド「1MDB」の巨額資金流用疑惑などが発覚。
選挙戦で高い経済成長率を政権の実績としてアピールしたものの、国民の不信を払拭(ふっしょく)できなかった。』
マハティール元首相が率いる野党連合が勝利し、マレーシア初の政権交代となった。
マレーシアでは施行されたばかりの批判が多い法律がある。
悪意を持って事実と異なるニュースやデータを流布した場合、最高50万リンギ(約1400万円)の罰金や6年以下の禁錮刑を科すことを定めている。
それは政権批判や都合が悪いことを言った場合、政府がこの法律を悪用できる可能性があるからだ。 怖いよね。
真実を言ったとしても、それを揉み消され、逆にフェイクニュースを流したと処罰されるかもしれないんだから。
言論の自由という点からも批判があった。
実際、ちょっとしたことで偽ニュースを流したとかでマハティール首相も捜査を受けていたようだし。
現在のナジブ首相は、政府系ファンド「1MDB」の巨額資金流用疑惑などマレーシア国民から不信感をいだかれていたようだね。
マレーシアはちょっと特殊な国で、民族的にはマレー系、中華系、インド系など大きく3つに分かれるけれど、ブミプトラ政策によるマレー系優遇政策がある。
つまり、同じマレーシア国民でもマレー系かそうでないかによって、政府からのバックアップが違ってくるのが公然と認められているんだよね。
色々なことが重なってマレーシア初の政権交代となったんだろう。
でも一番大きいのは元首相であるマハティール氏の存在じゃないかな。
マレーシアだけでなく、世界でも知名度抜群。
実際、首相時代は元医者にもかかわらず、マレーシア経済を劇的に向上させた功績がある。
国政から離れたのは2004年。それから14年。
年も92歳と世界的に見ても突出した高齢政治家。
それでもカリスマ性を保って、次期首相候補だ。
マレーシアの独立以来の政権交代もびっくりだけど、90歳を超えてマハティール氏が再び国のトップになったら、私にはそっちの方が更に驚きだね。
通常だとボケが始まったり、体の自由が利かなくなったりという年齢だけど、そのバイタリティーなど見習うべき点が多い。
そして、マレーシア国民がまだ、このカリスマに期待しているというのも凄いよね!
マハティール政権下のマレーシア 「イスラーム先進国」をめざした22年 (研究双書) [ 鳥居高 ] |