天雅 【天ぷら懐石・中目黒】 | ちこの暇つぶし

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2015年10月1日からアメンバー限定記事を交えて更新しています。
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【訪問日:2015.10】

 

某口コミサイトのランキングは、もはや信用するに足るものではないと思っている昨今。
(あくまで信用していないのは点数(ランキング)であって、特定のレビュアーさんの記事や店舗検索では今も活用させてもらっています。)

*天雅

そんな今、信頼できるのは食の好みが合う友人、知人、ブロガーさんからの情報ということで、私が現在足繁く通っている昨年ミシュラン三つ星に昇格した『まき村』 さんと、三田にある二つ星の『晴山』 さんの2軒がお気に入りだという知人から勧められた、日本料理と天ぷらの両方を楽しめるこちらのお店へ行ってきました。

*店内


お店は、中目黒から徒歩4~5分の路地裏の地下1F。

揚げ鍋を囲むように配された半円のカウンター10席以外に、4人掛けのテーブル席が2卓と4名まで利用可能な個室が1室あります。

 

予約を入れたのは約1週間前で、平日だったこともありカウンター4席とテーブル2卓は退店まで空席のままでした。
しかしながら、次の料理が出てくるまでには意外と時間がかかり、普段主人から食べるのが遅いと言われている私でも全体的にスローペースのように感じました。

*天雅懐石


コースは¥10,000と¥15,000の2種類。

うにの天ぷらがいただけるのは¥15,000のみということで、予約時に¥15,000のコースをお願いしておきました。

*先附


秋刀魚や秋野菜を出汁のジュレと合わせた和風テリーヌ。
右手前に添えてあるのは函館産の雲丹です。

針生姜と一緒に食してもなお口の中に残る秋刀魚の臭みが多少気になりはしたものの、異なる食感と味わいの食材を上手に組み合わせていると思います。

*お椀

吸い地は昆布が強めで、椀種は玉子豆腐に甘鯛、松茸、南瓜、法蓮草、人参と多種。
見栄えや彩りも大切ですが、椀種があまりに多すぎると味に統一感がなくバラついた印象を受けるため、食材の質を上げ2~3種ぐらいに厳選したほうがより美しいお椀になる気がしました。
また、個人的にはもう少し鰹がきいた吸い地のほうが好みです。

*造り

生魚を切っただけの刺身を単に山葵醤油で食べさせるのではなく、熟成させたり燻製にして漬けにしたりと魚に一手間加えてあります。
また、食べ方にも三種三様の工夫が凝らされていました。
これは食べていて楽しく、そしてとても美味しかったです。
ただ、〆鯖は既に味が完成されていたため、醤油のヌーベの必要性はあまり感じませんでしたが。

*八寸


銀杏や紅葉で彩られた秋の八寸。

鉄板のクリームチーズといぶりがっこに千葉県産の肉厚な黒鮑、穴子にしば漬、毛蟹とクラゲなど、食材の合わせ方が面白いです。
未だに食べられないことのほうが多い”するめいかの肝和え(塩辛)”も、自家製ならではの鮮度の良さを感じる美味しさでした。

*天ぷら


ここから一旦、日本料理店から天ぷら屋さんへ変わります。

 


定番の才巻海老から始まり、

 


鱚。

 


国産ならではの香りと歯ざわりを楽しめる岩手県産の松茸。

 


穴子はもう少し身がふわっとしていると良かったです。

 


蓮根。

 


1番楽しみにしていたうにの天ぷらは、間違いない美味しさでした。

 

こちらの天つゆはかなり甘めで少し苦手なタイプだったため天ぷらは全て塩でいただき、大根おろしは口直しとしていただくことに。
ただ、今まで食べたことがないふわっとエアリーな大根おろしがとても気に入ってしまい、口直しと言いつつ2回もお代わりしてしまいました。

*箸休め


胡麻の風味が強すぎず弱すぎず、調度良い塩梅だった胡麻豆腐。
舌触りもなめらか且つ独特のねっとり感もあり、美味しかったです。


*炊合せ


新作だと仰っていた山椒が香る黒部和牛の変わりすき焼き。

醤油漬けにすることで濃厚さが増した卵黄を崩し、すき焼き用ではなく一口サイズのステーキのように食べ応えのある和牛と茸類、湯葉、菊菜と一緒にスプーンでいただきます。
これは白い御飯が欲しくなりました。

*食事

食事は”かき揚げ天丼”、”天茶漬け”、”かき揚と白御飯”の3つから選ぶことができました。
お勧めは天茶漬けのようですが、まだまだお腹に余裕があった私たちはガッツリ食べられそうなかき揚げ天丼に。
とは言え、それでも私たちには量的に物足りなく、再訪時は大盛りが出来るか聞いてみたいと思います。

*水物

無花果の赤ワインセリーに無花果のコンポート、無花果のジェラートと、まさに無花果尽くしのデザート。

 

日本料理にも天ぷらにもずば抜けた素晴らしさは感じられなかったものの、一食で平均以上のものを両方楽しめるというのがこちらの最大の魅力だと思います。
しかし、食材の質や一品一品の完成度を考えた時、この内容で¥15,000となると前出の2軒と同じ価格帯になってしまうため、満足度はどうしても下がります。
もし仮にこのコースが¥13,000だったなら、次の予約を入れて帰っていたかもしれません。

 

 

知人に勧められて訪問したお店ながら、いつも以上に思ったままを好き勝手書いてしまいましたが、ひょんなことから会話が弾み、初訪問ながらとても楽しい時間を過ごすことができましたし、自宅からのアクセスも悪くないため、再訪のあり得るお店ではあります。


天雅

住 所:東京都目黒区上目黒3-16-13 CUBE-M B1
電 話:03-6303-4005
営業時間:18:00~23:00
定休日:月曜日
H P:http://www.ten-masa.info/