Underground Session

Underground Session

最深部で見た夢

黒い瞳は、文明のあるべき姿も、虹の色も忘れてしまったようだ
歪な輝きに溺れる聖歌都市
配線の色を辿る、僕はまるで、色彩の盗人にでもなった気分だ
ある恍惚の時期に、あるいは収穫の時期に
病の告白をしようと思う

水辺を漂う人影に重なる、日々の境目が感情となり揺れ動く
歪な輝きに溺れる聖歌都市
生死の境目以上に、その喪失と裏切り以上に、人の心を満たすものはない
歪んだ意識によって形作られていく日々
愉快な話をしようと思う

ミクロの世界も、自然の黄金比も、獣の習性も、宣教師の教えも、詩人の抱く幻想も
誰も信じようとはしなかった

ただ毎日するべき事をしているだけで
心は満たされ、記憶は失われる、内なる神よ
黒い瞳は、文明のあるべき姿も、虹の色も忘れてしまったようだ


「作者のコメント」
僕自身、プロ意識といったものは微塵も無い訳でありまして…

その上でフラットな感性や二項対立の構造を強調し続けているのが、タチの悪さだという自覚はしております

フランス人のオッサンで、レミ・ガイヤールっていう人がいるんだけど(笑)

自身の悪戯動画で得た利益を、動物愛護への基金にしているという

僕の活動はそれに最も近いと思いますね、バンクシーもそうじゃないですか

結局のところ、時代の雰囲気や流れみたいなものがあって

自分が、昔とある界隈でエンターテイナ~として君臨していた時期があったのも

(長くは続かなかったが…)そういった時流が存在していたからであって

何事も突発的に始まる訳ではないんでね…あらゆる解釈、誤解、嘲笑に曝されようが

今となってはもう、自分の中では完全に終わった事であって

いちいち昔乗ってた車の事とか、住んでたマンションの間取りなんて、思い出す事ないでしょう?

それと同じような感覚ですかね…

臨床医の黙認によって、生み出された僕の心
構造の跡形もなく、自然の無意識が駆けていく

道標の残像は、巡礼者を苦しめている
知恵と衝動の均衡は保たれているように見える
翼を失っても尚、飛べない理由を探し続けているようなもの

司祭達の妥協案によって、生み出された僕の心
構造の跡形もなく、自然の冷笑が駆けていく

道標の残像は、逃れようのない罪かあるいは
触れては消失する、神の肯定のようにも見えた

自然が飛翔する理由、それが共存の原理と知る


人格四重奏が奏でる、無限旋律はまるで
原理主義と引き換えに、生み出された僕の心
この話の続きは、どこにも記されていない

 

 

「作者のコメント」

作品を生み出す時間は、自分自身を顧みる時間に近いものがありますね

痛みを伴うノスタルジアなど、今までファンタジーでボコってきたオレなんだけど~

すいません、本当に仕事が忙しくて・・

自分が医療従事者だった頃の話は、尊敬する先生の名誉の為にも、やめておこうと思う(苦笑)

今は全く異なる業種、異なる環境、異なる人間関係、異なるお金の出入りなど・・・日常に入り乱れている訳で

その整合性を見出すだけで精一杯だし、シビアになっている自分自身がとてもイヤになる

イヤになるが、作品を作らなくたって、人は生きていけるのにな・・・

作品を作らなければ・・・前進できない、永遠の回帰に佇む事さえできない、僕は一体、何を恐れているのだろうか

 

何処へ着地すればいいのだろう

 

プロペラを身にまとった鳥人間は
純粋な命題を投げ捨て、幻想の壁の前で立ち尽くす
その差し伸べた手の先で、ほつれたワイヤーが貴方を傷つける、孤独
火の扱いも、風の行方も知らず、雪崩のイメージを空に重ねた

プロペラを身にまとった鳥人間は
思考の渦へと消えたのだろうか、あるいは氷上のクレバスの中へと
その差し伸べた手の先で、ほつれたワイヤーが貴方を傷つける、孤独
色彩に見出す孤独がこの足を止め、季節の始まりを知る

翼が次第に溶けていく、鳥人間は
生成された意識の中、彷徨う運命にある…何故なのか…
牧師は銃弾に倒れ、信徒達はむせび泣く、迷信深き、孤独
祈りは続く、神の啓示を求め、真空のイメージを空に重ねた

 

翼を失くした鳥人間は、残骸の中で、思わず呟く

永遠は私のものだ
永遠は私のものだ
永遠は私のものだ…

 

 

「作者のコメント」

詩というよりも、ほぼほぼ小説の構想でしたね・・・

ハチかウシか鳥で迷ったのだけど、自分なりの回答として・・・