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えほんとおもちゃにかこまれて♡

えほんとおもちゃのお店で働きだしたやぎが
日々をつづりまする。

「タランと角の王」

ロイド・アリグザンダー 作
神宮輝夫 訳
評論社

「プリデイン物語」全5巻の1作目。
ウェールズ地方の神話をもとにされた冒険物語。
主人公のタランは英雄に、力や強さに憧れる豚飼育補佐をしている少年。
毎日の畑仕事や家畜の世話にうんざりしていたが、
ひょんなことから冒険への旅出ることとなる。
はじめは未熟で自分の力を過信していた主人公が冒険を続けて行くうちに
成長していく姿がなんとも清々しい。
途中、エイロヌイという気が強い少女や人間でも獣でもない臆病者のガーギ
吟遊詩人のフルダー、小人のドーリなどの仲間が加わり
それぞれのキャラクターがまた物語をおもしろくしてる。


読み始めはなかなか進まなくてもどかしかったが
3分の1くらいを過ぎると一気に読めてしまった。
冒険物語の独自の世界観を理解できるまでにやはりちょっと時間がかかるのだなぁ。
そして、自分のカタカナ苦手病
登場人物や地名を覚えるのに苦労します・・・。
でも、そこを過ぎるとやっぱたのしい!
そして、深い。特にギディオンやダルベンの年長者の言葉たち。
もう一度ゆっくり味わって読んでみたい作品です。


「ドリトル先生 アフリカ行き」

ロフティング 
井伏鱒二 訳

岩波書店

お医者さんのドリトル先生は大の動物好き。それでたくさんの動物を飼っていたがそんなこともあり、患者さんがだんだん来なくなる。
そんなとき飼っていたオウムのポリネシアから動物語を教わり、動物のお医者さんになるように諭される。
動物界で名医ドリトル先生のウワサが広がり、アフリカの猿の伝染病を治して欲しいと依頼が来て、動物たちと一緒にアフリカへ行くことになる。


「ドリトル先生」シリーズの第1作。
この本を子どもの頃大好きだったという知り合いがいたので
読もう読もうとずっと思っていた1冊。
その人が幼少期にどんな絵本や児童文学で育ったのかって
結構聞いていくとおもしろいかもと思った。
なんせ、このドリトル先生が好きだった知り合いは生き物と関わる仕事をしているし。

ドリトル先生が動物語がわかるっていうのもおもしろいし、
鼻が利く犬のジップ、耳がいいフクロウのトートー、憎めないキャラのブタのガブガブなど登場動物がいい味を出している。

あとがきにも書いてあるが、現代の人が読むと
黒人差別の表現があるのではと思える所もあるが
その辺はこの物語が書かれた時代背景が影響しているのだろう。
だからといって、ちびくろさんぼのときのように
こういった物語を排除するような動きにはなって欲しくない。
と先日職場でもみんなとそんなことを話しました。

その辺りのことは、石井桃子さんのあとがきを読んでいただけると
ご理解いただけるのでは。
いい文学はいつまでも残って欲しいものです。
これからこの文学に出会える子どもたちのためにも。

それにしても、このかわいい挿絵が作者自身によるものというのにもおどろきです。


「魔法使いのチョコレート・ケーキ」

マーガレット・マーヒーお話集 
石井桃子 訳
シャーリー・ヒューズ 画
福音館書店



8つのお話と2つの詩が入った短編集です。

石井桃子さんが『マーガレット・マーヒーのお話集』の中から、好きなお話を選んで訳したものというだけあって、どれもすごくおもしろいです。
おもしろいといっても、なんというかゆっくりじわじわくる
味わい深い、印象深いお話という感じです。

特に私のお気に入りは「遊園地」と「ミドリノハリ」です。
「遊園地」は子ども心に夜の不思議、美しさ(こわさだけじゃない)への
好奇心を思い起こしました。
「ミドリノハリ」が縫うものの美しさ、情景が言葉だけでこんなに豊かに
表現できることにほれぼれします。

「はっぱの魔法」のポテトチップ(おじさん)の
葉っぱが犬に変わった後にマイケル(主人公)に言った言葉、
「おまえさんが、葉っぱをとりもどしにきたので、こういうことになったんだ。
魔法ってのはな、そうやっておこるのさ。」
という言葉もすごくすてきだなぁとぐっときました。

「しずくの首飾り」にならぶとっても味わい深い短編集でした。
子どもたちにこういうお話をたくさん読んであげたいし、贈ってあげたいです。