私の人生の転機は、ショパンとラヴェルにあり。 | 心と体をラクにするピアノ奏法

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ピアニストでピアノ講師の荒井千裕が
ピアノの奏法、呼吸法、身体の使い方をお届けします。

こんばんは。
香港在住ピアニストdeピアノ講師の荒井千裕です。

・今日は最愛の作曲家の一人、ラヴェルの誕生日なので、
 少しだけ私の人生の転機のハナシを。


ravel

本日、3月7日は、フランスを代表する作曲家の一人、
モーリス・ラヴェルの誕生日です。(1875-1937)


私がラヴェルの名前を初めて知ったのは、
多分、小学生時代。

なんで知ったか?というと、それは
ムソルグスキー作曲「展覧会の絵」の
オーケストラ編曲をした人だ、ということが
わかった時。

私はピアノ以外で、つまり、オーケストラ作品で
最初に、うひゃー!どひゃー!

って、どえらい騒ぎだった。女子小学生的に。


そもそも、オリジナルのピアノ・ソロの
「展覧会の絵」でも、どっひゃーーーーー!!!

だったのに、オーケストラ編を聴いたら....


  ばばばばばーーーーーー!!!!!


    状態(笑)

魔法使いとちゃうんか?みたいな衝撃。


さて。


その前に私の人生の転機として、ショパンが登場します。


ショパン、あぁ、ショパン。。。(遠い目...)

ピアノ弾きの憧れのマト的存在....

でも、私は特にショパン好きな女子ではなかった。


学生時代の私はさめてたんかな?

音楽はめちゃ好きだったけど、特にショパン、
特にベートーヴェン、特にバッハ、という感覚はなかった。


ただ、課題だからやってた、みたいな(謝!)。


さて、そのワタクシが、徹底的に叩きのめされたのが、
学校の実技試験で弾いたうちの一つ、
「バラード第3番」でございます。


あんなの、ショパンじゃない!


と、くどいけど、徹底的に叩かれた。



そこから這い上がれず。


以後、約20年ほど、人前でショパンを弾けなかったワタクシ。


だけど、そもそも私は「人前でピアノを弾く側の人間」なのだ、タブン。


そういう血が騒いでる。

ざわざわ、ざわざわ。



だから、それを抑えられず暴発する事がその後、2回ほどあった。


その1回目が、「バラード第3番滅多斬り事件」(おおげさ)から約10年後。


香港に移住して2年目のこと。

無謀、という言葉は、私の中にはなかった。


一人息子が生まれたと同時の香港移住。

丁度このころ、私は香港で教室運営を始めた。


大きなイベントで弾かせて頂いた。

それがコレ。

ラヴェル作曲「ソナチネ」第一楽章。



※ 画像が白黒なのは、時代のせいではなく!!!
 香港は日本と違って録画がPAL方式なので、
 日本の方式へ変換したらこうなっちゃった、ということです。



そしてそこから育児と教室運営に奮闘しながら、
あっという間に月日が流れ...

それでもフツフツと沸き起こる

「私は演奏家になりたかったんだ!」

という想い。



そんなある日、あるオーディションの要項を偶然見つけ、
そのオーディションを受ける事を即決し、
慌てて準備して受けたわけです。

どこの馬の骨ともしれない私が受かるかい?

という不安はなかった。
ただ、落ちたら、それが口実になるだけ、みたいな感覚でした。


どんな規模のものか、どんな人をターゲットにしているものかも、当時の私にはよくわからなかった。


結果、受かりまして、そして今の師匠と出会ったわけです。

そして、今の師匠の最初のレッスンで見て頂いたのが、
ショパンの「バラード第3番」でした。

本当に私のバラードはショパンじゃないのか?
全否定されるものなのか?

それを知りたかったから。だから持っていった。


私の師匠は、フランス留学時代に
二人の方に師事していました。

そのうちの一人が、コルトー。


私はその後、何度か「バラード第3番」を
プログラムに載せる機会があり、師匠にも
何度もレッスンして頂きました。

1月の大聖堂でのリサイタルでも弾きましたので、
この動画は割愛。



そして。


今の師匠との10年の年月の中で、最も深いのはコレです。

ラヴェル作曲「水の戯れ」




この曲は本当にもう、お陰様をもちまして、
数えきれないほどステージで弾かせて頂いています。


さて、私の師匠がフランス留学時代に
師事していたもう一人の師匠とは、
モーリス・ラヴェルの愛弟子とも言われている
ペルルミュテールでした。


赤い糸の枝分かれした末端が、私を救ってくださったかのように、
私のもとへ伸びてきてくださった気がします。

運命?人生?って面白いです。

本当に感謝することばかりです。



長々とお読みくださいましたことに、
心からの感謝を申し上げます。


         荒井千裕