1988年から三ツ星を守り続けている、フランス屈指の老舗レストラン『ランブロワジー(L'AMBROISIE)』
入口
私が初めてパリを訪れた3年前の2010年12月から、パリに来た際は毎回欠かさず訪問している大好きなレストランです
と言っても、今回でまだ3度目ですが
店内
入口でにこやかなマダム・パコーと挨拶を交わし、ちょっと強面のギャルソンに案内された席は、前回と同じ専用トイレが完備されている一番奥のフロア
しかも、席に座ると、
ギャルソン:「失礼ですが、もしかして昨年もお越しいただいていますよね?」
夫:「はい。10月にお邪魔しています。」
ギャルソン:「そうですよね!!しかも、前回ご案内した席もこちらでしたよね?」
夫:「はい。覚えていてくださったとは感激です。」
ギャルソン:「今回でお二人のことは完璧に覚えました。忘れることは今後ございません。」
と、前回以上に素晴らしいスタートとなりました
ちなみに、ギャルソンの話す英語は理解できても、上手に返答することができない私は、とりあえずニコニコ微笑んでいたのであります
その後、表情豊かで人間味溢れるメートルと最高に魅力的なソムリエとも再会を果たし、ロゼのシャンパンをいただきながらメニュー選び
もちろん、フランス語でしか書かれていない難解なメニューをスラスラ解読できるハズはなく、今回も片言の日本語と英語を話すメートルの助けを借りながら、アントレ1品+ポワソン1品を選び、「この2品では少し足りないだろう」との助言に従い、スモールポーションのヴィアンドもオーダー
ちなみに、今回チョイスした料理は、全てメートルが口頭で勧めたメニュー非掲載の料理のため、正確な料理名は不明です
アミューズ
「グリーンサラダ」と言われて供されたアミューズは、黒トリュフのアイスクリームを浮かべたヴルーテ
濃緑なヴルーテは二層仕立てになっており、良質な旨みだけを凝縮したかのような濃厚さを持ちつつも、冷たいクリームとの温度差効果もあり、後味に重たさはありません
初訪問はサーモン、前回は栗のヴルーテと、いただいたものは違いますが、3回とも共通して言えることは、どれもこれもアミューズの域を超えた、素晴らしく完成度の高い一品であるということです
パン
パンは通常のものとカンパーニュの二種類用意されていました
至って普通に見えるこのパンも、こちらの料理のためだけに作られているのではないかと思うほど、料理との相性が抜群に良く、しかも物凄く美味しいんです
ただ、今回初めてカンパーニュにチャレンジしてみたところ、「ちょっと失敗したかな」と感じたので、次回は普通のものにしようと思います
Raviole de homard 125€
ざる蕎麦に盛られた”きざみ海苔”のような大量の黒トリュフも衝撃的でしたが、それ以上に感動的だったのは、テーブルを超えて室内中に漂うソースの芳香
どれだけのオマール海老を使用したら、これほどまで濃密な香りを作り出せるのか検討もつきません
もちろん、オマールをたっぷり包み込んだラビオルもなかなかお目にかかれない素晴らしいものではありましたが、この料理は黒トリュフにも勝る魅惑的な香りと味わいを楽しめるソースが主役でした
”イトヨリ”と説明を受けたポワソン
ナイフを入れるとほろっと崩れる繊細な身に、潤いを残しながらもカリっと仕上げられた皮目
白身ながらも旨みはしっかりあり、少し酸味がきいたソースともとてもよく合います
また、胡麻和えのような味がしたインゲンも、シンプルにソテーされたアスパラガスも、脇役とは思えぬ美味しさです
Cominee de pigeon 49€
メートルが「お肉は小さいものを用意しますね」と言ったときに、なんとなく嫌な予感はしたのですが、案の定、供されたヴィアンドは私の天敵である”ピジョン(鳩)”
これ以上ないぐらい最高の火入れが施されているのは分かるのですが、鳩や鶉、うさぎのような小動物は食材ではなく生物と思ってしまうため、生理的に受け付けないんです
そのため、ガルニを中心に鳩は味見程度に食し、残りは全て主人の元へ
口当たりはまろやか、後味は爽やかなソルベ
この日いただいだワインは、”Bolliuger rose” 72€、”Puligny Montrachet Clavoillon 2006” 290€、”Vouvray La Coulee d'Or 2003”&”Porto Ramos Pinto 2005” 40€
ソムリエに一任するデザートワインが美味しいことは言うまでもありませんが、ラスト1本を幸運にもGetできた白の美味しさは、3ヶ月経った今でも忘れられないほど、記憶に鮮明に残っています
Tarte fine sablée au chocolat, glace à la vanille Bourbon 30€
ここでしか出会えないであろう、究極のデセール
「チョコレートタルトの頂点に君臨する一品」と言っても過言ではなく、これを食べるためだけにパリへ行く価値があるかもしれません(笑)
Biscuit fondant tiède, marmelade et sorbet à la mandarine 28€
主人は「この時期の定番デセール」と勧められた、マンダリンオレンジのコンポートにマーマーレードソルベ、ビスキュイ・フォンダンの盛り合わせ
薫り高いカフェと、プティエクレア、生クリームをサンドしたメレンゲ、マロンカヌレ、ボンボンショコラetc、作りたてのミニャルディーズ
これは私の宝物です
訪問を重ねるにつれ、初訪時に受けたカルチャーショックのような強い感動を毎回味わえなくはなってきていますが、「最高峰のフレンチを食した」という、高い満足感は相変わらず
それゆえ、未訪問の三ツ星レストランがパリにはまだあり、滞在日数が限られている中で、そちらを優先して行きたい気持ちもあるのですが、どうしてもこちらへの訪問は外せません
訪問日:2012年3月
お会計:1,060€(約117,400円)
過去の訪問レポ >> ①2010年12月 ②2011年10月
L'Ambroisie
住 所:9, Place Vosges 75004 Paris, France
電 話:01-42-78-51-45
営業時間:Lunch 12:00~14:30
Dinner 20:00~22:15
定休日:日・月曜日、夏期・冬期休暇
H P:http://www.ambroisie-paris.com/
備 考:メニューはフランス語のみ、英語可