絢爛豪華な婆娑羅芸術~石川雲蝶の彫刻群~ | cafe bosatsu『chika*s diary』

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9月吉日。


中秋の名月が近づきつつも、、

季節感を感じさせない猛暑‼️

残暑と気持ちよい青空のなか、車を走らせ魚沼まで、石川雲蝶の彫刻を観に行ってきました。







〈人物像〉

1814年、東京の雑司ヶ谷に生まれる。

チャキチャキの江戸っ子。

江戸彫りの名門・石川流の門人で、20代から彫物師として名を馳せていたそうです。


雲蝶が越後に来たのは、30代前半。

三条、魚沼などで仕事を積み重ね、

【日本のミケランジェロ】

と称されるまでになったとのこと。


お酒と博打が大好きで、

「よい酒とノミを終生与える」

と言われたことが越後入りの決め手になったとか。



〈西福寺の開山堂天井の大彫刻「道元禅師猛虎調伏の図」〉

絢爛豪華な彫刻群は、日光東照宮を思わせることから、【越後日光開山堂】と称されています。雲蝶終生の大作といえる作品。








〈永林寺の【天女(飛天)】〉

 雲蝶の代表作の一つ。雲蝶といえば、この天女を想像する人も多いのではないでしょうか。
  永林寺は、1855年から13年の歳月をかけて施された本堂の作品は00点を超え、雲蝶がプロデュースした最後の現存する建物です。





この雲蝶に所縁深い2つのお寺を巡り、
絢爛豪華な作品群に圧倒されました。
雪深い魚沼の地とは対極的な極彩色の芸術作品。まるで異空間に迷い込んだように…。

そして
【婆娑羅(ばさら)芸術】の真髄を観た気持ちになりました。


「婆娑羅」とは、
遠慮なく、勝手に振る舞うこと。また、そのさま。放逸。放恣ほうし
派手に見えを張ること。また、そのさま。
のこと。

そこには、江戸っ子・雲蝶の
〈粋〉で〈いなせ〉で〈伊達〉なセンスが冴え渡っていました。

また、西福寺の開山堂は、【力強く男性的】
永林寺の天女に代表される作品群は、【繊細で女性的】。この2つのバランスがうまく中立しているように思います。

雲蝶の男性性と女性性が味わえるのが、
魚沼地域の雲蝶作品群の見どころのひとつではないでしょうか。

前述に、「【婆娑羅(ばさら)芸術】の真髄を観た気持ちになりました。」としましたが、
私が

【婆娑羅(ばさら)芸術】が好きな理由はそこです。

最後までご覧頂きありがとうございました🙏